尾道市向島町の里海を眺めて

瀬戸内海(尾道・向島)で見られる海の生物等をご紹介

ニホンスナモグリの孵化

2011-05-12 18:45:57 | 生物
先月半ばに磯を散策。
水槽に入れれそうな小魚を採っていたのですが、
手伝ってくれた院生のA君がニホンスナモグリを見つけました。



近縁種が幾つかあり、私は甲殻類の分類がとても苦手なので間違っているかもしれません。
殻は柔らかいのでアナジャコではないことは確かです。
お腹の赤いのは卵です。
この時期特有の婚姻色の赤色も背中に見えます。

せっかくなので、卵を少し拝借。
実体顕微鏡で観察すると、胚発生は進んでいる様子。




このまま雑居水槽に入れるとデスマッチが始まってしまうので、
小さな水槽に隔離しました。
飼い続けること半月。卵の色が変わり、卵塊に海水を送るような仕草を見せ始めたので、
念のためと思ってカメラを設置しておきました。
私物のデジカメで長期戦を覚悟して品質を落として撮影したため、
解像度はあまりよくないのですが、それらしい様子は撮影できました。





ニホンスナモグリ孵化


生まれてきた子供たちは肉眼ではボウフラのようにしか見えませんが、
これも顕微鏡で見るとこの通りかわいらしいものです。



ただし、そこは弱肉強食の世界。
一緒に飼っていたアシナガモエビモドキ?に食べられてしまいます。
これ以上飼育するのも難しいので、生息地の魚がいない場所を選んで放流してきました。

このアシナガモエビモドキと思われるエビですが、これも卵を持っていて、
同じように卵を拝借して顕微鏡で覗いてみると・・・





(`Д´)
エビに顔芸をされるとは、人生何が起きるかわからない。