藪医雑感

つれづれなるままに

診 断 書

2009-09-29 | 雑感

 私の診療所にも インフルエンザの患者さんが来ている。

 いつの間にか、悪く云えば なし崩し的に である。

 今年のGWの成田空港での喧噪は過ぎ去り、
 なぜか 夏を過ぎても若者を中心にインフルエンザの患者さんが増えている。

 今 ふと 思い起こすと 成田空港には診療所があったはずである。
 私が以前勤務していた日本医科大学の救命救急のDr達が派遣されていたはずである。
 今はどうなっているのだろう。そして 今年のGWに勤務していたら大変ご苦労様だったと思う。

 以前も伝染病の怖さを本稿で触れさせて頂いた。
 映画「アウトブレイク」 テレビドラマERⅧ-22話「閉鎖」などである。
 ただし 今回の新型インフルエンザは、幸いにもH5高毒性鳥インフルエンザではなかった。
 私は信仰心のかけらもない俗物だが、今回の新型インフルエンザが弱毒型であったことは、
 神様の思し召しかもしれない。

 「皆々よ次には高毒性が来るぞ。努々準備怠りなく」。

 10月には 毎年の季節性インフルエンザワクチンの予約を始めます。

 ところで、 当院にも来ました。
 「家族がインフルエンザに罹ったので、私はインフルエンザでない証明書を下さい。」と おっしゃる御仁である。

 私は今まで 診断書とは 「今 あなたはこのような病気である」と診断した書面だと思っていた。
 そして 病気に罹って、私が微力ながら治療し、幸いにも治癒した患者さんには「治癒証明書」を出していた。

 今 あなたがインフルエンザに罹っていないと云う証明書は 果たしてどれほどの意味があるのだろうか。

 目の前に座った人を診察し、大変健康そうで熱も出ていなければ
 「現在インフルエンザに特有の発熱等は見られません」と 一筆は書けそうである。
 ただし必ずその後に、
 「でも これから診療所を出て 1時間後でも 30分後でも 熱が出たら罹っているかもしれません」
 と書き添えないと いけないでしょう。
 そして 健康な人の診察には、健康保険は使えないのではないかと思っています。
 健康診断は自費です。