ヲノサトル責任編集・渋東ジャーナル 改

音楽家 ヲノサトル のブログ

大学ひと段落

2010年01月08日 | 大学


多摩美術大学の今年度授業もついに終わりました。

って言うと「へー4月まで授業ないの?大学のセンセってのは休み長いんですね」なんて言われるけど、もちろんそんな事はありません。

これからしばらくは、レポートの採点だ評価だ入試準備だ入試だその採点だ会議だ会議だ会議だと、学生が休みの期間もいろいろ重要な学務が続くのです。そしてもちろん授業のないこういう時期こそは、大学教員の義務と権利である「研究」を個人的に進めるチャンス。限られた時間を有効に使わなければな。ブログとかツイッタとかやってないでな。>自分(いやブログもツイッタも仕事のうち=プロモーション業務なのだけど)

それにしても、1月に1週だけ授業があって終わるという学事日程はけっこう謎だ。12月の年の瀬ムードの中、いったん大団円を迎えた気分になってるのに、正月気分も抜けないまま各授業1コマだけやらなければならないというのも不自然。当然、学生の出席率もよろしくない(というか、授業がある事を知らない学生も多いという…)

なので、こちらとしては、ま、本編が終わった後のアンコールというか。芝居が終わった後のカーテンコールというか。楽曲の主要主題が終わった後のコーダというか。付け足しと考えて、軽~いノリでこなすことにしている。

少人数のワークショップではサイコロで「痛い話」とか「私とアート」とか適当なお題を与え、学生にスピーチさせてみたりね。学生の意外な一面が垣間みられて楽しいし、話をきいてれば良いから教員としては非常にラクだ。できれば年間通じて毎週これだけやっていたい(←職務怠慢で懲戒免職の恐れはあるが…)



大人数の講義では、期末レポートの結果を集計して順位つけたり(事前準備がメチャメチャ大変だけど)どうやったら良い成績のレポートになるか、どんなレポートは落第か、といった成績評価の裏話をしたり(提出前に教えてくれよ!という学生からの猛ツッコミをテレパシーで感じつつ)「サトルに訊け!」と題してなんでもありの質問コーナーを設けたり。



まあ「質問ある人、手を挙げて!」なんて言ってもジャンジャン手が挙がるわけがない。(出る釘は打たれる、の日本社会だし)最初はみんな目をそらしたりうつむいたりしてる。

こういう時は、こちらからズイッとワイヤレスマイク片手に客席(学生席)に降りて行って、どんどん指名する。指名されるとけっこうしゃべるんだよな皆。なんだあるじゃん質問も。で、そんな感じに「座が温まってくる」と、こんどは手を挙げる人も出てくるわけ。このあたりはセンセイ業を続けてて培った呼吸というかノウハウ。

とはいえ「好きな女性のタイプは?」なんてプライベートな質問は困りますねー。

まあ「プライバシーは答えられません!」と突き放すのも無粋だし、かといってマジになって仔細に答えるのもアホすぎるので、「まーこの『サトルに訊け!』みたいなマヌケな企画にもついてきてくれる、心優しい人ですかね」と大人の逃げ方。ふー…。



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2 コメント

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映像メディア論 (Lucy)
2010-04-16 23:56:48
多摩美2年生の者です。
twitterの仕組みがまだ良くわからないのですが、ヲノ先生にメッセージを送りたかったので、HPに来ました。

広告CM、とても面白かったです!
選択必修と迷いましたが、今日の授業で受講を決めました。
シラバスも見やすかったです。
膨大な情報を自分で探す手間が省け、更に解説までしてもらえる1000本ノック、とても魅力的です。
量が質に変わる日が来ると信じます。

昨年映像論を取ったのですが、今年もチャンスがあれば観に行こうと思っています。
1年生のときは、出席を取らない楽さに魅力を感じていたのですが(←笑)、2年になった今は、大学を活用したいという意識が芽生えました。(遅いか...)
TUTAYAに行く前に、Aホールに行こう^^なんちて。

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コメントありがとうございます (ヲノサトル)
2010-04-19 14:28:38
早速のコメントありがとうございます。

おっしゃる通り「膨大な情報を自分で探す手間が省け、更に解説までしてもらえる」という「うま味」はありますが、反面、あっという間に流れていっちゃって後に何も残らない…という危険もある講義です。

とはいえ例年の経験から言うと、そんな情報の洪水の中でもピンと来る作品、どうもひっかかる作品、忘れられない作品というものに、必ずや巡り会えると思いますよ。

自分のアンテナを信じて、情報の海にダイブしてみて下さい!
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