アセンションへの道 PartⅠ その理論と技法

2012年には銀河の中心と太陽系そして地球が整列し時代の節目を迎えます。アセンションの理論と技法について考えます。

第14章 道 ②霊眼

2011-07-01 06:07:47 | 第14章 道
先ず聖書の引用から始めたい。ルカ第11章34-35節である。因みに、筆者の手元にある聖書は国際ギデオン協会から40年程前に贈呈されたものであり、読者諸賢の手にしているものの邦訳とは多少異なっているかも知れない。ともかく、その邦訳は以下の通りである。

「あなたの目は、体のあかりである。だから、あなたの目が澄んでおれば、全身も明るいが、目が悪ければ、からだも暗い。だからあなたの内なる光が暗くならないように注意しなさい。」

一応英和対照の聖書なので、英文と読み比べることも出来たのであるが、この訳はこれで筋が通っており、まさか異なる訳があるとは思いも拠らず、筆者は通常の眼のことを指しているものと信じて疑わなかった。ところがつい昨年、『あるヨギの自叙伝』を読んで全く異なる訳があることを知り驚嘆したので、その部分と脚注を引用したい。

「“鼻頭を凝視せよ” ― バガヴァッド・ギーターの一節を訳したこの言葉は、東西の学者たちに広く受け入れられているが、先生(筆者註:スリ・ユクテスワのこと)は良くこれを冗談交じりに批評された。“ヨギの修行はただでさえも変わっているというのに、そのうえやぶにらみの稽古までさせられるとは! 原語ナシカグラム(鼻の先)の真の意味は、いわゆる鼻の頭ではなく、”鼻の上“のことだ。つまりそれは眉間の霊眼の位置を言っているのだ”」

そしてこの霊眼に対する脚注は次の通りである。

「“からだのあかりは‘一つの目’(霊眼)である。だからあなたがたの‘一つの目’が清浄ならば、からだ全体は光に満たされる。しかし‘一つの目’が汚れていれば、からだもまた闇に覆われる。だからあなたの中の光が暗くならないように気を付けなさい” ルカ第11章34-35節」

そしてこれに対応する英文は以下の通りである。
“The lamp of thy body is thine eye: when thine eye is single, thy whole body also is full of light: but when it is evil, thy body also is full of darkness.”

どちらの訳が正しいかは言うまでもないであろう。ポイントは目、即ちeye が単数形で扱われているのか、複数形で扱われているのかに尽きる。英語は日本語と異なり、主語が単数か複数かをはっきり区別させた上で次に来る動詞もそれに対応したものとする決まりがあるが、この英文を読む限り明らかに単数形の扱いになっている(仮に複数形であればthine eyes are となる筈である)。つまり、これは我々が持っている二つの肉眼ではなく、眉間にある霊眼、即ち第三の眼のことを指しているのである。

この霊眼に就いては、パラマハンサ・ヨガナンダのもう一つの名著、『人間の永遠の探求』(以下、同書)でも何か所かで触れられている。霊性の向上にとって非常に重要な役割を果たす部分だと思われるので、以下に引用する。

「ヒンズーの大師たちは、最も深い聖なる知識を得る方法として、視線を全知の霊眼に集中することを教えました。強く此処に集中すると、ヨギでなくても、額の眉間にしわが寄ります。この眉間の位置は、精神集中の中枢で、魂の直覚である全知の霊眼の座です。霊眼は、ヨギが宇宙の秘密を探る為に見つめる真の“水晶球”です。この霊眼を見つめて、集中が十分な深さに達すると、それを通して神が見えるようになります。ですから、真理を求める人は、その霊眼を通して直覚のサーチライトを照射する能力を養わなければなりません。ヨーガは、この霊眼を開いて直覚を目覚めさせる技法です。」
「直覚は、五感を通さない知覚能力です。そこで、第六感とも呼ばれています。この第六感は、誰もが持っている能力ですが、殆どの人はそれを未開発のまま放置しています。しかし、何らかの直覚的体験 ― 例えば、何の具体的証拠も無いのに予感で先のことが判ったというような経験 ― は、たいていの人が持っています。魂の知覚能力である直覚を養うことは重要なことです。なぜなら、それによって神に目覚めると、自分自身に確信がもてるようになるからです。そのような人は真実を知る人であり、彼には自分の知っている事が真実であることが判ります。あなたがたは、オレンジの味を感じるのと同じくらいはっきりと、神の存在が感じられるようにならなければなりません。・・・」

次も同書からの引用で、霊眼を含んでいる個所である。これは、“自分は神を見つけたか”と題する講話(第56)の引用であるが、これは比較的短い上に内容的にも素晴らしいので一部始終を掲載する。

