松永和紀blog

科学情報の提供、時々私事

かわいい! でも、笑っちゃいけない

2009-09-14 11:20:02 | Weblog
 しらすにフグ混入。共同通信が流した記事。知り合いの生協職員が教えてくれた。しばし、なごむ。
 以前に「タモリ倶楽部」で、しらす干しにどんな生き物が入っているか、じっくり見て珍しいものを探す、というテーマが放送されたことがあり、ことのほか面白かったことを思い出した。買ったしらすに、体長5センチのこんなものが入っていたら、私ならたぶん、小躍りして喜んでしまうだろう。

 だけど、同じ日にパック詰めされた商品を回収することにどういう意味があるのかな? 

吉川先生 復活!

2009-09-14 02:03:01 | Weblog
 8月は例年、1年でもっとも暇な時期だ。今年は「集中して原稿を書くぞ」のはずが、エコ生活挫折により、大混乱だった。下旬から出張再開となり、岩手、北海道、島根、長野、仙台と点々。行く先々で「エアコンつきましたか?」と尋ねられ、穴があったら入りたいとはこのことか。
 皆さんの予想通り、「つけてよかった」と思ったのは1週間ぐらい。その後は涼しくなり、ふと気づいた時にはもう夜にはセミが鳴かなくなっていた。
 とはいえ、セミは今も日中は頑張って鳴いている。本当にご心配をおかけしました。ありがとうございました。

 さて、9月11日に食品安全委員会プリオン専門調査会が開かれ、傍聴してきた。前回から約4カ月ぶりの開催。座長の吉川泰弘・東京大学大学院教授の食品安全委員会委員人事が国会で不同意となり、吉川先生は一時は、プリオン専門調査会の座長辞任を委員会に申し出ていたのだが、無事に復帰となった。
 吉川先生はいつも通りのひょうひょうとした雰囲気。お元気そうで、なにより。

 興味深かったのは、議事に入る前に小泉直子委員長が発言したこと。国会人事不同意の件について再度触れ、米国産牛肉に関する食品健康影響評価について、「とりまとめた責任は親委員会にあり、吉川座長にはない」と説明し、「政治の介入に強い危惧を持つ」と委員長談話よりも踏み込んだ発言をした。

 食品安全委員会は今後どうなるのか? 民主党がどう出るのか? だれにも分からない状況のようだ。
 そして、政治がリスク管理に携わり、マニフェスト通り、まったく意味のないBSEの全頭検査に国庫補助を復活させるとしたら、どうしたらいいのか?
 民主党がジャンクサイエンスベースで動かないように、しっかりと見続けなければならないのだろう。

 朝日新聞が9月12日付のオピニオン欄で吉川先生のインタビューを掲載し、「BSEの全頭検査はムダだ」と大きな見出しをつけている。やっと新聞が出してくれたか、という感じ。民主党議員も読んだだろうか。

 ただし、この記事、少し引っかかる。もう一つの見出しが「BSE対策を担ってきた東京大大学院教授 吉川泰弘さん」なのだ。記事中でも、「食品安全委員会でBSE対策の最前線に立ってきた吉川泰弘さん」と紹介している。
 だが、吉川先生は評価をしたのであって、対策を担ったわけではないだろう。ここで既に、管理と評価をごっちゃにしている。

 さらに「取材を終えて」で、記者がこう書いている。

 最新の科学のものさしをあてて、食品の安全性を中立公正に評価する、として6年前に船出した食品安全委員会。しかし、大切な議論では、政治や世論に振り回され、政府の描いた筋書きを追認するだけの印象を残した。(後略)

 政府の描いた筋書きを追認するだけの印象ってどういう意味だ? そう解釈して世論を誘導したのは、新聞などメディアではないの? 解釈は勝手にしてよいことなのだけれど、自分たちがやったことを顧みる気はさらさらないという姿勢を露呈しているような気がして、気になった。