Carpe Diem

~日本一周ブログ旅 (分割) ~

ない物は作ってしまえ、ホトトギス

2014年02月23日 20時00分00秒 | 日記
お世話になっております、ほり@チャリダーです。

何故か自分が行った山で数日後には遭難事故が発生するジンクスにさいなまれている今日この頃です。
皆子山しかり、伊吹山しかり、果ては金剛山まで。金剛山で遭難って・・・。俺が呪いをかけて来たみたいに思われるじゃないか!!

皆子山 → ボーイスカウト遭難か

金剛山 → 金剛山で「道に迷った」

伊吹山 → 伊吹山で男性遭難か

伊吹山の山頂の様子は、想像するにきっとこんな感じだったんじゃないかと。いや遭難するくらいだからもっとか。




さて、本日はテントのお話。

自分が使用しているのは、こちら↓。



ご存知、motn-bell の ドームシェルター 2型。

ツェルト以上、テント未満という微妙な位置づけなものではあるが、約100日ほどお世話になっているが未だ現役。
自転車用品は、1~2年も使用すれば大抵のものが壊れてきたが、さすが mont-bell、さすが山用品。自転車用品とは耐久性が桁違いだ。

このシェルター、みなさんそこそこ興味があるようで、このblogの人気記事ランキングで上位にランキングされていることもしばしば。
こんなふざけた記事だとあまり参考にもならないのでまじめな感想を改めて。

長所:

軽い
 ・・・ 重さは約800g。テント未満なだけあって軽さはズバ抜けて軽い。

コンパクト
 ・・・ 体積も同じ2人用の本格的テントの2/3くらいのサイズ。

短所:

3シーズン
 ・・・ 取扱説明書には冬季は使用するなとの記載あり。とは書いてあるが、自己責任で雪山使用している。
     ベンチレーションは雪で塞がれる可能性があるので前面は常時半開きで使用中。

耐水圧がない
 ・・・ 耐水圧600mmしかないらしい。自転車旅行が主だったので大雨の日も軒先でお世話になっていたこともあり、
     本当の耐水圧は不明。ただフロアは濡れたアスファルトの上に設営しただけでも浸水した。
     なので、ステラリッジのグランドシートで補強している。(→それから雨だったことがないため、効果の程は不明)

結露する
 ・・・ シングルウォールなのでダブルウォールより結露する・・・らしい。ダブルウォールを使ったことがないから比べられない。
     というか結露がひどいって感じたのは1回くらい(立山で使用した時だけ)。
     その時はテント内で調理をして、湯気をテント内に充満させてしまったからというのもあるし・・・。後は気持ちの問題かな。
     氷点下だとほぼ凍結するので全く気にならない。

前室
 ・・・ 前室がない。オプション(専用品)も存在しない。

ベンチレーションがふさげない
 ・・・ 凍結時の酸欠防止のため、後方の通気孔がふさげない・・・のは仕方ないけど、風が強い日は雨・雪が内部に侵入してくる。


収納時。



左から

・グランドシート  ・・・ ステラリッジの2型と同じサイズなので流用できる
・ドームシェルター ・・・ 専用のスタッフバッグは何処かで失くした。3リットルのスタッフバッグで余裕を持って収納できる
・キャノピー(前室)・・・ マイティードームの2型を流用。前面のサイズは同じだが、ポール受けがないので本体に改造が必要
・青いポール ・・・ キャノピー用
・赤いポール ・・・ シェルター用


というわけで、前回までの教訓を生かして、弱点を克服するためにドームシェルターを強化することに。で良い(?)勉強になった)


今回の改造は、前室のためのポール受け追加するということ。


先ほども書いたが、前室を作るための専属のオプションは存在しない。
ベテランの人がフライシートで前室を作っているのは写真で見て、真似をしようと思ったが、そのフライシートが見つからない。

http://myouzin1432.naturum.ne.jp/e1221409.html

で、行き着いたのが、同じシングルウォールのマイティードームのオプションのキャノピーを流用するということ。
ただ、ドームシェルターにはマイティードームにはある(と思われる)ポール受けが存在しない。
そりゃそうだ、すんなり簡単に流用出来るなら、みんなこの組み合わせにするよな・・・。
前回、伊吹山でそのまま(ポール受け無しで)使ってみたら、翌朝前室は見事に崩壊していた。
なのでポール受けは必須という結論に。

