小谷元彦『Hollow』
(メゾンエルメス)
作者自身「反重力のスローモーションモデル」と述べている通り、落下と浮遊の運動が時間軸からストップモーションで切り取られ、そこに提示されているといった趣の、彫刻作品たち。ちょうどマンガやアニメなどで人物が動く時に描かれる「動線」表現を、そのまま立体化したような不思議な造形だ。
ガラス窓から日光がさんさんと入る明るい空間。そこに白い女性の立像2体が浮かぶ『Duplex』は、どことなく幽体離脱した霊のようでもあり、どうにも彼岸を感じてしまったり。
また、下から浮かび上がろうとする女性と、上から落下しようとする女性が鏡像のように対面する『Reversal Cradle』などは、なんとなくエロティックな匂いもあり。
真昼の銀座で、しばし白昼夢のような時間を過ごすことができた。
…しかしまあ、これが無料で観られるんだからエルメスも太っ腹ですな。何か買い物しなきゃ悪い気分になったりして(思うつぼ)…結局買わなかったけど。ブランドイメージ向上には確実に貢献してるよね、このアート事業。
今月28日までやってるので、銀座にお立ち寄りの際はぜひ。
(と頼まれてもいないのに宣伝するのはもちろん、単に気に入ったから)
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