河内国喜志村覚え書き帖

大坂の東南、南河内は富田林市喜志村の歴史と文化の紹介です。
加えて、日々の思いをブログに移入しています。

94 / 白秋

2023年10月26日 | よもやま話

昨日は夕方の6時頃に、奈良の方から雨雲(奈良太郎)がやってきて、15分ほどの俄雨があった。
雷も鳴っていたので激しく降った所もあっただろう。
前日の「畑110 / 男心」で書いた「二上山に雲がかかったら雨やで」というオバンの観天望気がみごとに的中した。
天気を予想することを、昔は「日和見(ひよりみ)」といった。
日本各地には「日和山」と称される場所が100カ所ほどある。
港町に多いのは、天気を予想することが自分の命を守ることにつながったからだ。

昔、丹後の国に日和見を100%的中させるお婆さんがいた。
今日、明日の天気どころか数か月後の気候まで的中させていた。
これを聞いた大阪の米相場師が、天候・気候がよめたら米の収穫や良し悪しがわかって大儲けできる。
というので、丹後の婆さんに大金を払って、大阪に連れてきた。
そして、毎日毎日、海岸に連れて行って日和見をさせる。
ところが、まったく当たらない。
怒った相場師がお婆さんにぶつぶつと小言を言うと、
「そない言わはっても、大阪に丹後の日和山がおまへんがな!」
その土地の地形を知り、その土地に永年住んで風や雲を見てきた経験がなければ日和見はできない。

「木火土金水」の五つの星が宇宙を支配しているとする五行説では、それぞれに色と季節をあてはめている。
=青・春、=朱・夏、=黄・中央、=白・秋、=冬・玄(くろ)。
さらにこれを人の一生にあてはめている(年齢は私の意見です)。
青春:誕生~25歳頃まで
朱夏:25歳頃~60歳頃まで
白秋:60歳頃~75歳頃まで
玄冬:75歳頃~
すでに白秋に達した我が身を振り返り、我がオバンや丹後の婆さんのような経験知を持っているのやら?

「土」は、どういう扱いになっているのかというと、立春・立夏・立秋・立冬の前の18日間を「土用」としている。
11月8日が立冬だから、今が秋の土用の真っ最中。
夏の土用は「丑」が中心なので「うし」の「う」がつく食べ物を食べると体にいいから「うなぎ」と誰かさんが決めた。
秋の土用は、辰の日(10/23・10/30)に「た」のつく食べ物を食べるとよいという。
「ほんなら、たこ焼きを食べよか」と我が相方に言うと、
「たこ・たらこ・たらばがに・たんたん麺・タンドリーチキン・たん・たれかつ、そいでもって、デザートはタルトにタピオカでかまへんわ!」
「腹こわすわ! タバスコでもなめっとけ!」
※広重『諸国名所百景 丹後天のはし立』 国立国会図書館デジタルコレクション 

コメント
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