そして・・卒業証書を手にすると18歳の息子は家を出て、修行の旅へと出かけて行きました。
今から40年も前のご時世です。
その頃の日本食文化は外食産業が盛んになりつつある時代背景があり、特にラーメンは代表的な日本食と言われるほどの人気商品になりましたね・・
息子はそこに目をつけ、東京一と言われるほどのラーメンの人気店へ飛び込み、従業員に採用してもらい修行を始めたのでした。
私はヤンチャ坊主が本当に務まるのか心配で、自分の定休日にはお店の外側から様子を窺いにコッソリと見に行きました・・
釜の前で汗ダクでラーメンを作る、そこには以前のヤンチャさの見えない真剣な息子がいました・・
店の前に丁度良く、電信柱がありましたのでそれを目隠しにして陰で泣きながら見ていました・・
まったく・・親ばかもいいところです!
私の息子は将来必ずや、店を構えて美味しいラーメン屋の主になれるだろうと確信したのでした。
そして1年後、息子は私に真剣な面持ちで言いました。
母さん! オレは学ぶ事は全て学んだ・・
スープも何もかも作れる・・
ここまで来たら、人様の金儲けに手伝うことはない・・
自分の店を持ちたい・・と・・
私は石の上にも三年と云うでしょ・・
後2年頑張って修行を積みなさい、
ラーメンが作れるだけでは商売は出来ないのだ、経営のこと・・客あしらい・・まだ学ぶ事は沢山あるのだからと・・・
然し、何て事はなく、私は強引な息子の熱意にほだされて若干二十歳になりたての息子に大金を掛けることになったのでした。
ノルか、ソルか、一か八か・・・
出たとこ勝負になると心得ながら・・・
さて、この勝負はどうなるのでしょうか・・・
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