尾道市向島町の里海を眺めて

瀬戸内海(尾道・向島)で見られる海の生物等をご紹介

Mesodinium rubrum(ダルマハネムシ)による赤潮

2012-10-27 17:46:29 | 日記
金曜日の昼前に海辺を見てみると赤潮が出ていました。



ヤコウチュウとは色が違うなと思い、ちょっとすくって見ました。
ヤコウチュウはオレンジ色に近い赤で、これはワインレッドに近い赤です。



マクロ撮影するとこんな感じ。大きさは50μm程度。
濃いところで大体1000匹/1mlくらいの密度でしょうか。 コップ半分の約100ml中には10万匹いる計算になります。




顕微鏡で覗いて分類してみました。 おそらくMesodinium rubrum(ダルマハネムシ)だと思います。
発生するのが秋口で、赤潮の色合いも瀬戸内海プランクトン図鑑(岩国市立ミクロ生物館発行)の記載と似ています。



ダルマハネムシの和名は最近つけられたようで、ちょっと語源を推測。
顕微鏡でのぞくときに絞りを甘めにするとケイ酸質や鞭毛の部分がはっきり見えず、ダルマのようにみえます。
また、動き方は本当に跳ねるような動きをします。動画はこちら http://youtu.be/kXp58pZH89c
ホールスライドグラスに入れて撮影してみましたが、動き回っているのでピントが合わないのはご容赦を。



赤潮が出ているあたりで来月頭の広島大学大学祭に供出するための小魚をストックしているのですが、
この影響で死んでいないことを祈るのみです。
生きていれば、11月4日の日に「ビオトープで遊ぼう」の海の生き物コーナーで行う
「金魚すくい」ならぬ「珍魚すくい」で使う予定です。