それから、ささくれ立った擦れ声を搾り出す。
「フロレス殿、何を言ってるんです?まさか、この脇の敵艦と、それから、あいつの」――と、横をすりぬけつつある二番手の英国艦の後方から、こちらに向けてさらに進み来る三番手の英国艦の方へと狂気じみた視線を投げ――「間に割り込んで行くってことですか?!」
フロレスは黒々とした爆風に長いブロンドを吹き上げられながら、完全に乾き切った唇を舐め、頷いた。
「その通り。
英国艦隊の縦陣を分断しながら、両舷から斉射する」
「そ…そんな無茶な……!!」
「さあ、ロペス艦長、時間が無い。
早く」
「そんな馬鹿なこと!!
あいつの艦首に、こっちの側面が、もろに串刺しにされますよ!!」
「それはどうかな。
むこうとて、そのように特攻隊さながら船体ごと突っ込んでくれば、己にとっても自殺行為であろう」
「しかし…!
あいつの艦首には、我々よりも高性能の艦首追撃砲が搭載されているんです!!
接近したら、必ず、ぶち込んでくる!!」
【主要艦の乗員構成】
スペイン艦隊:
<ベルナルド艦>
ベルナルド艦長(旗艦艦長・艦隊総指揮官) ― 副長(艦長補佐)
<フロレス艦>
フロレス(艦隊副指揮官) ― ロペス艦長(フロレス艦艦長) ― 副長(艦長補佐)
英国艦隊:
<ジョンストン艦>
ジョンストン提督(艦隊総指揮官) ― キーン艦長(旗艦艦長) ― 副長(艦長補佐)
【登場人物のご紹介】
≪フロレス≫
此度の海戦では、ベルナルド旗艦艦長に次ぐスペイン艦隊の副指揮官。
本来は陸軍に所属し、ペルー副王領スペイン軍総指揮官アレッチェと並ぶ、ラ・プラタ副王領(現ボリビア周辺)スペイン軍総指揮官(実質的には、アレッチェの部下の身分)。
副王の信任も篤く、かつては最高司法院の議長まで務めた文武両道の麗人。
植民地生まれであるためか、他のスペイン人高官とは異なり、偏見を持たぬ公明正大な側面を持つ。
≪ロペス艦長≫
フロレスの乗艦する戦列艦の艦長。
ベルナルド旗艦艦長の指揮するスペイン艦隊の要となる僚艦を預かる重要な艦長の一人。
「フロレス殿、何を言ってるんです?まさか、この脇の敵艦と、それから、あいつの」――と、横をすりぬけつつある二番手の英国艦の後方から、こちらに向けてさらに進み来る三番手の英国艦の方へと狂気じみた視線を投げ――「間に割り込んで行くってことですか?!」
フロレスは黒々とした爆風に長いブロンドを吹き上げられながら、完全に乾き切った唇を舐め、頷いた。
「その通り。
英国艦隊の縦陣を分断しながら、両舷から斉射する」
「そ…そんな無茶な……!!」
「さあ、ロペス艦長、時間が無い。
早く」
「そんな馬鹿なこと!!
あいつの艦首に、こっちの側面が、もろに串刺しにされますよ!!」
「それはどうかな。
むこうとて、そのように特攻隊さながら船体ごと突っ込んでくれば、己にとっても自殺行為であろう」
「しかし…!
あいつの艦首には、我々よりも高性能の艦首追撃砲が搭載されているんです!!
接近したら、必ず、ぶち込んでくる!!」
【主要艦の乗員構成】
スペイン艦隊:
<ベルナルド艦>
ベルナルド艦長(旗艦艦長・艦隊総指揮官) ― 副長(艦長補佐)
<フロレス艦>
フロレス(艦隊副指揮官) ― ロペス艦長(フロレス艦艦長) ― 副長(艦長補佐)
英国艦隊:
<ジョンストン艦>
ジョンストン提督(艦隊総指揮官) ― キーン艦長(旗艦艦長) ― 副長(艦長補佐)
【登場人物のご紹介】
≪フロレス≫
此度の海戦では、ベルナルド旗艦艦長に次ぐスペイン艦隊の副指揮官。
本来は陸軍に所属し、ペルー副王領スペイン軍総指揮官アレッチェと並ぶ、ラ・プラタ副王領(現ボリビア周辺)スペイン軍総指揮官(実質的には、アレッチェの部下の身分)。
副王の信任も篤く、かつては最高司法院の議長まで務めた文武両道の麗人。
植民地生まれであるためか、他のスペイン人高官とは異なり、偏見を持たぬ公明正大な側面を持つ。
≪ロペス艦長≫
フロレスの乗艦する戦列艦の艦長。
ベルナルド旗艦艦長の指揮するスペイン艦隊の要となる僚艦を預かる重要な艦長の一人。
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