もうすぐ2016年の「恐怖の細道」の営業が終わります。
今年の副題は「あの曲がり角から」。その先にある恐怖に対して『進むか戻るか』という選択を題材にしたお化け屋敷でありました。
言うまでもなく、この世は、人生は選択の連続であります。
私たちのお化け屋敷においても絶えずそも「選択」という行為が行われていました。
おそらく興味を抱いてお化け屋敷の前まで来ていただいたのに、
「え~どうする?怖い怖い・・・じゃあ来年にしよっ」
という選択をされるお客様をよく見かけます。
そのたびに私は思うのです。「来年あるのだろうか・・・?」と。
私どものお化け屋敷は、非営利で民間有志と、ボランティア性の高いアルバイトによって運営されております。
振り返れば2011年から選択の連続でありました。何かに突き飛ばされるように始めた2012年、苦しんだ初年度を乗り越えて挑んだ2013年、公へのシフトに失敗し休催に終わった2014年、2年連続で休んでは永遠に失われてしまう、という焦燥感から魂コガシテ開催した2015年、そして開催会場が二転三転し時間に追われた本年度。
思い起こせばその都度思い出深く、また苦しい選択の歴史でありました。
本年度、間もなくゴールを迎えようとしている私たちのお化け屋敷には、例年と変わることない愛おしい叫び声が柳ケ瀬のアーケードに響き渡っています。
私たちの目指す「岐阜、柳ケ瀬の夏の風物詩」に近づいているようにも感じられます。
しかし、正直なところ今年の来場者数は、善戦してはいるものの昨年までに比べると目減りしているという現状があります。
お客様のリアクションは例年に比べても遜色なく、むしろ良いと感じるのに・・・。
この物語の始まりの頃に思いを馳せれば、開催前のとてつもない逆風が、ある日突然追い風に変わり、私たちは高く舞い上がっていった。
謙虚に振り返れば、私たちは追い風に煽られ、持て囃され、実力を超えた世間の評価に浸っていたのかも知れない。
風は止んでしまった・・・
岐阜・柳ケ瀬の夏の風物詩という風鈴の音は、少し小さくなってしまった。
今こそ、真価の問われる時。
「あの曲がり角から」の開催日も残りわずかとなった。
私たちの「柳ケ瀬商店街を盛り上げたい!」という熱い思いは今も変わらない。
最後まで、表現し続けようと思う。火を灯し続けようと思う。
どうぞ、2016年の「恐怖の細道」に最後までお付き合い下さい。
「やながもん」柳ケ瀬お化け屋敷製作委員会 代表 吉村 輝昭