材料は100円均一で揃えられた。

~材料~
・ハトメ(8.5mm)  ※出来れば7.5mmがベスト
・ハトメ抜き(ポンチとも言うらしい)

まずは、ハトメ抜きで下穴を開ける。
(出来栄えが気にならない人ならはさみで切っても大丈夫だと思われる)





次に、開けた穴ハトメを打ちつける。





ポールを差し込んで、立ち上げててみるとこんな感じ。



で、キャノピーをつけて、ポールを差し込んでみる・・・と

"ブスッ"




破れもうした orz






やっちまったな。本体は15デニールという強度しかないため、ポールの張力に耐えられなかったようだ。
だがここで諦めたら単に余計な穴を開けただけで終わってしまう。作戦はある。

もういっちょ、リトライ。



作戦というのは、ポール受けのマジックテープを着けている箇所まで一緒にハトメに挟んでしまうこと。
このマジックテープを結んでいる場所は、テント本体のポールの張力にも耐えるほどの縫製をしている箇所。
もう一本増えても、その張力に耐えてくれるとふんだ。

そしてついに完成。
おぉ、カラーリングはひとまず置いといて、前室だ。間違いなく前室だ。今度は崩壊もしない。



内部。大きさのイメージがつきやすいように靴も置いてみた。
大型のザックは置けないだろうが、靴を置いたり、調理するのには十分な広さだ。



ハトメに打ち込んだ本体用のポール受け。
若干引っ張られている。もっとマジックテープに近い場所に穴をあければ良かったか。



ちなみに後方は、マイティードームと同じで紐で結ぶだけ。





あとはベンチレーションの改善か。氷ノ山までに改善作が見つかるかな・・・。

ハードシェルについて考える

2014年02月15日 21時00分00秒 | 日記
お世話になっております、ほり@チャリダーです。

山に行かない人に "Hard Shell" (ハードシェル) と言っても何?って感じでしょうから、まずは "ハードシェル" について。
一言で言うと、一番外に着るジャケットのこと。

シェル=貝という意味で、貝殻が体を包むんでいるようなイメージ。ハードは耐久とかそっち系の意味。
丈夫なジャケットってことになるわけです。

先の伊吹山をはじめ雪山で基本的に使用しているのは↓。



3年程前に近所のスポーツショップで買ったアルパインデザインという自社ブランドのシェル。
お値段は1万5千円くらいだったと思う。

作りは意外としっかりしていて、シームテープまで貼っている本物。





流石に3年間、日本一周で酷使してきたせいもあり、耐水性が劇的に落ちてしまっており、
防水スプレーしても浸水の具合が酷く、合羽としてはもう使えないレベル。

ちなみに素材はDiAPLEX(ディアプレックス)という防水透湿素材(雨は極力防いで、通気性も極力確保する性質)。



DiAPLEXは、防水性はゴアテックスより劣るものの、透湿性が抜群に良い。
他にもモンベルのスーパーストレッチハイドロブリーズも使っているが、こちらより断然蒸れにくい。

最近何度も何度もお店に通って、いろいろ次の物を物色をしているものの、時代はゴアテックス全盛期。
ハードシェルに必要な防水透湿性を持った製品が、各社から出てはいるものの、大抵はゴアテックス製品。
他素材は性能がゴアより低いか同等のもの。(じゃあ、ゴアでいいじゃんってなる)。
しかし、ゴア製品は高い。3~4万円は普通。上位クラスのものとなると6~7万とかする。普通に高い(涙)

