3月下旬に某所で糖尿病、高脂血症の話をする機会を頂いた。
聴衆は概ね同業業界内部の皆さん20人くらいであった。
このHPをごらんならばおわかりと思うが、私は糖尿病や高脂血症の専門家ではない。
大学病院勤務時代は、ひたすら消化器内視鏡を専門としていた。
朝から晩まで胃カメラや大腸カメラの検査を行っていた。
だが、いざこのように開業し、実地医家(早い話が町医者家業である)と立場が変わると、
もう一回勉強のし直しである。
自分の知識や経験を振り返り治療成績などを見返すのはとても勉強になる。
機会を与えて下さった方々に深く感謝する。
それにしても、昨今の生活習慣病の治療やガイドラインの変化は想像以上である。
私が研修医時代に行った治療の中で、現在は御法度とされている事がいっぱいある。
いわゆるスタチン系と呼ばれる薬とフィブラート系と呼ばれる薬は
原則併用禁忌となったし、糖尿病治療薬のノスカールは製造中止となった。
高血圧治療薬の第1選択薬はころころ変わった。
でも ガイドラインは 非専門医にとってはとてもありがたい。
今まで、いろんな薬物治療は、その方面の大御所の個人的意見が当然組み込まれる。
けっこう絡んでいたはずである。
ところが大規模臨床調査をおこなって解析すると、
個人的な意図とは別の科学的根拠が見える。
日本でも外国でも大規模臨床調査は5000人とか1万人の規模である。
1人の医者が一生かかっても経験できない人数をもとに判断される以上、
十分尊重されるべきである。
時々 某大手新聞に ガイドラインと全く正反対の意見が載る。
たぶん 書いた医師か記者の方の個人的な見解だと思う。
日本では、文書出版の自由は憲法で保障された権利である。
だから誰が何を書いてもいいんですが、、、、、
時々 もう少し 本を読んで 記事を書いて欲しいと思うときがある。
マスメディアの方にも 出来れば 書籍でなく学術誌を読んで欲しい。
一応医学は科学なんです。呪術や文学とは違うんです。