電子版広辞苑より
下駄をあずける:全てを相手に頼んでその処理を一任する
電子版 コンサイス英和辞典より
shared responsibility : 分かちあう 責任
「インフルエンザ・ワクチンを打たないで」
という タイトルの本が書店に並んだそうです
医療版「かってはいけない」 でしょうか
内容は 人づてで 私 読んでいないので 評価はしませんが、
ちょっと 過激なタイトルです。
毎年のようにインフルエンザは流行し、10-11月に ワクチン接種
1-2月に 学級閉鎖で いたちごっこが続きます。
でも 総括して今年の流行は小規模でよかった
私は、一昨年のシーズンから、ちっぽけな個人的な理由で、
抗ウイルス剤「タミフル」を極力処方していませんでした。
昨年のシーズンではタミフルを処方したのは2名。
いずれも 高齢女性で、喫煙者で、慢性的な呼吸器疾患をお持ちの患者さんに
処方し、他の高熱を伴う患者さんには抗インフルエンザウイルス剤「リレンザ」を
処方していました。
幸い タミフル処方の2名の高齢女性には異常行動は出なかったようですが、
昨今の事情で、今年はリレンザ処方の有無に拘わらずインフルエンザ罹患中は
異常行動が起きないか十分に検討されるべきでしょう。
院長注:未成年者はインフルエンザ罹患後は2日間1人にしてはいけないと、
その筋のお達しです。高校卒業後も未成年ですから要注意です。
さて なんでもかんでも インフォームド・コンセント のご時世ですので
インフルエンザの患者さんには「抗ウイルス剤使いますか?」 と聞きます。
軽症の方には 「必要ないな、安静だけでいけそう」と思っていても
そして
頭痛発熱でつらそうな患者さんには「使った方が良さそうだな」と思いつつ
「どうされますか」 と聞きます。
ことし 最も注意したのは患者さんへの意思確認です。
薬を使う気がない患者さんへの処方は、資源の無駄とお互いの意思疎通を
欠きますから、私が最も回避したい状況です。
でも今年は ほとんどの患者さんから抗ウイルス剤使用の意志をお伝え頂いた。
でも、逆に あんまり質問されなかった気がする。
「どうしたら良いでしょうか」と。
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第19回上記AIDSシンポジウムでは
HIV感染者であることをカミングアウトした川田龍平参議院議員と
元厚生官僚の郡司氏が同席しました
10年ぶりです
下記引用:第19回日本AIDS学会学術集会シンポジウム抄録より
インフォームド・コンセントの危険性
インフォームド・コンセントは治療法に対してある程度、情報が蓄積されている
場合には大変良い手段です。
ところが薬害AIDSのケースのように、予想外の出来事が起きてくる場合や、
開発されたばかりの薬で効果も副作用も予測が難しい場合など、
専門家の意見すら分かれている場合には有効とはいえません。
なによりもBESTと考えられている治療法に問題が有りそうなことが
次第にわかってきた時に、いつ、誰が、どのような根拠で、その治療法を中止するか。
きっちり考えておかないと、同じ事がくりかえされます。
そして、そのリスクを評価する立場の人は責任を免責する必要があります。
リスクを評価する立場の人間が責任を問われる体制では
ノンリスクにばかり走ってしまいます。これは司法の独立を同じです。
責任の追及を厳しくすれば、規制が厳しくなります。
被害の補償は裁判という方法しかなくなり、時間もかかり、対立のみ残り、
真実が見えなくなります。
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日本には 「下駄を預ける」 って言葉があります。