河内国喜志村覚え書き帖

大坂の東南、南河内は富田林市喜志村の歴史と文化の紹介です。
加えて、日々の思いをブログに移入しています。

茶話105 / 諸行無常

2023年12月22日 | よもやま話

今日は朝イチから子ども見守り隊で交差点へ。
しかも、今年の最後の当番。
そのうえ、強烈寒波の襲来で頭のてっぺんから足の指の先まで猛烈に冷たい。
それでも、「おはよう」と言えば、「おはようございます」と挨拶する子どもたちの声はいつもより元気がいい。
それもそのはず、今日は終業式。
冬休みのうえに、クリスマスはあるは正月はあるは、年に一度のウハウハの稼ぎ時。
黄色い旗を振りながら自分の子どものころを思い出す。

見守り隊をしている交差点は、美原(現堺市)から平尾峠を越え、近鉄喜志駅前を通り、喜志小学校の近くから太子町(南河内郡)へ抜ける府道美原太子線にある。
小学校の前から石川の河南橋までの道は明治22年に造られたもので、我々は「新道」と呼んでいた。
今は交通量が増えて、子どもたちは村中の道を通って、この交差点で新道を横切るだけだが、自分が子どもの頃は新道が登校路だった。
まだ舗装されていない地道で、冬ともなれば水たまりの氷をバリバリと割りながら通った。
それほど行きかう車は少なく、ときたまダンプカーが通り、一時間に一本ほど白いボンネットバスが通るだけだった。
1925年(大正14年)5月30日に開業した金剛バスだ。
つい二日前に全線廃止となり、今は、あの若草色のバスに代わって黄色の近鉄バスが通っていく。

普段見慣れたものがなくなるのは少し寂しいが、あるものが無くなり、あるものが生まれるのを、今までどんなけ見て来たことか。
 行く川のながれは絶えずして、しかも本の水にあらず。よどみに浮ぶうたかた(泡)は、かつ消えかつ結びて久しくとどまることなし。世の中にある人とすみかと、またかくの如し 『方丈記』
世の中にあるものは必ず滅びると考えるとはかないが、この世のものはたえまなく変化し続けて新しいものが生まれると考えれば前向きになる。
諸行無常は永久不滅でもあるのだ。
この寒いのに、半ズボンで元気に登校する子どもたちがそれを示している。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 茶話104 / 外来語 | トップ | 畑123 / 花盗人 »

コメントを投稿

よもやま話」カテゴリの最新記事