続・軍務尚書の戯言

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小泉自民党を応援する理由~其の一:抜本的社会改革の必要性~

2005-08-19 03:09:55 | 論文・考察
今後10年の日本の将来を決定的に方向付ける2005年衆議院選挙を数日後に控え,過去の記事と重複する事を承知の上で、あえて本記事を投稿させていただく。
今回の2005年衆議院選挙は,この10年で最も重要な選挙である。
なぜなら、今回の選挙で国民が選択するのは,郵政事業民営化という一公社の運営形態~官か民か~という些細な事ではなく、戦後日本が継続してきた社会~政・官・民の結合を中心とするムラ社会的システム~を今後もこのまま継続するのか,日本人自らの手で新たな社会の構築を試みるのかという日本社会の本質だからである。
郵政事業民営化問題は、この選択を単純化し国民に明確な対立軸を示すための象徴に過ぎない。
本稿では9/11に実施される衆議院選挙において、小泉自民党が勝利しなければならない理由についてシリーズとして論述する。

現在、日本の社会システムが行き詰まり、社会そのものが崩壊しかかっているという認識に異論はないだろう。
日本が戦後一貫して継続してきた社会補償システムは、年金制度や国民皆保険制度をはじめとしてほとんどが制度疲労と合理化の失敗により破綻寸前であり,日本の国家財政自体が国家予算の10年分に相当する660兆円を超える赤字国債をかかえ、まさに破産寸前の企業のような自転車操業を行っている。
身のまわりに目を投じてみても,続発する異常な犯罪と治安の低下はいっこうに改善せず,援助交際をはじめとする性の商品化と風紀の乱れは著しく,親殺し子殺しや幼児虐待が日常化し,経済は停滞して失業率は改善せず,汚職と腐敗はなくならず、人口の急速な高齢化と少子化が進行し,社会不安は増悪する一方だ。

こうした末期的状況の日本社会に必要なもの、それは根本的な社会システムの変革すなわち抜本的な構造改革に他ならない。
これこそが小泉自民党が今回の総選挙において過半数を維持して勝利し、彼の政権が継続しなければならない第一の理由であり、戦後60年にわたり強固に構築されてきた政・官・民の癒着と国民の血税を使った利権の配分に基づく政治を終焉させるためには、彼のような強力な意志を持つ指導者に、一時的に強大な権限を持たさざるを得ないと小生は考えている。

日本は今や官僚と政治家を中心に、国民の税金をむさぼり利権のおこぼれをあずかろうとする「物乞い国家」に堕落し,下は地方公務員から上は中央官僚まで,既得権益を利用して国民の血税を浪費する事で自己の政治力と利益を図るシステムが完全かつ強固に構築され,それが非合理的な財政運営と莫大な赤字国債の元凶となっている。
政治家が政府から公共事業をはじめとする予算を自分の選挙区に誘導するよう官僚に働きかけ,官僚は政治家の要求を実行する代わりに許認可権と天下り先を保証され,予算により不当な利益を得た業者が組織票と資金を政治家に上納するというトライアングルは,日本社会の基本的構造と呼べるほど根深く強固なものだ。
分かりやすく言えば,日本は悪代官と越後屋の密談「越後やそちも悪よのう」「御前ほどではござりませぬ」を大なり小なり行い、税金を浪費してみんながそのおこぼれを預かる社会に陥ってしまっているということだ。
この結果、野方図で非合理的な公共事業~治水上必要性の全くないダムの建設,過疎地への高速道路の延伸,入場者が無く赤字を垂れ流す美術館~を次々と実施し、日本は莫大な借金を抱えるに至った。
こうした政・官・民の強力な癒着構造を断ち切り,日本の公共事業を合理化し,行財政改革を実施するためには,強力な指導力と意志を持った人物による一種独裁に近い改革の断行以外に方法がないのである。
なぜなら、こうした改革には必ず利益の衝突が発生し,票と地盤を失う政治家・許認可権と既得権益を失う官僚・公共事業による利益を失う業界団体から猛烈な反対が発生するのは必然であり,中庸で意見集約型の指導者では全く改革が実施できないからである。
また,前述の様に日本全体がこうした利権と癒着により何らかの恩恵を受けている現状~地元を便利にしてくれる高速道路、職を生み出す公共事業、高給と終身雇用を保障される公務員~では、この改革において国民に何らかの痛みが伴うのは必然だ。
こうした国民の「痛み」を、無視できるほどの強力な意志と指導力、自己の改革への独善的とも言える使命感がなければ、完全に腐敗しきった日本社会を改革する事など到底できないのである。

