ヨツアナカシパン(Peronella japonica)
理学部3回生の海洋生物学実習Bに使用するため、ヨツアナカシパンを採集して提供しました。
一部は筑波大学の研究のために向島から発送しました。
ヨツアナカシパンは棘皮動物門に属するウニの仲間です。
カシパンという名前は文字通り当時の菓子パンに形が似ているところから命名されました。
花のような模様はその名の通り花紋といいます。
画像では見えませんが、その中央部分に生殖口があります。
ウニ類は上面に肛門がありますが、カシパンは下面後方に肛門があります。
殻の頂点に肛門があるものを正形類、それ以外の部分にあるものを不正形類と分類します。
口と肛門が上下の対称の位置にあるかどうかの話で、悪いことをしているわけではありません。
肛門の位置の違いは、一説によると生活スタイルの違いによるものと考えられています。
ウニ類は海底の岩などの上で生活し、カシパン類は砂の中に潜って生活しており、
前者は岩の上に生える海草などを齧り、後者は砂中の沈殿物などを食べています。
さて、この状態で糞をすることを考えてみましょう。
ウニは上部の肛門から排泄し、糞は海水の流れに乗って速やかに流されます。
一方、砂の中にいるカシパン類は上部から糞をすると、そのまま砂の中で糞まみれになります。
そこで後方から糞をして本体は前方に移動すれば、自分が汚れることはありません。
生活スタイルの違いと肛門の位置の違いのどちらが先に確立したのかはわかりませんが、
自然とは実に合理的にできています。
さて、採集地の写真を撮ろうとしたのですが、あいにく波が荒くて砂が舞い上がり、写真が全く撮れません。
擬似的に水槽内で再現するとこんな感じです。
体に砂をかぶせてカモフラージュしていますが、体の形に合わせて輪郭が分かってしまいます。
そのため、分かっている人にはこの隠れ身は通用しません。
砂に潜る(隠れる)のは早く、5分もあればご覧の通り。潜ると同時に管足と棘を使って砂を自分に被せていきます。
育てるのは難しいですが、1月ほど維持するだけなら簡単です。
温度が上がりすぎないようにしてサンゴ砂を引いて空気を入れるだけ。餌は特に与えなくても大丈夫です。
ある程度長く飼いたいときは、生息地の砂を薄く敷き、大きめの水槽で飼育します。
餌は色々な魚やウニやナマコなどの排泄物が沈殿して餌となることを期待して、それらを同じ水槽で飼うようにしています。
実験の様子はまた後日。
理学部3回生の海洋生物学実習Bに使用するため、ヨツアナカシパンを採集して提供しました。
一部は筑波大学の研究のために向島から発送しました。
ヨツアナカシパンは棘皮動物門に属するウニの仲間です。
カシパンという名前は文字通り当時の菓子パンに形が似ているところから命名されました。
花のような模様はその名の通り花紋といいます。
画像では見えませんが、その中央部分に生殖口があります。
ウニ類は上面に肛門がありますが、カシパンは下面後方に肛門があります。
殻の頂点に肛門があるものを正形類、それ以外の部分にあるものを不正形類と分類します。
口と肛門が上下の対称の位置にあるかどうかの話で、悪いことをしているわけではありません。
肛門の位置の違いは、一説によると生活スタイルの違いによるものと考えられています。
ウニ類は海底の岩などの上で生活し、カシパン類は砂の中に潜って生活しており、
前者は岩の上に生える海草などを齧り、後者は砂中の沈殿物などを食べています。
さて、この状態で糞をすることを考えてみましょう。
ウニは上部の肛門から排泄し、糞は海水の流れに乗って速やかに流されます。
一方、砂の中にいるカシパン類は上部から糞をすると、そのまま砂の中で糞まみれになります。
そこで後方から糞をして本体は前方に移動すれば、自分が汚れることはありません。
生活スタイルの違いと肛門の位置の違いのどちらが先に確立したのかはわかりませんが、
自然とは実に合理的にできています。
さて、採集地の写真を撮ろうとしたのですが、あいにく波が荒くて砂が舞い上がり、写真が全く撮れません。
擬似的に水槽内で再現するとこんな感じです。
体に砂をかぶせてカモフラージュしていますが、体の形に合わせて輪郭が分かってしまいます。
そのため、分かっている人にはこの隠れ身は通用しません。
砂に潜る(隠れる)のは早く、5分もあればご覧の通り。潜ると同時に管足と棘を使って砂を自分に被せていきます。
育てるのは難しいですが、1月ほど維持するだけなら簡単です。
温度が上がりすぎないようにしてサンゴ砂を引いて空気を入れるだけ。餌は特に与えなくても大丈夫です。
ある程度長く飼いたいときは、生息地の砂を薄く敷き、大きめの水槽で飼育します。
餌は色々な魚やウニやナマコなどの排泄物が沈殿して餌となることを期待して、それらを同じ水槽で飼うようにしています。
実験の様子はまた後日。