某航空会社にお勤めのA氏(49歳男性)の内視鏡検査をしました。
A氏は、朝 胸焼けで大変つらいとおっしゃいます。
逆流性食道炎を疑い内視鏡検査の段取りを組んで、某日検査を受けて頂きました。
そしたら 案の定 食道に1cmほどの発赤した溝を3条認め、
逆流性食道炎と診断しました(Los Grade Cって 我々は書くんですが)。
内服薬を処方しました。
日本のT社が開発したLansoprazole 30mg 1Cap/day です。
(T社さん 気にしないでね けなしたりしないし、べた褒めでもないから、、)
まあ ここまでは 差し障りないと思います。
Gold standers ではなかったかと思っております。
ところが、 後日患者さんが泡くって、 来院。
「先生 この薬お飲んでると 操縦禁止になってしまうんです」
以下 私の 予想。
ほとんどの大手企業には法定産業医が居ます。
労働基準法で“産業医を置くこと”と 決まってますので
法令順守で常勤または非常勤で産業医が居ます。
常勤・非常勤は労働者の人数で決まります。
この 某航空会社にも 当然おいでのはずです。
そして その先生がLansoprazole=胃潰瘍の薬 という
simpleな 理論で
Lansoprazole内服中は乗務停止 っていう 社内ルールを
作ってしまったんでしょう。
確かに 出血しそうな胃潰瘍でもLansoprazoleを内服すると
きれいに良く直るんですけど、
さて 困った
たぶんその法定産業医は私よりずーっと 年上の 立派な 先生のはずで、
某大学の教授などを歴任された大先生だったりして、
くわばらくわばら
そんな エライ先生にむかって
「先生 Lansoprazoleは逆流性食道炎でも使う薬だから 良いですよね?」
なんて 畏れ多くて御忠信できません。
私は ずるい 人間ですので 会社に電話せず
患者さんには 「お薬変えましょう、 選択肢は他にもあるいから」
って 言ってしまいました。
Lansoprazoleを90点とすると
80点くらいつけてあげれるお薬 famotidine40mg/day に変更です。
「デモ、オカシナ ルール ダ」