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wnao : Artist / Facilitator

4/17 trigger:wnao exhibition

2006-04-17 23:35:03 | trigger
本日は、皆様、ご来場ありがとうございました。

 今日は、仕事でギャラリーには伺えませんでした。

 今日は天気が良く、久々に清々しい1日でした。まだまだ桜を見る事ができる場所があり『wnao:sight』のような桜を見る事ができました。

 今日は大阪の南の方で仕事だったのですが、その途中の川沿いの桜は、先週は満開だったのですが、今日はほとんど葉桜でした。


今日の発見

 様々な場所で様々な風景を撮りためている日々です。自分の意識がどこに向いているのかを無意識に収集しているような感じでしょうか。この2週間ほどの会期の間に、何度も自分のやっていることを説明したり、考えたりしていると、自分が意識していなかった部分に対しても、少しずつアプローチできるようになって来たようなところがあります。ただ、それほど明確なものが見えて来たわけではなく、言葉にならないような漠然としたものが見えているような感じでしょうか。
 携帯電話で撮られる風景は、ほとんどの場合、ある一定時期を過ぎると削除しているひとが多いです。携帯電話で撮影した風景や人物の画像は、携帯電話の壁紙として利用する事が多いと思います。もしくはプリクラのようなシールプリントにしてお互いに手帳に綺麗に貼っている女の子たちもいます。
 特にプリクラのような装置としては証明書写真の機械の延長上にあるようなものだと思っています。けれども、あの閉ざされた空間で自分たちの表情や、デジタル的な処理により、様々な組み合わせでプリクラを撮っています。これは、仲間内では大胆になる日本人という部分があるのかなあ、と思います。
 カラオケを発明したのは日本人だというのは有名な話です。現在では、最新の通信回線を利用したいつでも新しい曲を歌う事のできるカラオケボックスもあります。カラオケボックスも仲間内で楽しむことを前提にしたシステムです。そこでは、普段見せない姿で、絶叫する友人や同僚、上司の姿を見るかもしれません。
 けれども多くの場合は、自分が次に歌う曲に関心が向いているため、おざなりの拍手をするだけで聴いていない事も多いと思います。それがあの状況では許されています。自分の友人や子供がコンサート会場で歌う場合は、聴くために観客として行きますが、自分が歌う事は意識の中にまったくないと思います。けれどもカラオケはその逆で、自分が歌う事が中心で、人の歌を聴く事は優先事項ではありません。
 この個人的な人間関係と個人的な空間と個人的な装置の組み合わせは、かなり日本人的なのではないかと思います。その日本人的な部分に携帯電話は絶妙に作用し、個人という存在を最大限に拡張できる装置になっているのではないかと思います。
 携帯電話でメールをする場合は、何か具体的なコミュニケーションを積み上げるために行うのではなく、今の自分の状況を説明するためにメールする事が多い様な気がします。パソコンで仕事のメールを書くのとは大きく違うように思います。そのため20代以下であれば、絵文字などを使用して感覚的な文章(?)を書くのだと思います。
 ブログも同じ理由で、自分の状況を日記と置き換えて書いているのだと思います。しかし、本来、日記は誰かに見せるために書くのではなく、非常にプライベートなものでした。ブログの登場により、いつのまにか日記は人に読んでもらうものになりました。
 ブログ自体は、本来は日記ではなく、『WEB LOG』の略で、『WEB上の記録』というような意味でした。その意味付けはどんどんと拡大解釈され、いままであったカテゴリーとイメージしやすい『日記』に落ち着きました。
 この点については、下記の記事が参考になりました。

Six Apart創業者のトロット夫妻が来日、トラックバックの標準化目指す
上記、記事から一部抜粋


ミナ・トロットによれば、日本と米国ではブログの広がり方に違いがあるという。「米国では大衆に向けて発信していったブログが小さなグループへ変化しつつあるが、日本では逆に小さなグループが大きくなっているようだ」との感想を述べたミナは、その一因が「日本の日記文化にあるのではないか」との考えを示した。


 この傾向も日本人の『個人的に使う』という意識が強く働く上に第三者に見てもらいたいという欲求も強いことを表していると思います。
 俳句なども同じように、形式が決まった表現形式の中でいかに自分の表現をするか、という機能があり、これも日本人的自己表現の『個人的に使う』意識に作用しているのだと思います。
 私小説というジャンルも日本では一般的ですが、海外ではあまりないようです。これも『個人的な使う』という感覚の延長上にあり、日本人は了解済みなところがあります。
 どのようなメディアも日本人は『個人的に使う』という部分においては共通しているような気がします。


 個展詳細は[ trigger:wnao exhibition ]を参照してください。

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