尾道市向島町の里海を眺めて

瀬戸内海(尾道・向島)で見られる海の生物等をご紹介

ゴンズイ

2011-12-20 18:23:06 | 日記
今回はゴンズイ(Plotosus japonicus)のお話。

岸辺にいるときに、下の写真のような魚の群れを見たことがあるでしょうか?


これはゴンズイ玉と呼ばれるもので、ゴンズイが100匹単位で群れている状態です。
ゴンズイは本州から沖縄にかけてよく見られる魚ですが、九州以南ではミナミゴンズイと
呼ばれる種が存在します。脊椎の数や鰭の条数等でしか区別できません。
ナマズ目に属し、唯一海の中で一生を過ごすナマズの仲間です。
寿命は3年ほどで30cm近くまで成長し、浅瀬に生息しているために見かけやすい魚です。
黄色い口髭のような触覚と縦縞模様が特徴的で、陸の上からでもすぐに見分けがつきます。
毒のある魚として有名で、背びれの頭側に1本、左右の胸びれにそれぞれ1本の
計3本の固い毒針を持っています。

昨年の冬にゴンズイ玉の写真を撮りたいという依頼があったので、
回遊ルートになっている場所を教え、陸上から撮影してもらうことにしようと考えていたら、
「せっかくなので潜って取りたい」との要望が・・・。
私は毒を持つ生物が苦手なので、常に触らない、近寄らないようにしていましたが、
ご要望とあらば・・・と、へっぴり腰で水中撮影におつきあいしました。
撮影下手なうえにシャッターを切ったらすぐ逃げるという体たらくでは、全く良い写真が取れません。
とりあえず自分が撮った写真を並べておきますが、プロが撮った写真はこちらのリンクに飛んでください。
http://www.chugoku-np.co.jp/kikaku/yurikago/Iy201012270001.html







ゴンズイは好奇心が強い魚で、大きな相手にも寄っていきます。
そのため、向こうから群れになって平気で近づいていきます。

これは大きな相手を襲おうとしているわけではありません。
ゴンズイは掃除行動という性質を持っており、大型の魚などの体表をクリーニングします。
我々も掃除してあげようと思っているのかもしれません。
向こうから近づいてくる分には毒針を向けてこないと言われていますが、
自分の体で試してみたいとは全く思いません。
ゴンズイの食事は掃除行動ばかりではなく、普段は口の周りにある触覚で海底の生物や
有機物を認識すると、手当たり次第に口へ入れています。

ゴンズイの毒とその対処法、そしてゴンズイ玉の行動などについては、
長くなりますので別の日にアップしたいと思います。