山崎裕二 活動誌 ブログ版

日々の活動の様子を綴っています。

改(かい)め文と新旧対照表

2017-03-05 11:50:40 | 例規・条例改正・その他議案 確認

 既存法令を一部改正などする場合、改(かい)め文という文章表現形式を汎用しています。町の条例などの例規を一部改正などする議案においても登場します。

 例えば、一部改正の改め文では、

 この法令は 「第◯◯条中「…」を「…」に改め、「…」の下に「…」を加え、「…」を削る。」

などといったかたちで表記します。

 例を挙げて、紐解いてみます。3月議会に提出のあった町丹のまち広場うるおい館の設置及び管理に関する条例および町指定地域密着型介護予防サービスの事業の人員、設備及び運営並びに指定地域密着型介護予防サービスに係る介護予防のための効果的な支援の方法に関する基準を定める条例のそれぞれの一部改正(後者は一部のみ抜粋)について、改め文の形式で確認すると、

 

です。ちなみに、改め文による法令改正の方法を溶け込み方式とも呼びます。対象となる既存法令の改正によって、当該既存法令のなかに溶け込んでしまうためです。

 さらに、町の例規などを一部改正する議案などにおいては、改め文に加えて、参考資料として新旧対照表が添付されているのが通常です。提案理由の担当課 補足説明では、同資料を主として用いるケースを見聞しつづけてきました。

 同様に、先ほどみた2つの条例の一部改正議案を新旧対照表の形式で確認すると、

 

となります。どの部分を、どのように改めるかを逐語的に示した改め文では、既存法令と突合せずに改正しようとする全容を読み取ることは、確かに困難を伴います。 この点を容易に克服するためのツールの一つとして、新旧対照表は機能していると評価しています。

 そういった反面、

 ・改め文では、改正点を簡潔明瞭に表現できること

 ・新旧対照表では、条項の移動など、改正内容を正確に表現できない場合があること

 ・改め文より、新旧対照表は分量が多くなること

などから、国や大多数の地方自治体では、従前より、採用していた改め文による法令・例規の改正方式を、主と捉えているようです。

 そうは言っても、改め文のみに依拠した全容解明は難解に過ぎるため、多大な時間と再度の労力を要するにも拘らず、新旧対照表という新たな手段が表出したと推し量っています。

 町民のみなさんの幸せ達成という目的のために、双方の良いところ取りをし、議案の改正点などを正確に把握していくことが大事と肝に銘じています。


コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。