ヲノサトル責任編集・渋東ジャーナル 改

音楽家 ヲノサトル のブログ

アウトレイジ

2010年06月22日 | 映画/映像
『アウトレイジ』
(2010年 北野武 監督)




「全員悪人」まさにこのコピーが全てを表してる。同じヤクザの世界を描いた『ソナチネ』よりさらにハードに、不条理な暴力の連鎖を描いた作品。

殴る蹴る銃で撃つは無論、ナイフで顔を斬りつけるわ指は詰めるわ首は締めるわ…と流血しまくりで、激痛感は今までの北野映画でも一番。そして登場人物たち、とにかく二言目には「バカヤロ」「ンだコラ」「このガキャ」の連発で、闘犬どうしがガルルグルルと吠え合っているような有様。

とにかく登場人物がどんどん死んでいって救いがないと言えばない話だが。しかし、同じ北野作品でも『HANA-BI』のようなちょっと泣ける人間ドラマとかよりも、本作のような悪ノリ映画の方が好きだったりする。香港B級ノワール映画が大好きな当方としては。

で、音楽も今回は久石譲ではなく鈴木慶一。リードシンセの音色が、それこそ80年代香港ノワール映画にも似た「良い意味でチープな空気」を醸し出していて、流石と思わされた。



実はこういうの、前売券を買って昼間の映画館で観るよりも、たまたま飛び込んだ真夜中のグラインドハウスとか、偶然スイッチを入れた深夜洋画劇場で観てしまう方が「うわっ何この映画!すげえ!」と感動してしまうかもしれない。そういう映画ってホラあるでしょう。


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