DiAPLEXはゴアに押されて、DiAPLEXを使用した製品が全然見当たらない。ネットでかろうじて出てくる製品は怪しいものしかない。

まだしばらく物色の旅は続きそうだ・・・。

ツールド近畿 伊吹山 「芸能人は歯が命、野宿は火が命」

2014年02月10日 20時00分00秒 | ツール・ド・日本
お世話になっております、ほり@チャリダーです。

雪山で火がおこせなくなると真剣に焦ります。
本当に雪山って恐ぇ~。

それでは 伊吹山・2日目 です、どうぞ。

うとうとしてはテントのうるささで目を覚ましを繰り返し、朝5:30に携帯のアラームでバトル終了。なんとか無事に生き延びた。

ヘッドライトを着けてテント内を見回すとそこは雪景色。





雪やら霜やらもうカオス。

また、このグローブに手を通すのか・・・。



テントの外もカオス。夜が明けても稜線の風は一向に弱まる気配なし。



前室は崩壊。かろうじて紐で繋がっている状態でバタバタと風に泳ぐ。外に吊るしておいたゲイターも見当たらない。
一瞬焦ったが雪に埋もれいているゲイターどうにかを発見。危ねぇ~。こんな雪山をゲイターなしなんて考えただけでもぞっとする。
が、一難去ってまた一難。ゲイターのファスナーが凍ってしまってあがらない。
とりあえずお湯で溶かすかとガスをセットし、ライター着火・・・も、着火せず orz
100円ライターもガスを使うもの、氷点下では着火出来ないんだ。火打石は不調だし、マッチもないし・・・万事休す。

とりあえず、30mほど先にある避難小屋に行ってどうするかゆっくり考えよと思い、テント撤収開始。
テントを撤収するのも四苦八苦。最後はもう「適当」という言葉が相応しいほどのいい加減さ。
ザックに無理やり押し込む。寒さに負けた。

山頂の避難小屋に待避。



何度か火打石やらライターやらトライしてみるもやっぱりダメ。

火を使わずに食べられるものはお菓子くらいかとザックを漁ると幸運にもパンを持ってきていた。というか忘れてた。



パンにチーズを挟んで、足りない分は羊羹、饅頭で補う。
飲み物は半分ほど凍った水・・・。温かいものが飲みたい・・・。

ダメもとでゲイターのファスナーに息を吹きかけ、上げ下げしてたら何とか動くようになった。助かった。
ダメだった場合は、誰かが登頂してくるのを待って火を借りる案を密かに思案していたが、誰かに頼らなくて済んだ。
ゲイターがあればあとは何とかなる。安全ゾーン(1合目の小屋あたりまで)まで一気に下山だ。

最後にもう一回、日本武尊像を見ておく。



さらば伊吹山。またいつか、出直して来る!



稜線のアイスバーンは慎重に下る。たまに突風が吹いて煽られるから。





樹氷。



あれを登ったのかな俺。だとしたらアホだな。



8号目か、こんな場所通ってこなかったぞ。完全に夏道からは外れてたな。



8合目から下はまだ誰も通っていない新雪ゾーン。



沈む、沈む。何度か膝上までズボッとはまる。



踏み抜いた瞬間は、毎度 "やばい!!" って思うが大したことなくて助かる。あ~コワ。



下山時は安全第一でジグザグに下ったのだが、アイスバーンは直登コース。みんな直登好きなんだな。
どうしよう、俺のトレースを辿ると完全に夏道のトレース、後続が間違えないことを祈る。
ジグザグに下っている分斜度は楽になるのだが・・・。

6合目の避難小屋手前で別のトレースを発見。





あれ?誰ともすれ違わなかったのに。別のルートで行ったのかなと思っていたら、遠くの方に人影が。



滑落停止訓練をしているようだ。トレースはストックじゃなく、ピッケルだったし。

避難小屋まで順調に下りてこられてたから、中を覗いてみる。



へぇ~、かなりキレイなんだな。山頂の避難小屋よりは断然きれいだ。むしろちょっとした山小屋だな。

日が差してきた。



3合目のトイレ通過。



2合目でようやくガスが晴れる。



続々と人が登ってくる。昨日とは雲泥の差だな。



みなさん、下山が異様に早い俺に驚いて声を掛けてくれる。で、テント泊したからって言うともう1回驚く。
そうですよね、やった本人が言うのも何だけど、これは正直おすすめ出来ないな。
今朝が快晴で白山や琵琶湖が一望出来たのなら、やる価値はあるかもしれないけど。今回のは単なる苦行だな。