「これは、私からあなた方に贈る心からのメッセージです。深く心に刻みつけてください。読んだら、それをかみしめて、神が私を通して語っておられる真理を実行しなさい。先ず第一にこう自問しなさい ― “自分は神を見つけたか?”と。若し、自分を満足させるような答えが出来なかったら、神を見つけた聖者達が教えているように、真剣に瞑想に励みなさい。ヨーガは、魂をあらゆる束縛(苦脳)から開放する“神との合一”を達成する為の普遍的な科学です。インドの聖賢たちは、このヨーガを完成させるために、何千年もかけて実験と検証を重ねてきました。あなた方も、自分自身の為にこの手法を利用して神を見つけなさい。精神集中と瞑想の原理を利用せずに、神を見つけることはできないからです。自然科学者たちは、大自然の秘密を探る為に、毎日自然法則を利用しています。神に就いても同様に、霊的法則を利用して探求しなければ、神学は唯の陳腐な教義と化して、神への扉を開く力を失ってしまいます。心のこもらない祈りや、口先だけのアファメーションや、実証の伴わない教令や信条には、神を惹きつける効力はありません。あなたを聖なる目標へ導くものは、真の自己を自覚する為の段階的なヨーガの技法とグル(神学の森を超えて実際に神を体験した師)の助けと、ヨーガによる毎日の深い瞑想の努力です。神はギーターの中でこう明言しておられます ― “そなたは肉眼をもっては私を見ることができない。それゆえ、そなたに聖なる霊眼(筆者註:上村勝彦氏の訳では天眼となっている)を授けよう。見よ、わがヨーガの神秘力を”(バガヴァッド・ギーター11.8)」
「神に到達するには、毎日神と二人だけで過ごす時間を持たなければなりません。必要以上の娯楽や、不必要な用事や、過剰な欲望の追求に時間を浪費するのをやめて、神を知った真のグルの教えを実行しなさい。真のグルを見分けるには、常識と直感を用いなさい。あなたを神のもとへ導くことができるのは、神を自ら体験しているグルだけです。夜の時間をできるだけ活用し、また、早朝や僅かな仕事の合間も利用して、あなたの魂のすべてを神に捧げてこう祈りなさい。“主よ、どうかあなた御自身を現わしてください”と。」
「神を求めるときは、独りでなければなりません。独りになって、あなたの内なる眼を覚ましなさい。盲目的に従わされる信仰にこれ以上時間を浪費してはなりません。既に実証済みの手法 ― 真の自己を自覚して神を知るヨーガの科学的方法 ― によって神を見つけなさい。」

更に、同書の末尾の用語解に示されている霊眼の説明である。

「眉間のキリスト意識の中枢(苦タス他の座、アジナ・チャクラ)にある全知の直覚能力を持つ“一つの眼”。深い集中状態にある瞑想者は、金色の光の輪に囲まれた乳白色の光を放つ青空の中央に五つの光芒を放つ白い星の形をした霊眼を見る。この三重の形と色は外側から夫々、波動エネルギーによって作られた現象の世界(大自然、聖霊)と、想像活動を支配している神の知性又は“一人子”(キリスト意識)と、一切の想像活動(被造物)を超越した絶対的存在(父なる神)を象徴する縮図である。霊眼は、瞑想の究極の目標である神の意識に至る参道である。瞑想の深まりと共に瞑想者の意識が三重に色分けされた霊眼のトンネルの奥深く進入してゆくにつれて、次の状態が経験される。― 先ず、超意識、即ち“常に新たな喜び”である魂の自覚と、オーム(聖霊)なる神との合一。次に、キリスト意識、即ち“宇宙にあまねく浸透する全知の知性”なる神との合一。最後に、宇宙意識、即ち“波動で作られた宇宙に遍在すると同時に、宇宙を超越して存在する意識”としての神との合一。」
「“それから彼は、わたしを東に面した門に導いた。すると、見よ、イスラエルの神の栄光が東の方から来たが、その音は大水の響きのようで、地はその栄光で輝いた”(エゼキエル書43.1-2)。パラマハンサ・ヨガナンダはこのエゼキエルの言葉をこう説明している、“ヨギが額の霊眼(‘東に面した門’)を通して意識を遍在の中に侵入させると、万物を構成する唯一の真実の存在である聖なる光の波動が発する‘ことば’オーム(‘大水の響き’)が聞こえてくる”。」

最後に、バガヴァッド・ギーターがこの霊眼に就いて述べている個所(第5章27節―28節)を田中嫺玉氏の『神の詩』から引用し、本稿を締め括りたい。

「感覚を外界の事物からさえぎり
視力を眉間に集中して
呼気(プラーナ)と吸気(アパーナ)を鼻孔のなかに留め
こうして心と感覚と知性を支配し

解脱を目指す聖者(ムニ)は
欲望と怒りと恐怖から解放される
常にこのような境地にある人は
確実に解脱しているのだ」

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