岐阜 柳ケ瀬お化け屋敷「恐怖の細道」公式ブログ

山口敏太郎プロデュース!岐阜市・柳ケ瀬商店街にて開催されるお化け屋敷「恐怖の細道」の公式ブログです。

「やながもんの唄」~消えた子どもたち~

2019-06-03 16:11:19 | 日記

やながもんの唄

「消えた子どもたち」開催によせて

 

 皆様、ご無沙汰しております。柳ケ瀬お化け屋敷製作委員会「やながもん」代表の吉村でございます。この度、岐阜柳ケ瀬お化け屋敷「恐怖の細道」を、3年ぶりに復活開催させていただくことになりました。まずは、復活希望の声をお寄せいただいた皆様、ご支援いただいた皆様に心よりお礼を申し上げます。

 

 

 

 さて、まずは私たちがどうして2年のブランクを経て、復活開催を決意したのかについてお話しさせていただきたいと思います。

 

 少し、思い出話をさせてください。

 

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 私が生まれて初めてライオンを見たのは岐阜公園でありました。

 テレビと動物図鑑でしか見たことのないその大きさに驚きながらも、その気だるげな野性のない姿にいささかガッカリしたことを覚えています。

 

岐阜公園に居たライオン「金ボタン」


 ロマンスリフトに乗って、水道山の遊園地にも登りました。

 山頂にある遊園地には、お化け屋敷がありました。生まれて初めて入ったお化け屋敷。私はあまりの恐怖に、それ以来お化け屋敷は苦手になりました。

 

 

水道山の遊園地

 

 また、長良川交通公園にジャンプ滑り台と流れるプールが出来た時のことです。

 テレビCMで、テレビを囲む家族に向かって、水着姿の女性が滑り台から水しぶきもろとも飛び込んでくるという内容に、少年の私は血沸き肉踊り、心ときめかせ母に「連れてって!」とお願いしました。

 

長良川交通公園のジャンプすべり台

 

 今の名鉄岐阜駅の場所にはかつて百貨店があり、その屋上には「新岐阜プレーランド」という遊園地があり、ローラースケート場やスケート場もありました。

 

新岐阜駅百貨店屋上にあった「新岐阜プレーランド」

 

 私たち昭和の岐阜の少年は、そういった場所で家族や友だちと沢山の楽しい思い出を育んだものです。それは今でも楽しく美しい心象風景としてキラキラとした思い出とともに残っています。

 

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 昭和から平成を経て、令和という新時代を迎えた今。残念ながら、ライオンも、ロマンスリフトも、水道山の遊園地も、流水プールもジャンプすべり台も過去のものになってしまいました。

 

 もちろん、施設の老朽化や時代の変化など、原因は色々とあるでしょう。ですが、かつてこういった地域の遊び場に夢を見た一人としては、この現状を寂しく思うと同時に、「このままで良いのだろうか?」という思いが湧き上がってくるのです。
 現在、アミューズメントといえばディズニーランドやUSJといった巨大アミューズメントに集約されてしまった感があります。もちろん、ディズニーもUSJも、素晴らしいアミューズメントであることは間違いないのですが、岐阜の子どもたちにとっては、そうそう気軽に行ける場所ではありません。

 地域に根ざしたアミューズメントが減少、消滅してしまった街で、少年たち、少女たちが「地域で遊んだ」という思い出を作れないという現状。これは岐阜だけでなく地方都市において同じような状態であると思います。まして、今は公園にも遊具があまり置かれなくなり、ボール遊びも禁止されているところが多いと聞きます。現代の子どもたちの「遊び場」は、いったい何処にあるのでしょう?

 

 「アミューズメント」とは何かといえば、それは「非日常」の体験と言えるのではないでしょうか。私たちは2012年より開催していますお化け屋敷の運営を通して、子どもたちが泣き、笑い、叫ぶ姿を見て、「これがアミューズメントだ!」という気付きに至りました。

 お化け屋敷は、言ってしまえば「お金を払って怖い思いをしに行く場所」であります。どうしてわざわざそこに足を運ぶのかと言えば、それはやはり、「非日常」に出会いたいから、「非日常」を楽しみたいからではないでしょうか。

 かつて私たちが体験した、遊園地の門をくぐる時のドキドキした気持ち。日常では出会えない動物を見た時の驚き。それと同じ「アミューズメント」の火を、地域から消すわけにはいかない。それが、今回私たちを3年ぶりのお化け屋敷開催に駆り立てた思いであります。

 

 

 

 今回、私たちは新たに「岐阜発!アミューズメントの地産地消」という活動ビジョンを掲げました。大都市、巨大アミューズメントの向こうを張って、小資本、手弁当であってもアイディアとガッツ、何よりも地域愛があれば、地域の子供たちが楽しめるアミューズメントを創造できるということを証明し、それを岐阜発!!として同じようにアミューズメントが消滅しつつある地域に活力を与えたい。そう考えています。

 

 これまでの「恐怖の細道」は、口裂け女と一人の少年「やなお」君の物語でした。ですが、今回のサブタイトルは「消えた子ども“たち”」と複数形になっています。このサブタイトルには、「柳ケ瀬」の象徴として名付けた「やなお」だけでなく、遊び場を失ってしまった多くの子どもたちへの思いが込められています。

 この3年ぶりの「恐怖の細道」が、岐阜市民のみならず日本中の魂に響く事業となるべく、開催準備を進めてまいりたいと思います。

 皆様、よろしくお願い致します。そして新たな「恐怖の細道」の開幕を、楽しみにお待ちいただければと思います。

 

「やながもん」岐阜柳ケ瀬お化け屋敷製作委員会 代表 吉村 輝昭


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