藪医雑感

つれづれなるままに

年始 冒頭に ちょっと 面白くない話

2007-01-31 | 雑感

 昨年来 自分の中で整理のついていない事は、医師の経験の件です。
 誰でもベテランの医師に診察や治療や手術を受け持って欲しいと思うでしょう。
 しかし、患者さんの希望を100%受け入れていくと、新人医師は手術が出来なくなります。
 検査や手術は瞬時に状況が変わります。
 一瞬の判断で、あっという間に出血はするし、血圧は下がるし、傷は出来るし、
 まさに神経削って仕事してます。
 患者さんの姿勢一つでうまくいく事もうまくいかない事もあります。
 今 現在 まさに 上級医として研修医の指導に当たっている先生は
 どのようにお感じでしょうか。
 最も簡単な事は 研修医にいっさい何もさせないで上級医が全部やってしまう事です。
 上級医がやっちゃうんだから研修医なんかにやらせるより安全確実。
 病院としては 全く以て安全。でも 研修医は見物しているだけ。 
 逆に 最も難しく、最も勇気がある行為は
 ぎりぎりまで研修医にやらせてあげる事でしょう。
 研修医にやらせる事は 後の日本の医療に絶対必要ですが、
 一歩間違えて 医療ミスが発生すると、病院長以下全員で記者会見になります。

 医師は自らの成績をopenにして、、、 と言いますが

 Y先生 後輩の戯言 お許し下さい。

 日本で初めて 腹腔鏡胆嚢摘出をなさったT大学の外科Y先生がいらっしゃいます。
 (もはや 御定年かもしれません)
 Y先生の胆嚢摘出の成功後全国に腹腔鏡の手術が広がりました。
 昨年の 王貞治監督も腹腔鏡手術です。
 J大学では前立腺の腹腔鏡手術で大変不幸な結果もありました。

 さて Y先生は初めての患者さんの時、なんてご説明したのか。
 そして その時の患者さんはどのように判断して手術を受けられたのか。
 そろそろ openにしても良いのではないでしょうか。
 日本で一例目の手術です。
 Y先生がどのように患者さんにインフォ-ムドコンセントして
 患者さんがどう感じたか、ぜひお伺いしたい。