アセンションへの道 PartⅠ その理論と技法

2012年には銀河の中心と太陽系そして地球が整列し時代の節目を迎えます。アセンションの理論と技法について考えます。

第13章 世界宗教 ⑩第二イニシエーション

2011-05-06 06:18:51 | 第13章 世界宗教
ババジのクリヤー・ヨーガ、第二段階目のイニシエーションは、マーシャル・ゴーヴィンダン師(以下、同師)が来日し、2011年3月18日から20日まで三日間に亘って富士山の麓、御殿場の東山荘で行われた。参加者は予め一段階目のイニシエーション(第12章⑧を参照)を受講している者が対象であり、北は北海道から南は九州まで、文字通り全国津々浦々から26人が集まった。この丁度一週間前は東日本大震災の日に当り、交通手段も完全には復旧していないような状況であったが、略全員が定刻通りに集合した。特に同師の参加に関しては、当時日本の震災の模様は海外でも相当大きく報道された筈であり、現に同師は夫人から日本へ行く事を取りやめて欲しいと懇請されたにも関わらず、自らの使命を果たすべくはるばる日本を訪れてくれたことに対し深甚なる感謝の意を表明したい。

この二段階目のイニシエーション(スピリチュアル・リトリートとも呼ばれる)の内容に関してはババジのクリヤー・ヨーガのHPに書いてある通り、

「週末に自然の中で行われ、(1)チャクラを目覚めさせる技法、(2)ヨーガの休息、(3)沈黙、(4)マントラ、活動をしながらの瞑想法、ヨーガを実生活に融合させる方法を学びます」(註:かっこ内の数字は、便宜上筆者が書き加えたもの)

ということであるが、この表現では余りにも抽象的で判り辛いと思われるので、書籍で説明されている事柄などを中心に、差し支えない範囲で(というのも、筆者はこれらの技法の詳細を他人に明かすことはしないとの誓約書を書いて提出している)概要のみ簡単に説明しておきたい。

先ず、「(1)チャクラを目覚めさせる技法」というのは、主としてバンダのことを指している。このバンダに就いては、アーサナ・ムドラーと併せ、『ババジと18人のシッダ』(以下、同書)に次のように説明されている。

「クリヤー・ハタ・ヨーガはアーサナ(筆者註:ポーズのこと)、ムドラー、バンダからなる。アーサナとはくつろぎをもたらすポーズのことである。ムドラーは体内のプラーナの流れに影響を与えて心の状態にも変化をもたらす仕草、動き、姿勢のことを指す。バンダは体内におけるプラーナの流れを変えてチャクラの覚醒をもたらす、精神的・筋肉的エネルギーの締め付けを意味する。アーサナ、ムドラー、バンダは心身の各センターやナーディー(気脈)を強化し、エネルギーの滞り(ブロック)を取り除き、徐々に増していくプラーナの流通を可能にし、肉体を不純物、機能障害、病気から解放するためにシッダたちによって開発、実践されてきたものである。またこれらは精神の集中力を増し、我々の人格の二つの主要な側面である、断定的で理性的な男性的側面と、受容的で直感的な女性的側面の統合を助ける。・・・」

第12章⑧第一イニシエーションにて説明した通り、アーサナに就いては既に第一で18のポーズを受講済みであり、ムドラーはどちらかと言えばプラーナヤーマ(呼吸法)で使われるもので、これ又第一で受講済みであるので、第二イニシエーションでバンダを修得したことによって、初めてクリヤー・ハタ・ヨーガを構成する三つの要素が全て揃い、その効果が十分達成されることになる。しかし、実際にバンダを修得し、実践してみると、クリヤー・ヨーガの中で最も多くの可能性を秘めた技法と言われているプラーナヤーマが非常にスムーズになることが良く判る。
それでは、どうして第一イニシエーションでバンダも纏めて教えないのかとの疑問が出るかも知れない。以下は筆者の勝手な推測であるが、このバンダを一通り実習するのには30分程度を要し、体力も使う。仮に第一で習得するアーサナ(18のポーズ)全てと、夫々一日に二回行うことを推奨されているプラーナヤーマ及び瞑想を毎日実習しようとすると、日に3時間程をこれに充てなければならず、いきなりこれにバンダの練習を加えることは時間的にも体力的にも実習者にかなりの無理を強いることになるので、先ずは基本的且つ重要な技法のみを第一段階で教えるのではないかと思う。