小泉首相の政治手法を「独裁的」と批判する人々~特に小泉首相の人物を完全に読み誤った亀井静香氏らのグループ~がいるが,彼は衆議院選挙と言う最も民主的な方法を用いて構造改革を実行しようと試みており,反対派の亀井氏や民主党の主張する「独裁者」と言う批判は全く的を得ていないばかりか、自らの民主主義に対する理解度の低さを露呈するものだ。
彼自身も再三述べているように,小泉首相は4年前の総裁選挙から一貫して郵政民営化を公約の第一とし,その公約を高く掲げて2003年の衆議院選挙や昨年の総裁選挙を戦ってきた。
その選挙において多数決で小泉純一郎氏を総裁に選んだ以上は、彼の公約の実行に協力するのはあたりまえであり,この民主主義の基本原理を守らずに批判を繰り返すのは蒙昧無知も甚だしい。
反対派の多くは選挙の時にだけ小泉人気を利用し,自己の安寧と利権の維持をはかってきた品性下劣としか言い様がない人物である。
参議院選挙の際には「郵政民営化には反対しません」との念書を提出したおかげで比例最下位で当選したにもかかわらず,現在は郵政民営反対派・反小泉派の中心の一人となった荒井広幸氏の現在の発言に見られるように,言い訳はいくらでもできる
政治家として本当に大切な事は,小学校で教えられる「約束を守る」という基本的道徳であり,政治家の倫理感は小学生の道徳に劣るほど堕落していると考えざるを得ない。

確かに,独裁者は民衆が生み出すものだ。
ナチス・ドイツのヒトラーも,最も民主主義的な体制と謳われたドイツ・ワイマール共和国の民主主義的選挙によって、国民の熱狂的な支持を得て合法的に権力を手中におさめ独裁者となった。
そして現在の日本の状況が、ヒトラーを生み出した第一次世界大戦後のドイツと共通した点が多いのも事実である。
だが、小泉首相の政治手法が仮に「独裁的」であったとしても、そうした強力な指導力による政策の実施によらなければ、強固な癒着構造を破壊する真の改革など到底不可能であり、先日の投稿「民主主義の意義~民主主義と独裁制~」でも述べた通り,独裁的権力により迅速な構造改革が成功した例は歴史上多数存在する。
そして現在の日本の状況は,一刻の猶予もならない危機的なものであり,強力な指導者による改革の断行以外に日本が再生する道はない。

以上の点において,小泉首相は現在の腐敗し行き詰まった日本社会を抜本から改革できる唯一の人物なのだ。
小泉首相の、他者に対する共感の著しい欠落・強烈な目的意識と使命感・苛烈で徹底した政治手法・前例と因習に捕われない行動は,こうした改革を成し得るのに必要不可欠であり,逆に言えば時代が彼を改革者として日本の首相に選んだのだともいえるだろう。

日本人は強力な指導者を好まず,権力の分散と不明瞭化を無意識に望む特異な精神構造を持っている。
小泉首相の苛烈な政治手法~郵政法案反対派の公認取り消し・刺客と呼ばれる対立候補の派遣・公認候補者への念書の強制~は、ムラ社会における「和」を第一に考え、責任の所在を曖昧にしてお互いを慰めあう日本人には異質に映る。
しかし彼の実施しているこうした政策は,議会制民主主義の大原則~政策の一致した議員が政党を構成する~を厳格に適応しているにすぎず、小泉自民党の政権公約が郵政民営化である以上,それに反対する議員を公認せず新たな候補者を擁立するのはむしろ極めて正しい事なのだ。
また、「第三の敗戦を繰り返さないために~責任の明確化~」でも述べた通り,「和」を第一に考え責任の追及をうやむやにした結果,日本は悲惨な二度の敗戦を経験し、多くの人命と日本人の美徳~勤勉で礼儀正しい国民性、安全な社会~を失うに至った。

日本は、みんながぬるま湯につかりながら不正に目をつぶり腐敗して行くムラ社会を捨て,国民それぞれが自己の責任と義務を明確に堅持しそれに基づいて行動する社会に生まれ変わらなくてはならない。

そのためには、小泉首相が改革を断行する事が必要不可欠であり、衆議院選挙で小泉自民党は絶対に勝利して単独過半数を獲得しなければならないのである。
彼の改革が不十分である事は確かだが,彼の使命は既得権益と政・官・民の癒着を完全に破壊する事であり,彼の後に続く人物が新たな日本社会を築いて行けば良い。
改革者と再生者が同一人物である必要は全くなく,彼は確実に改革者・破壊者なのである。
彼により日本の旧態依然とし行き詰まったムラ社会が崩壊した後,様々な意見を集約し、弱者を救済する新たなシステムを作り,日本を再生する道筋を具体化する人物が日本をリードして行けば良い。
今こそ二度の敗戦で得た教訓を生かし,日本人自らが自らの手で社会の変革を成し遂げる時なのであり、そのためにも小泉首相の権力強化と小泉政権の継続が絶対に必要なのである。

今日の箴言
「強力な指導力なくして改革なし。」

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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (笛吹働爺)
2005-08-20 21:09:32
同感! まったくその通り。
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暗合 (G)
2005-08-21 11:14:00
日本の政策の転換点となる9/11という日付が、

アメリカ──否、世界の政策の転換点でもあった

あの「日」と同じというのは、偶然とはいえ面白い。

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 ()
2005-08-22 11:47:18
同士よ!!ここで待ってるぜ!!

http://3play.cx/
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コメントありがとうございました。 (軍務尚書)
2005-08-23 02:14:26
>笛吹働爺さん

共感していただいてありがとうございます(笑)。今後もどうぞよろしくお願いします。



>暗号さん

偶然とはいえ,おっしゃる通りですね。

9/11は何か特別な星の配置でもあるのでしょうか?

細木和子の出番ですね。

今後もどうぞよろしく。



>蘭さん

すいません。

そちらには余り興味がありません,,,
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