霊前山。鈴鹿山脈も稜線には雲がかかりっぱなし。あっちも大変そうだ。



1合目の売店には自動販売機があるのでコーヒーで一服。文明の力はすごいと改めて感謝。電気があれば何でも出来るw

1合目の売店にいる犬。



アイゼンとゲイターを外して、下山再会。登山口まではもう一息。

1合目から下は泥道になっていた。ゲイター外すタイミング間違えたな。



そんなこんなで、下山完了。



麓の集落の様子。"銀世界"って感じだった。







バス停で帰り支度をしつつ、バスを待つ。

登山口に止めてあったマウンテンバイク。



やっぱりディスクブレーキだよな~。
ディスクブレーキのマシンだったら、雨でももっと楽に日本一周走れただろうな~と最近思う。



バスに揺られて、近江長岡駅にカムバック。



あれ、結構晴れてきた。5合目あたりまでは雲がかかっていないようだ。もう少し待てば上まで晴れそうだな。
今登っている人はラッキーかも。



そのまま、予定より早く帰宅して昼寝して前日分もリカバリー。疲れは翌日に持ち越さない!



よし、これで関西で残すはあと1つ。兵庫県最高峰・氷ノ山!!


ツールド近畿 伊吹山 「冬山本気モード」

2014年02月09日 18時00分00秒 | ツール・ド・日本
お世話になっております、ほり@チャリダーです。

ようやく行って来ました、滋賀県最高峰・伊吹山。
お天気は狙ったとおりに雪。しかも風も絶好調の風速15m/s。
お陰様で冬山本気モードの登山とあいなりました。

それでは伊吹山・1日目です、どうぞ。

朝一、新大阪まで御堂筋で。
長浜か近江長岡あたりまで輪行してそこから自転車とも考えていたが、平地はどうもみぞれないしは雨なので、
素直に近江長岡まで電車、そこから登山口まではバスで。
まぁ伊吹山登山口までは自転車で2回ほど行っているので、つなぎ的には問題なし。



新大阪で乗車券を買おうと思ったら、近江長岡は自動券売機ではなく、みどりの窓口だった。
関東まで積雪ということもあって新幹線にもダイヤの乱れが発生中。(西日本も乱れていた)
なので、みどりの窓口はごったがえ。こうなると毎度毎度、駅係員にいちゃもんつけまくる人々。
何を言ってもどうにもならんのに、あれこれ押し問答を繰り広げてねばる、ねばる。
そのせいで、本来乗るべき米原行きの新快速に乗れず orz

次の米原行きに乗ってもバスとの連絡が非常に悪く(そもそもバスが1時間に1本くらいしかない)、
1時間近く駅で待つことに決定。登山口着が11:00過ぎに・・・。

米原で乗り換え。がっつり雪だった。



近江長岡着。誰もいない。



本来なら伊吹山に行く登山者がそこそこいるのだが、この天気、この時間(登山としては遅い)ので、
降車する人は自分を含めもう1人(一般の人)だけだった。

とりあえず、駅舎でバス待ち。



最近は輪行も厳しく規則が適応されるようですね。



むしろ自分の場合は、こっちに引っ掛かる可能性が高い・・・。



ようやくバスが来た。



バスは貸切状態。



結局そのまま登山口まで、1人旅。

三ノ宮神社にお参りして、ゲイター履いたり出発準備を。



猫が横切る。なかなかデブいな、お前。



じゃあ、行きますか。クライムオン。



ヤマレコの記録を見ると、先週まで5合目付近まで雪がほとんどないってなっていたが、
昨日からの雪でいきなり積雪でスタート。

さくさくっと、1合目まで。じわっと汗をかく程度。



1合目のトイレは使用可能だった。3合目、山頂のトイレは冬季閉鎖で使えないそうだ。
伊吹山は立ちション黙認ってことなのか・・・。女性はつらいな。



2合目も問題なし。しっかりとトレースもあった。



雪道って感じの登山道を歩いていく。まだこの辺の斜度は序の口。



思ったほど視界も悪くない。
当然、山頂はまったくといっていいぐらい目視出来ないが、200m位先までは視認できる。



3合目着。この辺から新雪の積雪深が高めで若干足が重くなってきた。



3合目トイレの裏にあった東屋で昼食。
本当は6合目の避難小屋で食べている予定だったんだけど・・・まぁいっか。



そういえば、雪の日ってザックにレインカバーしないもんなのかな。
金剛山の時も、誰もしていなかった。この日は既に3人とすれ違ったが、今日も誰もしていなかった。
日帰りの場合は、濡れても気にならないからかな・・・。



