尾道市向島町の里海を眺めて

瀬戸内海(尾道・向島)で見られる海の生物等をご紹介

キュウセンの寝相

2012-05-25 19:08:47 | 生物
時折「魚って寝てるの?」と聞かれることがあります。
魚の種類によって睡眠の取り方は違うようですが、
魚は専門外なので詳しいことはよくわかりません。

はっきりと寝ているとわかる魚にキュウセン(Halichoeres poecilopterus)がいます。
瀬戸内海では大変よくみられる魚で、磯からの投げ釣りでよくかかります。
キュウセンは夜間及び冬季に寝ることで知られており、
飼育に慣れると水槽の中で寝ているのを観察できます。
尾で砂を巻き上げて自分の体にかけ、砂底と一体化したようにみえます。



ところがあまり落ち着かない状況だと、目だけはしっかりと出してこちらをうかがっています。
左のたわしみたいなものはオオブンブクというウニの仲間です。



水温が高くなってきたために昼間は寝ることが少なくなってきましたが、
ライブ放映している水槽で運が良ければ寝ている姿が見えるかもしれません。


シランの花

2012-05-19 19:46:32 | 日記
以前に発芽したシランですが、花が咲きました。もうすぐ花も終わります。


白いシランの株も少し混じっています


敷地内にはカラーも自生しています。冗談半分で生け花にしたこともあります。
生け花の心得は全くありませんので、見た目は良くありません・・・。

ダイナンギンポとムスジガジ

2012-05-18 18:45:47 | 生物
春から初夏の干潮時に、波打ち際の石をひっくり返すと、小さなウナギのような魚がいます。
ダイナンギンポという魚で、大きいものは20cmを超えます。
パッと見るとウナギに似ているのでウナギ目かと思ってしまいますが、スズキ目に分類されます。
テンプラにすると美味しいそうですが、私はまだ食べたことがありません。
今年は大きめのものを捕まえたら食べてみたいと思います。

ダイナンギンポ(Dictyosoma burgeri


ギンポと同じ場所にはムスジガジという少し似た魚もいます。

ムスジガジ(Ernogrammus hexagrammus


ustreamでこれら2種が入った水槽を放映しています。
http://www.ustream.tv/channel/%E5%90%91%E5%B3%B6%E6%B0%B4%E6%97%8F%E9%A4%A8
タコ壺を半分に割った住処を作っていますので、そこから物憂げに顔を見せてくれるかもしれません。
ただしシステムが不安定で放映が途切れることが多く、土日は切れたままになりやすいです。
平日昼間はできる限り繋ぎなおすようにしていますが、病気が発生したら放映中止です。

ダイダイウミウシ クロミドリガイ ヒラミルミドリガイ

2012-05-14 18:50:33 | 生物
春は多くのウミウシが海辺で見かけられるようになります。
ひとまず、前回寄贈したウミウシの拡大写真を投稿。
それぞれ1~3cm程のウミウシです。

ダイダイウミウシ(Doriopsilla miniata)


クロミドリガイ(Elysia atroviridis )


ヒラミルミドリガイ(Elysia trisinuata) と卵塊


ウミウシを飼うのは、餌を特定して供給することがとても難しいのですが、
涼しいところでエアレーションすれば、一週間ほど維持することは簡単です。
ただ、他の生物と一緒に飼うのはお勧めできません。
魚やカニ類に食べられたり、防御反応で粘液を出すため、水槽内の生物に被害が出ます。
私は100円ショップなどで売っているコレクションボックスを簡易水槽に改造して、
できるだけ省スペースで個別に飼育するようにしています。
気が向いたら作り方などをアップしてみたいと思います。

春の訪れ アメフラシ

2012-05-11 19:11:00 | 生物
向島に春が来たと感じさせるものは海にも多くあります。
今回はそのうちの一つ、アメフラシです。
ここ数年ほど依頼があるために採集しており、
個人的な春の風物詩になっています。



今年は3月23日から実験所前の岸壁でよく見かけるようになり、
5月7日に卵塊であるウミソウメンが確認できました。




せっかくなので、交流のある近隣の小学校に展示してきました。
アメフラシが紫汁を出すところを見せ、卵を産むところも観察してもらえるように水槽をセット。
先生方も一緒に観察していました。

本当は子供たちにアメフラシを直接触ってもらい、感触や匂い(少し爽やかな香り)を直接感じ、
アメフラシが貝の仲間だと実感できるよう、背側にある貝殻を体験してもらいたかったのですが、
それをやると紫汁を出してしまいそうなので、次回の磯の観察会の時にでも体験してもらおうと思っています。







ついでに、アメフラシに近い仲間としてウミウシ3種(ダイダイウミウシ、クロミドリガイ、ヒラミルミドリガイ)
も一緒に小学校の教室においてきました。





写真に撮り忘れましたが、クロミドリガイも卵を産んでいたので、アメフラシの卵といい比較になると思います。

アメフラシを持っていくときに、近所の方々が栽培している花や手作りの防虫剤などを持参しておられました。
地域の方々の暖かい支援が校内のあちこちに見られる、雰囲気のいい小学校です。
教頭先生の柔らかく丁寧な対応も素晴らしいものでした。