考物(こうぶつ=なぞなぞ)にこんなのがある。
問: 大酒飲みの息子を親父が呼んだ。【魚の種類を五つ答えよ】
答えは「さけ、さめ、たら、こち、こい」となる。
ああ、なるほどと感心しているうちに、五匹の魚を漢字で書けるかと、新たな疑問がおこる。
日頃、ワープロで文章を打っていると漢字をどんどん忘れる。
インターネットでイチゴについてを調べていると、こんなのに出くわした。
「サクラと同様に、リンゴとレモンもバラ科だ」
さて、カタカナを漢字で書けるか?
サクラの旧字体を「二貝の女が木にかかる=櫻」と分解して覚えたのと同様にして、学生時代は覚えていた。
しかし、今はそれすら忘れてしまった。
学生時代に「俺は、ユウウツのウツを漢字で書けるんやぞ!」と自慢する奴がいた。
誰彼構わずに、やたら自慢する本当に嫌な奴だった。
そして、こうして覚えるのだと、何かの本で読んだのだろう暗記法を、これまた自慢げに無理やり教えてくれる。
「憂鬱なリンカーン(林・缶)は(ワ)、アメリカン(米)コーヒーを三杯飲んだ」
本当に憂鬱な奴だったが、なぜか今でも暗記法を覚えている。
漢字が書けるにこしたことはない。
しかし、この歳になると「鮭、鮫、鱈、鯒、鯉」や「桜と同様に、林檎と檸檬も薔薇科だ」が書けなくとも大して困らない。
ボケ防止に、都々逸で楽しんでいるぐらいがちょうどよい。
松という字を分解すれば 公(きみ)と木(ぼく)との差し向かい
忍という字は刃に心 心なければ忍ばれぬ
四角四面に十の字入れて 力という字で国をもつ
平仮名くの字に片仮名ノの字 一という字で家をもつ
※絵は竹久夢二(国立国会図書館デジタル)