今回の改造、その1。ウルトラガスを投入。



-10℃以下でもOKの代物。
たまに伊吹山も夜間は-10℃以下になる日があるようだし、道具はあるのに使えない(気化しない)っていう
悲しい結末だけは避けたいので念のため。

本日のお昼。



・カップヌードルカレー味
・餅×2
・チーズ

本当は生米を持参してリゾット作ろうかとも考えたが、いちいち米を炊いていたんでは時間がかかり過ぎる(約20分)ので
お手軽な餅を準備。お手軽で腹持ちもそこそこなので重宝する。

美味である。



腹も満たされ、元気も出てきたので、6合目の避難小屋を目指す。



5合目着。看板の後ろに見えている小屋が6合目の避難小屋。



この辺からさらに積雪具合up。前の人のトレースも風雪でほとんど掻き消されていて難儀する。
登山道の片鱗があるような場所では問題なく進めるが、ほとんど段差がない場所では直登となる。
視界があるの内は問題なし。



避難小屋通過。



休憩しようかとも思ったが、予定をオーバーしているのでそのまま通過。
ちなみに本来の予定はこんな感じだった。

1日目:山頂で折り返して6合目付近でテント泊

2日目:2回目の登頂の後、下山

予定通りに進めるためには我慢、我慢。

すれ違った2人組にテント泊頑張ってと応援される。そして、この2人がつけたと思われるトレースを追う。
が、これが失敗だった。

2人はヒップソリで降りて来ていた(と後で気付)。
夏道でもなく、冬道でもなく、ソリ的に滑りやすそうな斜面を滑降してきたようだ。

ソリのトレースなので足がズボズボはまる、はまる。しかもなかなかの斜度。キツイ。

何とか登山道復帰で7合目。



ここからは完全にトレースなし。



トレースそのものはないが、所々アイスバーンが浮いて見える。



雪が溶けて際に踏みしめられる→凍るを繰り返した跡=人が歩いた跡なので、これを頼りに進む。
本来はアイスバーンは嬉しくないが、今回ばかりはありがたく感じた。

が、それも束の間。それすら見失う。ここから苦行。

直登を試みるが、積雪が新雪のため、ずるずる雪が滑り落ち、自分も滑り落とされる。
登っては3m位落とされ、場合によってはトラバースして、トラバースしても滑り落とされを繰り返す。
20回位はそんなことを繰り返しただろうか、苦闘の末、アイスバーンの斜面に辿り着く。

アイスバーンの斜面。滑落は怖いが、アイゼンは装着済みなので、新雪よりはまだ登りやすい。
さっきの苦闘で体力を使いすぎたか、息も絶え絶えでちょっと進んでは息を整え、
またちょっと進んでは息を整えを繰り返し、稜線へ。



稜線に出たら出たで爆風。天気予報サイトでは15m/sだったっけ。
降り積もった雪が風で巻き上げられ、顔を上げるのもツラい。
ゴーグル着けるも、確かに顔は上げていられるが、視界が悪くなり一長一短。結局顔を伏せながら進む。

