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ロック魂を手描きで表現するyabanjin-soulのたわごと・ひとりごと

映画「トゥルー・グリット」

2012年12月03日 | 映画

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YouTube: 'True Grit' Trailer HD

「ノー・カントリー」でアカデミー賞を獲得し、もはや超大物になってしまった感のあるコーエン兄弟。

そのコーエン兄弟の2011年の作品がこれ。

それまでの彼らの作品は重厚ながらもどこかインディーズを彷彿とさせるような、

どうしても興行的に大成功というわけにはいかなそうな、

正統派のアカデミーの連中にはそっぽを向かれそうな、

どこかねじれた雰囲気のある作品が多い印象があるのだけど

今回の作品はなんと、あの西部劇の大御所ジョン・ウエィンが念願のアカデミー賞を受賞した作品のリメイク版らしい。

2匹目のアカデミー賞受賞を狙ったと思われてもしょうがないようなチョイスで

見てみようという気がなかなか起きなかったんだが

もともと力のある監督さんが撮るアカデミー賞受賞するほどの作品がどんなもんなのかを確かめる意味もあってとりあえず見てみようということに相成った。

この映画も10部門ほどのノミネートはされたらしいが結局受賞はゼロ。

そういう作品はやっぱりそれなりな仕上がりの作品のことが多く、

受賞とそうじゃないものとの差は小さいようで実は結構な違いがあるんではないかと考えてるボクにとったら

あまり期待しなかった作品でもあった。

でも、ね。

面白かったんだなあ。

これが、ホントに。

もちろん好みもあるだろうから見たヒト全員が面白いとは思わないだろうなとも思う。

そこらへんも実はコーエン兄弟の真骨頂というか、

とにかく彼らの作品は決して万人受けはしないだろうなとは思うんだけど、

個人的には結構ヒットすることが多いんだよね。

印象としてはクリント・イーストウッドの「許されざる者」に近い。

ターゲットの追跡も緊張感はあまりないし、

主役も、昔は暴れん坊だったんだろうが今じゃイマイチうだつの上がらない状態のオジサン。

見せ場の銃撃戦も最後の方でちょろっと。

「許されざる者」がダメだった人にはあまりオススメできない作品。

でも、そういうアクション大活劇を伝えたい作品じゃないからね、この二つは。

「トゥルー」は「本当の」とか「真実の」という意味で、「グリット」は「勇気」とも「根性」とも訳されてるけど

辞書で実際にしらべてみると、

「グリット」にはもともと砂利とかを踏みつけたりするときの音に由来した言葉で

「歯ぎしり」とかそういう意味合いもあり、

ニュアンス的には「地べたを這いずり回りながらも踏ん張る力」的な意味合いが強いと思われる。

ちょっと気持ち的に負けちゃいそうなときに「負けるか、くそったれ!」と気合いを入れて踏ん張るようなあの感じ。

主人公の、飲んだくれで権力を傘にやりたい放題の連邦保安官は

最初は賞金目当てに引き受け、嫌になったら辞めりゃいいと考えてたんだけど

「どんなことをしてでも父の敵を討ちたい、ただ殺せば良いわけじゃない。父を殺したことによる罪を食らうということを犯人に知らしめることがとても重要なんだ」

という「自分自身のやるべきこと」に向き合っている、依頼人である14歳の少女の強い気持ちにうたれ、

最後は仇討ちとは別のところで「なかなか向き合えなかった自分自身のやるべきこと」から逃げずに立ち向かっていく。

登場人物がそれぞれ、悪人だろうが善人だろうが商売人であろうがテキサスレンジャーであろうが原住民だろうがすべて愛情持った描き方をされており、

「それぞれ自分が正しいと思う道をいけばいい。どういう生き方だってありなんだ」というメッセージも込められてる気がするね。

いや~いいですなあ。

でも、映画の出来でいうとやっぱり「許されざる者」のほうが上かな。

なぜこの連邦保安官が飲んだくれでダメダメになってしまったのかとか、

ちょっとしたことだけどそういうエピソードがない分、少女の気持ちに触れて「トゥルー・グリット」で踏ん張る必然性がイマイチ弱いんだよね。

それに、最後の24年後のシーンはわざわざ付け加える必要はなかった気がする。

時間にしたら5分ほどなんだけどね。

そこがチト惜しい。

けど、「許されざる者」が面白いと思ったあなたにはオススメしますですよ。

ぜひ、どうぞ。

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