このプラーナヤーマに関しては、第一イニシエーションで基本となる6種類の技法を伝授され、この第二イニシエーションに於いても8種類の技法を伝授される。この新たに習得する8種類のなかで、最も重要な技法は、性エネルギーをサハスラーラに昇華させる技法であり、或る意味で各自が有するクンダリニ・エネルギーをサハスラーラに宿るとされるシヴァ神(ヒンズー教の最高神の一つ)と一体化させる為の技法と言っても良いのであるが、偶々パラマハンサ・ヨガナンダの『人間の永遠の探求』を読んでいたところ、この技法を説明しているのではないかと思われる件(くだり)を見付けたので、紹介しておきたい(P316)。

「神が人間に性本能を与えられた目的は、子孫をつくることと、神聖な夫婦愛を表現することのほかに、それをエネルギーと聖なる自覚に変換するためです。性エネルギーは、これを偉大な精神力に昇華することにより、あなたは文章を書いたり、絵を画いたり、そのほかいろいろな創作活動や創造的事業に利用することができます。そして、さらにこの創造的エネルギーを最高度に制御して霊化すれば、神の偉大な平安と愛と至福を感じることが出来るようになります。聖者たちは、このようにエネルギーを霊化することによって偉大な能力を獲得し、現世活動のうえにも、内的な真理探究のうえにも、すばらしい成果を得ることができたのです。」

次は(2)ヨーガの休息に関してであるが、これは同書において、ヨーガ・ニドラーとして次のように説明されている。

「“ヨーガの休息”と訳される“ヨーガ・ニドラー”の実践は、通常の睡眠を不要にする。ヨーガの教えによると意識には次の4つの状態がある。

1.肉体意識:日常的な活動に従事しているときの意識・
2.夢の意識:アストラル体での体験や、目が覚めた状態でメンタルな活動に従事して
いるときの意識。
3.夢を見ない熟睡時の意識。
4.純粋意識:“トゥーリヤ”と呼ばれる、先の3つの意識を超えた第4の意識。
他の意識の源であり、永遠にして歪みのない無限の意識。

ヨーガ・ニドラーの実践によって、この第4の意識状態に至ることができる。ヨーガ・ニドラーを実践するためには、瞑想の実践を充実させることが必要である。また、深い休息の状態に至るためには、全ての欲望、感情、思考を分析・解明する必要がある。肉体が眠る一方で意識が完全に目覚めている“ヨーガの休息”は、一般的な睡眠とは異なる。これによって得られる休息の質は瞑想によって得られる状態にも勝るものである。潜在意識も休息を必要とするが、潜在意識を含む意識の全体に休息を与えることができるのは、瞑想とこのヨーガ・ニドラーである。睡眠においては自覚の状態が失われてしまう。また瞑想は熟睡時の意識状態の維持を目的として行われるものではない。この意味において、“ヨーガの休息”は瞑想時の意識状態とも異なっている。ヨーガ・ニドラーの実践を通して、ヨーガの実践者は4つの意識状態の違いを学ぶことができる。ヨーガ・ニドラーの実践方法は、前述の“スピリチュアル・リトリート”(筆者註:第二段階のイニシエーションのこと)において示される。」

この技法を行っていると、眠くなりがちであるが、眠ってはいけないとされている(それはヘミシンクの場合も同じである)。筆者は何とか眠りに落ちることなく、持ちこたえることが出来たが、このヨーガ・ニドラーは、筆者の印象ではヘミシンクのF10にかなり近い状態のように思われた(但しこのヨーガ・ニドラーはかなり難しい技法と言われており、筆者がその目指す純粋意識状態に到達出来たかどうかの確証は残念ながら無い。一方ヘミシンクのF10は、少し練習すれば誰でも比較的簡単に到達出来る状態である。筆者の推測であるが、ヘミシンクの場合は、ヘミシンク音の助けがあるため、比較的容易にこの状態に到達できるのかも知れない)。

