「だけど…トゥパク・アマル様は…?!
トゥパク・アマル様は、このままではどうなってしまうのです!!」
≪アンドレス…わたしのいる所は、外部から侵入することは絶対に不可能な場所。
わたし自身の力で、内部から監視体勢を突き崩して脱獄する以外は、ここから出る方法はありえぬ。
それに、もし、このまま処刑されるに至ったとしても、それは当初から自ずと覚悟のこと。
そうなったとて、わたしの肉体が失われるだけのことだ。
そのようなことに意識を奪われてはならぬ。
アンドレス、そなたは心の眼を研ぎ澄ませ、全体を見通し、真に守らねばならぬものを守って進め。
一つの選択も誤るな。
私情に惑わされてはならぬ。
さあ、もう、これ以上は話せない…。
…アンドレス……≫
急に、トゥパク・アマルの声が小さくなった。
アンドレスはその声を、その姿をつなぎとめようと、必死で身を乗り出した。
「トゥパク・アマル様――っ!!!」
アンドレスは己の叫び声で、ハッと目を覚ました。
「あ…!
え…?!」
うつ伏せていた机上から、ガバッと身を起こす。
彼は目を瞬かせながら、周囲を鋭く見渡した。
気付くと、そこは、己の先程の天幕の中だった。
先刻、灯したはずの蝋燭が、既に蝋が尽きて完全に消えている。
(夢……?!)
アンドレスは、呆然としたまま、ゆっくりと立ち上がった。
そして、足元の床の硬い感触を確かめる。
先程の不安定な感触は、そこには無かった。
だが、ふと、頬に冷たいものを感じる。
手をやると、それは己の涙であった。
「…――!」
◆◇◆物語へのご招待◆◇◆
物語概要 物語目次 登場人物の紹介 現在の物語の流れ
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それに、もし、このまま処刑されるに至ったとしても、それは当初から自ずと覚悟のこと。
そうなったとて、わたしの肉体が失われるだけのことだ。
そのようなことに意識を奪われてはならぬ。
アンドレス、そなたは心の眼を研ぎ澄ませ、全体を見通し、真に守らねばならぬものを守って進め。
一つの選択も誤るな。
私情に惑わされてはならぬ。
さあ、もう、これ以上は話せない…。
…アンドレス……≫
急に、トゥパク・アマルの声が小さくなった。
アンドレスはその声を、その姿をつなぎとめようと、必死で身を乗り出した。
「トゥパク・アマル様――っ!!!」
アンドレスは己の叫び声で、ハッと目を覚ました。
「あ…!
え…?!」
うつ伏せていた机上から、ガバッと身を起こす。
彼は目を瞬かせながら、周囲を鋭く見渡した。
気付くと、そこは、己の先程の天幕の中だった。
先刻、灯したはずの蝋燭が、既に蝋が尽きて完全に消えている。
(夢……?!)
アンドレスは、呆然としたまま、ゆっくりと立ち上がった。
そして、足元の床の硬い感触を確かめる。
先程の不安定な感触は、そこには無かった。
だが、ふと、頬に冷たいものを感じる。
手をやると、それは己の涙であった。
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