稜線を歩いて、一等三角点に到着。あ~、疲れた~。



本来、夏山コース(ジグザグに進むコース)でも、3時間半程度が目安なのに、5時間近くかかってしまった。
ミスコースが痛すぎる。

山頂の山小屋群。完全に埋没。



屋根までがっつりだが、ほぼ屋根の高さまで氷なので全然沈まない。
確かにこれが全部溶けるのは4月以降って言われても全然不思議には思わない。恐るべし伊吹山。



山頂表記発見。も、風が強すぎて三脚立てられない。氷なのでまともに立たないので山頂ポーズはなし。



こちらも定番の日本武尊(ヤマトタケル)像。



その後、トイレ前でこれからどうするか思案。



6合目の小屋まで下りるとなると自分のトレースを戻るか、別の(本来の)ルートを探すかになる。
8合目から上は風で巻き上げる雪でいっそう視界が悪くなっていて、自分のトレースを探すのも苦労しそう。
しかもあのわけのわからない行ったり来たりのトレースを追いかけたらまた余計に時間がかかりそう。
とは言っても、本来のルートがはっきりとはわからない。日没まではあと1時間半。行けるか・・・

考えている間もとにかく寒い。気温も氷点下だし、風も強い。じっとしていると体力がどんどん失われていく。

出した答えは、"山頂でビバーク"。
明日は天気が少なからず回復する。下手に動き回るよりはここで一晩明かしてゆっくり下りようということに。

そうと決まれば後は体力温存。テントが張れそうな場所を探す。も高山植物の保護のためテント泊NGの看板。
ならば雪洞と山小屋横を持参したシャベルで掘ってみるも氷の壁に阻まれあえなく撃沈。
結果、自然へのダメージと風除けを考慮し、山頂トイレ横にテント設営。建物のお陰で多少は風が防げる。
本当の稜線でビバークするのって非常に難しいんすね・・・。

改造その2。前室



ご存知の通り、使っているテントはmont-bellのドームシェルター。ちなみに冬季の使用は禁止w
ベンチレーターが凍って酸欠死亡する可能性があるそうだ。まぁ、その辺は自己責任ということで。

ただ出入り口がファスナーということで、テント内で調理するとファスナーが夜間の結露で凍る可能性がある。
なので、自分は念のために、入口を半分ほど開けているが、さすがに風雪が厳しいとそれは無理。
その対策として前室を作ることにした。前日にmont-bellの店員さんとあれこれ話し、結局、マイティードームオプショナルキャノピーに決定。
現物をわざわざ袋から出して見せてくれた。ありがとう、mont-bellのおっちゃん。
専用品ではないのでばっちり固定とはいかないものの何とか使えるレベルではある。
もう少し改善して固定力を強めれば全然問題なさそうだ。

しかし、この日はテント張るのにえらく時間がかかってしまった。
雪面を整地したり、前室を作ったり、といつもより作業が多いのもあったが、一番の敵は風。
テントが風で何度も飛ばされそうになり、四苦八苦。というか一回テントが風で10mくらい流されて死ぬほど焦る。
山頂の広い山だったからセーフだったが、稜線のわずかな空間とかだったら一発アウトだった。以後慎重にテントを固定。
あとクソ寒い時の金属のポールが鬼のようだった。グローブを通しても冷たさがガンガンに伝わってきてつらいのなんの。
さらに色んな装備が増えたもんだから、紐類を結んだりと細かい作業が多くて最後は結局素手で作業する羽目に。
テント張り終わったら、恒例になりつつあるダウンマットのポンピング作業。

結局全部の準備するのに30分くらい格闘した。お陰様で体がキンキンに冷えた。

体を温めるべくその前室でクッキング開始。今宵もラーメン in 餅 。



一応、ウィンナー入り。



ライトの明かりがちらつくので、何かと思ったら雪が舞っている。ベンチレーションから雪が侵入して来ている。
さすがにここを塞ぐわけにはいかないんだが、こちらも改善の余地ありだな。風向きとかいろいろ考えれば何とかなるのかも。



寝袋自体は、シュラフカバーがあるから問題なし。
ザックの中身ももほとんどが防水スタッフバッグの中だからまぁ気にしないでいいか・・・。



横になるもテントが風で尋常じゃないくらいバタついてうるさ過ぎて耳栓しようが効果なし。
日本一周とかでも何度かそういうことがあったが、その時はテント寝袋にすればよかったが、さすがに冬山では無理だろう。
そんなことしたら下手したら死ぬかもしれん、耐えるしかないな。

下山の体力さえ温存出来ればそれで良しと割り切って眠らずに夜を明かすことを決意。(というか眠れない)

冬山って厳し~(涙)