(3)沈黙、と書いてあるのは、沈黙行のことである。この第二イニシエーションを受講している間の内、24時間はこの沈黙行に充てられる(勿論その間講習は続けられるが、当然ながら参加者は質問することができない)。これについても同書に説明されているので、以下に引用する。

「沈黙を守ることは“クリヤー・モウナ・ヨーガ”と呼ばれる。沈黙の行は不要な私語を慎むだけではなく、心の平静を保つために行われる。沈黙を守る行を規則的に実践する(筆者註:週一日の沈黙行が推奨されている)ことは自己実現へと至る道であるだけでなく、5つの体のすべてをプラーナによって充電する。」

因みに、ガンジーはジャイナ教徒であるが、パラマハンサ・ヨガナンダが彼を訪問した日は偶々この沈黙行を行っていた日に当り、その時の様子が『あるヨギの自叙伝』に書かれている。

「彼(ガンジー)は両手に紙とペンを掲げて、顔いっぱいに暖かい愛嬌のあるほほ笑みを浮かべている! “ようこそ”彼はその紙にヒンディ語でこう書いた。その日は月曜日、つまり彼の毎週の‘沈黙日’だったのである。」(P448)

本来であれば順序として次に(4)マントラの説明をしなければならないのであるが、これは非常に大きなテーマなので次回に譲ることとし、3日目の午前中に行われた“マントラ・ヤグナ”の説明(これに関してはHPで何ら触れられてはいない)をしておきたい。同書には同師が未だ若かりし頃、クリヤー・ヨーガの巡礼団に混じってヒマヤラ山中にあるバドリーナート寺院へと向かう途中のエピソードが簡単に紹介されているので、先ずマントラ・ヤグナの概要を理解するため、以下の文章を先ずお読み頂きたい。

「ヴィシュヌ神(筆者註:ヒンズー教における最高神の一つで宇宙の保持者。クリシュナとラーマはその化身であり、妃神はラクシュミ・・・日本の吉祥天)を祀るバドリーナート寺院での早朝のプージャ(筆者註:礼拝の儀式)に参列する前に、我々の巡礼団は天然の温泉とアラカナンダ川で身を清めた。インドと中国が緊張状態にあるために、ババジのアシュラムがある地域に入ることはできなかったが、夜通し焚火を囲みながら“オーム・クリヤー・ババジ・ナマ・アオム”と唱え続けるマントラ・ヤグナをした晩には、確実にババジの臨在が感じられた。我々は皆、ババジの臨在に触れて感涙にむせび、心は愛と喜びで満たされた。」

我々がこのマントラ・ヤグナを行ったのは、ババジのアシュラムを遠く離れた富士の麓、御殿場であり、時間帯も午前中ということで同師が経験したものとは条件がかなり異なると思う。筆者が今回体験したものは、26名の参加者を5つ程のグループに分け、各グループが焚火を囲み、1時間ずつ“オーム・クリヤー・ババジ・ナマ・アオム”のマントラを唱え続ける。事前に同師から、ババジが来てくれるかも知れないと言われていたので、筆者は半信半疑ではあったが、マントラを唱えながら、その気配を感じることが出来るかどうかを確認するため、目を閉じて精神を集中して見た。すると日中に赤々と燃える焚火を囲んでいるにも拘らず、濃い紫色の光が感じられ、何か神聖な雰囲気に包まれている気配を感じ取ることが出来た。
しかし、実はもっと不思議な話がある。今回の参加者の中にはかなり霊視能力の高い女性が一人いて、彼女も筆者と同じマントラ・ヤグナの焚火を囲んでいたグループの一人であったのであるが、ラクシュミ(ヴィシュヌ神の妃神)、ガネーシャ(シヴァ神とその妃神パールヴァティの息子、象の頭を持つ福神)が焚火の周りで踊り、更に我らがマハ・アヴァター、ババジがその場を訪れ、焚火を囲みマントラを唱えている我々の肩に触れてくれていたのが見えたそうである。

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