ヲノサトル責任編集・渋東ジャーナル 改

音楽家 ヲノサトル のブログ

女子大で講義

2009年11月16日 | 大学


昼前、恵比寿の歯医者さんに行く。無痛が「売り」の医院なのが気に入っているが、抜歯に限らず何か治療するときは痛くないよう念入りに麻酔をかけるため(麻酔注射が痛くないよう、歯茎に液体麻酔を塗ってから注射するほど)その後の数時間は口が麻痺して、何か飲むと口の端からダラーとこぼれるし、何をしゃべってもハラホロヒレハレ。しまった今日は講義のある日だった。夜までに麻酔効果は消えるのだろうか…(汗)

などと心配しつつ、第三京浜をフェリス女学院大学緑園校舎に向かう。到着した頃には口も回るようになっていて、ひと安心。「コノ映像ワ、ハラホロヒレレ…」などと不明瞭な発声でアウェイの聴衆を不安に陥れる危険が回避されたのは何よりであった。

今回の特別講義に招いてくれたのは、旧知のミュージシャンにして研究者、DJ DENCAこと瀬藤康嗣くん。映画と音楽に関する講義を担当している…という点では僕とまったく同じですね。

今回設定したテーマは、サウンドトラックがいかに映像の「空気」を変えうるか、というもの。もはや僕の「持ちネタ」となっている「小津安次郎の映画に色々なサウンドトラックをつけ変える実験」をはじめ、小ネタ的映像をガンガン見せながらの講義。



ここは音楽学部ということで、いつもの多摩美大とはやっぱりちょっと違った雰囲気でした。

校風なのか女子大だからなのかわからないけど、なにかこう「みんな、ええ子たちやね~」(←なぜか関西弁)と言いたくなる感じ。

先生が何か言うと「は~い(はあと)」とか。先生が「打ち上げ、行くぞ!」と言えば声をそろえて「わ~い(はあと)」とかね。かわいらしいというのか素直というのか。多摩美のよく言えば個人主義わるく言えばちょっと自分勝手な空気(そこが気に入っているんですけどね、とあわててフォロー)とは、かなり違います。

そして、女子大なので当然ながら聴衆の97パーセント(推定)は女性。

ホールに入ると『THIS IS IT』を観にいった日(レディースデイ)の映画館と同じく、何とも言えない女子臭(不特定多数のコスメその他が渾然一体となった芳香)が空間を満たしていて、なんというか、その…。いやいやいや。シャキーンとせい!サトル!と自分に喝を入れて講義にのぞみました。

あと、なるほど音楽学部だなあ、と思ったのはホールの残響時間。レクチャーだけでなくコンサートにも使われるということで(舞台裏にグランドピアノがあった)リバーブ効きまくり。マイクで何か一言しゃべって止めると、ゥワーーーン…と心地よい案配の残響が残る。

それが気持ちよくて、無意味に「さあ、次は(残響)」「これを(残響)」「観て下さい(残響)」なんて言葉を区切って余韻を楽しんだりしてね。聴衆はそんなこと気づいていないと思うが。


というわけで、アウェイでの講演ながら楽しませていただきました。 …あ、打ち上げの会費はらってないや。デンカこんど一緒に呑む時まで貸しといてね!


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