槍平小屋ニュース 

槍ヶ岳・飛騨側登山ルートの要衝、槍平小屋から日々の出来事や最新登山道情報をお届けします。

槍平小屋ニュース 06月25日

2016年06月25日 | 日記

夏山スタッフ募集中!


(お知らせ)

2016年シーズンの営業は、7月1日(金)からとなります。


槍平小屋ホームページ はこちらです。http://www.yaridairagoya.sakura.ne.jp/


午前3時半過ぎに槍平の簡易気象計は100mm/hを超える雨量を観測していました。計測誤差を考慮しても相当な雨が降ったことは間違いありません。キャンプ場前、奥丸山へ向かう河原の川幅は、午前6時の段階で前日の4倍ほどになっていました。

滝谷に設置しているライブカメラの映像を確認しても、激しい増水をしているのがわかりました。「こんな日に登る無謀登山者はいないで欲しいな・・・」という願いが叶わないことも、残念ながらこの20年ほどの経験の中で知っています。今日は3組、4名の登山者が危険な沢の渡渉をして登ってきてしまいました。4名の方々には「辛口な話し方になりますけど・・・」と、今日入山することの危険をお話させて頂き、3名の方は素直に聞き入れて下さったのですが、50代くらいの単独行の方は話を逸らそうとなさいました。これもまた、珍しいことではありません。「登山道の状況が、普段とどれだけ違っていて、どれほど危険が増しているのかをいかにお伝えするか」ということは、永遠の課題のような気がします。

 

小屋前に人影が見えるたび、キッチン大掃除の手を止めてお話に行く一日でした。話を逸らそうとなさった方の姿はライブカメラに大きく写っていたため、小屋到着時間もおよそのメドがつきました。小屋番のおせっかいな一言が、誰か一人でも、登山者の方のココロに響いて、安全登山へのきっかけになってくれればと願うばかりです。槍平小屋の営業期間を1シーズンおよそ100日とすると、その中で、気象条件が悪くて入山が危険な日というのは数日あります。しかしながらそれは例年、片手で足りるほどの日数です。山に登る体力だけでなく、”冷静に待つ力”もぜひ街にいらっしゃる間に鍛錬していて下さい。山が皆さんを穏やかに包み込んでくれる登山日和は必ずあります。

 

それでは本日の気象情報。

午前6時。

 

午後6時。