毎年、夏になると思い出すのが、この本だ。加藤和彦「優雅の条件」…この中に「夏はファッチャーモ・ロマネーラ(ローマ風にやろう)」という章があるので、引用したい。
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大谷能生・速水健朗・矢野利裕
ジャニ研! ジャニーズ文化論
原書房, 2012
「ジャニーズ? ああ、日本を代表する芸能プロダクション…だよね… 男だけの… 」ぐらいの認識しかなかった当方、ガツンと叩きのめされました。
代替わりしたりメンバーやグループは変転しても、揺るぎなく一貫して続くジャニーズというブランドは、言ってみれば連綿と続く「ファミリー」。しかし、そういった形態が日本芸能界の . . . 本文を読む
前回の「音楽は、売れるか。」にはtwitterでもFacebookでも予想外の反響をいただきました。
中には否定的というか、「いやオレは今でもCD買い続けてるし?」とか「必ずしも音楽の聞かれ方が"断片化"してるとは思わない」という意見も。
まあ確かに、ひとくちに"オーディエンス"と言っても、必ずしも年齢や環境に左右されず、様々な聴かれ方が混在しているのが、現状かもしれません。
そういった . . . 本文を読む
「CDが売れない時代」です。
業界の内外を問わずあちこちで聞く話ですよね。インサイダー情報によれば、オリコンTOPに入るような曲でもディスクの実売数が実は数百枚程度なんてザラだとか。
しかしこれは、業界の裏話をきくまでもなく、実感としてわかります。だってアナタ、先月CDを何枚買いました? いや、そもそもCDショップに行きました?
当方、大学という「18~25歳ぐらいの若者を定点観測できる職 . . . 本文を読む
『ICCオープンスペース 2010』
ちょっと前のことだが、『ICCオープンスペース 2010』展を観てきた。
点滅するストロボライトを当てることで立体オブジェをアニメーションのように動かしてみせるグレゴリー・バーサミアン『ジャグラー』(1997)。
数秒前のその場のリアルタイム映像を、カットアップ&リミックスして見せてくれる岩井俊雄『マシュマロスコープ』(2002)。
360度パノラマカ . . . 本文を読む
「森村泰昌 なにものかへのレクイエム-戦場の頂上の芸術- 」
(東京都写真美術館 2010年3月11日 - 5月9日)
圧巻でした。アート界の大スターにして、常に賛否両論つきまとう森村作品だけど、内容以前に展示として、これでもか!これでもか!と展開し続ける圧倒的な情報量とパワーは、やはり凄い。
ご存知の通り「なにものかに化けて写真を撮る」というのが森村氏の"芸風"なわけだが、今回は20 . . . 本文を読む
小谷元彦『Hollow』
(メゾンエルメス)
作者自身「反重力のスローモーションモデル」と述べている通り、落下と浮遊の運動が時間軸からストップモーションで切り取られ、そこに提示されているといった趣の、彫刻作品たち。ちょうどマンガやアニメなどで人物が動く時に描かれる「動線」表現を、そのまま立体化したような不思議な造形だ。
ガラス窓から日光がさんさんと入る明るい空間。そこに白い女性の立像2体 . . . 本文を読む
皆さん、手帳って使ってますか?
今や携帯にカレンダーもアドレスも入れられるから、手帳なんて持たない方も多いのでは?
僕は長いことシステム手帳をスケジュール管理に使ってきた。けれども最近スケジュールを決めるタイミングは、打ち合わせや電話よりメール連絡の方が断然多い。結果として、メールからすぐに情報をペーストできるパソコンがメインの「手帳」になってしまった。今や手帳は単なるバックアップ・メディア。 . . . 本文を読む
『MOTアニュアル2010:装飾』展
(東京都現代美術館)
洋服の話から始めよう。
ぼくは実は、細かい「模様」「紋様」といったものが苦手だ。細かい小花模様とか、オーガニックで曲線的な柄とか、ビーズや刺繍を散らした小細工物とか。インドとかバリとかのあの美しいテキスタイルや民族衣装も、感心して眺めはするけれど、うっとりと感動したりはできないタチだ、実のところ。
女性服にはそういったデザインが . . . 本文を読む
初台のICCに来るのはずいぶん久々。ひょっとしたら4年ぶりぐらい。かつては新しい企画展があるたびオープニングパーティにかけつけ、それがすなわち知人友人との交流会になる…という、ほとんどカフェかクラブのようなノリで使わせていただいていた(←ひどい)。息子が生まれてからは夜の外出を控えたこともあり、全く疎遠になってしまっていた。
開かれていた展覧会は「可能世界空間論」というもの。メタヴァース(イン . . . 本文を読む
そういうわけで「文化庁メディア芸術祭」観てきました。
火曜日訪れたら休館でムッとしましたが(←事前に調べろ)今日は開いててよかったー。
平日の朝10時。開館と共に入場したのに、けっこうな賑わい。見たところ若者率が非常に高い。しかも会話からして韓国や中国系の観客もずいぶん多いようだ。
この「メディア芸術」なるものについては、例の事業仕分けでも槍玉に挙げられたように、色々と批判があるのも事 . . . 本文を読む
「サイバーアーツジャパン アルスエレクトロニカの30年」展
木場まで出張って、プレビューを覗いてきました。
いわゆるオープニングパーティの類が今やすごく苦手なのだが、マルチメ系(死語)のアートなら息子も楽しめるかな?と思い、連れて行ってみた。果たして息子は会場に入るなり、鈴木康広さんの作品にとりつかれ、延々とそのまわりで駆け回ってはしゃいでおった。遊具とでも思ったか。
鈴木さんの作品 . . . 本文を読む
新春1発目がこれってのもアレですが。
ソース: 両眼微笑(^_^) via 渡部祐也
twitterでも祭り上げてしまいましたが再録しておきます。
突っ込みどころ満載ですが、とにかく六本木パソコンて何だ六本木パソコンて。1984年発売の機種。wikipediaによると2オクターヴの合成音声で歌うパソコンだったとのこと。初音ミクの遠い祖先か!!!
ん?84年ってこの曲が発売された年だ . . . 本文を読む
医学と芸術展
森美術館の「医学と芸術展」に行ってきました。
展示されていたのは、医療や解剖などの風景を描いた古今東西の絵画や版画から、医療、身体、遺伝子、薬品など様々な角度から医をとりあげた現代アートやインスタレーションまで、「医」をモチーフにした美術作品の数々。そして過去実際の医療に使われてきた器具や機械、最先端の医療機器や装具といった実用品、医学にまつわる文献や記録資料。
つまりは . . . 本文を読む
レベッカ・ホルン展
レベッカ・ホルンと言えば、90年代初頭のアート・シーンにどっぷりハマッた人間としては、看過できない存在。未来派、ジャン・ティンゲリー 、サバイバル・リサーチ・ラボラトリー、明和電機…etc. 美術史の折々に登場する「ナンセンス・マシーン」の系譜をワッチし続けている人間としては、たいへん気になる作家なのだ。
当時『BT』誌などでオブジェ作品が紹介されるたびに、実物が動くとこ . . . 本文を読む