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槍ヶ岳・飛騨沢ルートの滝谷避難小屋付近では、先月中旬の地震で起きた落石に続き、先週末の大雨が原因と考えられる大規模な落石が新たに起こっています。この岩は、登山道を横切る形で右俣谷河岸付近まで落下しています。(説明画像内の”巨岩”)
(Google Earthより)※先月の落石(登山道落石 1)の情報はこちら
今回の新規落石は説明画像内の”登山道落石 2”の部分になります。画像上部の〇で囲った場所が落石の発生源になっています。説明画像の元データは2015年撮影のものですが、発生源付近の崩壊は現在、この画像よりもさらに酷くなっています。赤い点線で示した部分が今年5月、6月の落石のため通行困難状態となっています。
”登山道落石 2”の×印付近、登山道を塞いでいる落石群。
滝谷よりも上部、南沢方面へ向かう登山道でも雪渓上に無数の落石が載っており、今後の雨や地震活動でさらに落石が増える恐れがあります。
飛騨地方と長野県中部を震源とする群発地震は今年4月下旬から始まり、5月19日、29日の大規模な地震の後、本日6月18日現在もまだ続いています。昨日、槍平小屋で体に感じた地震は少なめに見積もっても十数回に及び、気象庁発表が震度1であっても小屋内での体感は震度3程度だったこともありました。二ヶ月に及ぶ地震の影響で、滝谷避難小屋周辺のみでなく、ありとあらゆる場所の地盤は緩み、岩盤もはがれやすくなっています。そして、梅雨本番を迎えるこれからの季節はこれ以上ない落石の危険が高まることになります。落石のサイズをご覧頂けばご理解頂けると思うのですが、技術や体力でどうこうできるレベルではありません。もしもあなたが”登山経験豊富なベテラン”でいらっしゃれば、その経験から導き出される答えは”少なくとも、梅雨が明けるまでは入山しない”という答え一択ではないでしょうか。明日6月19日より地域をまたいだ移動制限も解除され、新穂高の登山者用無料駐車場も開放される方向ですが、槍ヶ岳・飛騨沢ルートに関しては新型コロナウイルスとは無関係に、現在がもっとも危険な状態である、と認識して頂きたいと考えます。先日、小屋facebookでもお知らせしておりますが、落石箇所を迂回する新規登山道も検討されています。新しい情報が入り次第、皆様にお伝えいたしますので、どうぞ今しばらく、危険な入山は控えて頂きますようにお願いいたします。
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