尾道市向島町の里海を眺めて

瀬戸内海(尾道・向島)で見られる海の生物等をご紹介

下江府島探検

2012-07-04 20:21:41 | 日記
7月2日に近所の小学校による下江府島探検がありました。
毎年この時期に地元の向島漁協の全面的な協力のもとに、筏を作って約1km離れた下江府島に渡ります。
自分たちで魚を取って火を起こしたりする体験学習を行い、周辺の環境も調べたりします。
この総合学習に、理科教育充実のため講師依頼を受けて参加しましたので、その様子をご紹介。

まずは校長先生のあいさつ。この日は梅雨の合間でしたが、いいタイミングで晴れ間がありました。



そして向島漁協組合長さんの挨拶。
向島漁協さんは長年この活動を全面的に支えておられ、一番のサポーターです。



結団式のあと、船にお神酒をささげて出港。
出航時間などは潮の流れに乗るように事前に計算されています。





海上保安庁もサポートしています。
万が一の時の対応はもちろん、周辺海域に危険な走行をする船舶が侵入しないように見張っています。
我々大学の船舶もたまに暴走する船舶や水上バイクに絡まれることがあって困ることがありますが、
そういった危険を未然に防いでくれることは、大きな安心になります。



およそ45分ほど漕いで下江府島に到着。





テント設営後、午前中は各自のグループ活動に分かれます。
そのうちの一つの釣り体験のサポートを行いました。
自分の竿も持ってきてはいたのですが、子供たちの仕掛けを整える時間が多く、
私自身は釣る暇はほとんどありませんでした。ツレナカッタノデハアリマセン。
昨年より釣果は良く、キュウセン、マダイ、シロギスなどが多く釣れました。



昼食は地元のTさんの指導で起こした火を使ってカレーや焼き魚を堪能。
漁協よりタイやヒラメの差し入れもありました。
Tさんはカヤックで筏の漕ぎ方を指導したり、魚のさばき方を教えたりと大忙しです。



午後は島を一周しながら海洋生物の採集と説明の時間で、ようやく本番。
釣りが楽しかったらしく、時間がおしていたので島を半周にとどめました。
系統樹を見せて海洋生物の多様性を学習し、毒のある生物などの注意から始め、
様々な貝をひろったり、ウニを割って口の部分をみたり、アメフラシの紫汁を出させたり、
ウミエラの骨軸の感触を実際に触って確認したりと、できることは盛りだくさん。
他にも子供たちが見つけてくる生き物の名前や生態を教えるのでてんてこ舞い。
そのため、残念ながら写真を撮る暇はありませんでした。

来たときは満潮でしたが、帰るときは干潮です。
筏を皆で抱えて3m下の海面に浮かべ、元の漁港に向けて出発。
帰りはみなくたびれてしまい辛そうな顔をしていましたが、大人は手伝うことはできません。
行きの倍ほどの時間がかかってしまいますが、全員無事到着。
解散式の後に保護者の皆さんと一緒に家路につきました。
この経験が、いい思い出と共に将来の何かに繋がることを祈っています。