はぐくみ幸房@山いこら♪

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帰化植物

2016年08月13日 | 樹木・草花のお話

 海外から人の手によって持ち込まれた植物のうち、野外の中で自然に育つようになった植物を「帰化植物」といいます。

 日本の帰化植物は、1,200種とも言われ、その中でも特に繁殖力の強い帰化植物は、在来種を駆逐するおそれがあります。

 身近な帰化植物として・・・・

 セイヨウタンポポ

 セイタカアワダチソウ

 メリケントキンソウ

 ※種が危険です。種にトゲがあって、グサッと刺さります。

 ヒメオドリコソウ

 ヨウシュヤマゴボウ

 ※実は有毒なので、食べないで下さい。

 ワルナスビ

 ※トゲがあるので、素手で引き抜くのは危険です。

 ホテイアオイ

 などなど。

 

 帰化植物の異常繁殖は、環境や生態系が崩れるor壊れるおそれもあるため、駆除に取り組み、元の環境や生態系を取り戻そうと頑張っている方々や団体さんもいます。

 なので、「帰化植物」って聞くと悪い植物をイメージしてしまう方も少なくないと思います。

 

 では、ちょっと、ここで視点を変えて。

 日本に帰化植物があるように、海外にも帰化植物があります。

 そして、海外でも、日本の在来植物が蔓延し、非難を浴びています。

 今、話題になっているのが「イタドリ」

 ” スカンポ ”や” ゴンパチ ”とも呼ばれ、道端に生えているポピュラーな山菜の「イタドリ」。

 子供の時、ポキッと折って、茎にかじりついたり、今も、真夏の山で喉が乾いたら、お口直し的にかじったり。

 あと、笛を作ったり、遊び道具にも使われます。

 和歌山県では、栽培をして、加工品向けに販売したり、山村地域の収入源にもなっています。

 

 と、日本では馴染み深く、そして親しみ深い植物である「イタドリ」がイギリスで大問題に

 イタドリは、荒れ地などに真っ先に芽吹く植物の1つで、養分が少ない土地でも根をはり、何年もかけて葉を茂らせ、少しずつ土壌を作り、別の植物が生える土台を作ってくれます。

 いわゆる植生遷移の中で、大切な役割を担っている1つの植物がイタドリ。

 この養分の少ない荒れ地でも育つことが出来るイタドリの生命力・繁殖力が、イギリスで仇になったようです。

 イギリスで繁殖したイタドリは、コンクリートやアスファルトを突き破り、住宅などの建物、防波堤など生活に影響を与える被害を出しているほか、道路やコンクリートの基礎など建設現場への被害も出ているそうです。

 イギリス政府がとったイタドリ対策は、「イタドリマダラキジラミ」の輸入。

 いわゆる生物防除。

 外来種に外来種をぶつける・・・ん~なんか、国内でも聞いたような対策だな~と思いつつ、思いつつ・・・。

 もともとは観賞用に輸入されたイタドリ。

 イギリスでは、「見たくもない!」っていうくらい繁殖しているんでしょう・・・

 日本では、イタドリを食べる習慣もあるし、今は、シカの増加で、真っ先にシカが食べちゃうから、イタドリを柵で囲って育てるというイギリスとは真逆の動きが見られています。

 

 次に「クズ」。

 北アメリカで建物を覆い尽くし、「グリーンモンスター」とか「ジャパニーズ・グリーンモンスター」とか呼ばれています。

 砂漠での緑化効果を期待して、輸入したそうですが、砂漠ではなく、建物を緑化してしまった・・・

 日本でもクズが繁茂しているところはありますが、シカはクズが大好物なので、シカのいないところ、シカが食べに行けないところでクズが繁茂しています。

 クズもイタドリ同様、繁殖力が裏目に出たようです。

 

 最後に「ワカメ」。

 お味噌汁に入れる「ワカメ」。

 でも、海外では「ワカメ」を食べる習慣がないので、海の中で大繁殖。

 日本の船底にワカメの胞子が付着したのが繁殖の原因らしいです。

 

 この3種の共通点は「日本の食文化」であること。

 ある意味、人が食べることでバランスが取れていたのかも・・・。

 実際、シカが少ないところでは、クズが繁茂しているわけだし・・・(イノシシもクズの根食べるし。)。

 

 あとこれら3種は、世界の侵略的外来種ワースト100にもランクインされています。

 

 この3種ほどではないようですが、「アケビ」、「ススキ」なども海外の帰化植物になっているようです。

 日本も、海外から持ち込まれた帰化植物に悩み、四苦八苦していますが、実は、海外でも同じように日本の在来種が、悩ませ、四苦八苦させているようです・・・。

コメント
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