親心、子心

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やってやる教師はやってしまう教師

2015年09月02日 22時11分05秒 | 教育全般(非分類)
私が教職についてすぐの頃、私は『やってあげる教師』だった。

周りには、「なんでできねーんだ」とか、自分の教え方のまずさを棚にあげ、生徒に責任を押しつけているように見えた教師がいた。(あくまでそう見えただけだし、そんなに沢山いたわけではないが…)

だから私は、生徒が困れば、助けてやろうと、いろいろな場面で手出しをしていた。それが生徒のためになると疑わずに。


…ある日、卒業させた生徒の近況を耳にした。
ある子が高校を退学したというのだ。
…その子は卒業式後の離任式、私が転任するのを知って、1日2日で、クラスの生徒に呼びかけ、私宛の色紙を作ってくれた子だった。

「私だからできたんだからね、感謝してね!」

そういった彼女の言葉は、今でも感謝の心とともに思い出す…。


…退学の話を聞いてからずっと、心にひっかかりがあった。
私は何を教えてあげられたんだろうと…。


もちろん退学したから人生が終了したわけでなく、今その子は幸せに暮らしているのかもしれない。
…しかし彼女が学校という集団で過ごしきる力、方法を身につけさせてあげられなかったのは確かだと思う。

やってあげる教師はやってしまう教師。


その子が力を伸ばす機会を奪ってしまったと、未だに後悔している。


まだ、「こんなこともできねーのか」と突き放していた方が、子ども達の力をのばしてあげられたのでないかと、考える時がある。


教師が子どもを突き放す時。
それは、決してあなたを嫌っているからではなく、乗り越えられると信じているからであることも知っておいて欲しい。

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