東京二十三区清掃一部事務組合HPで、大田2回目、多摩川3回目、足立2回目、世田谷清掃工場の「廃プラ混合焼却実証確認結果」が公表された。法規制値はすべて下回ってはいるが、大田と世田谷は自主規制値オーバー、足立と大田はスラグの安全性に係わる品質基準で鉛含有量基準オーバー…
■廃プラスチック混合可燃ごみの焼却実証確認実施報告
(東京二十三区清掃一部事務組合 6/20更新分)
http://www.union.tokyo23-seisou.lg.jp/thermal/6thermal.html#kakunin
●まだとりあえずのながし読みなのだが、↓↓気のついたところのみ~
■大田清掃工場(2回目)平成19年12月実施分
●運転データ:一酸化炭素濃度の計測値で維持管理基準値100ppm のところ一時的に219ppm となった。また、大田清掃工場の操業に関する協定値で、窒素酸化物70ppm のところ一時的に71ppm、塩化水素15ppm のところ一時的に20.6ppm となった。
●焼却灰・飛灰・汚水処理汚泥等分析結果:まあ、本当にこれほど各種重金属があればキレート処理などせずに山本還元したいだろうが~。とにかく鉛、クロム、銅、亜鉛すごいものだ!
●スラグの重金属含有量 鉛:190mg/Kg(JIS基準150mg/Kg以下)
総クロム:2,700mg/Kg(JIS基準 六価クロム250mg/Kg以下)
●バンカごみ、モデルごみの重金属分析結果
亜鉛がすごい、クロム、リチウムも~
※電池類や皮革製品でも大量に入ったのだろうか?
■多摩川清掃工場(3回目)平成19年11月実施分
●焼却灰・飛灰・汚水処理汚泥等分析結果の重金属は本当にすごいものだ! モデルごみの総クロム1,520mg/Kgは突出している!
●バンカごみに占める廃プラスチック(皮革、ゴム類含む)の割合は、22.51%
モデル可燃ごみに占める廃プラスチック(皮革、ゴム類含む)の割合は、17.80%
(バンカごみの廃プラスチックの割合がモデル可燃ごみより高くなった原因として、バンカ内では、ごみ質を均一化するため、クレーンによる攪拌を行っているが、攪拌が十分でなく採取したごみに偏りが生じた、等の可能性が考えられる。)だって!
●それでは実証確認の意味がないのでは?いつも単純に疑問に思うのだが、バッチ処理というか、モデルごみだけのロットで焼却しているわけでもないのだから、連続運転のどこでどう判断して環境測定をするのか?バンカー内のごみから確実にモデルごみをうまく焼却炉に投入できているのか?
■足立清掃工場(2回目)平成20年1月実施分
●焼却灰・飛灰・汚水処理汚泥等分析結果の重金属結果は見たくもない状況!
●スラグの重金属含有量 鉛:160mg/Kg(JIS基準150mg/Kg以下)
スラグの溶出試験 鉛:0.01mg/l(JIS基準0.01mg/l以下)
※基準が0.01mg/l以下ということは0.01mg/lの場合はどういう扱いなの?
(足立工場1回目の実証確認試験では鉛溶出試験は0.05mg/lだった。)
総クロム:1,300mg/Kg(JIS基準 六価クロム250mg/Kg以下)
●モデルごみの重金属分析結果
総クロム5,838mg/Kg~ これをたまたまとみるか、往々にしてあり得ることとみるか~意見の分かれるところ。 しかし、焼却灰・飛灰・汚水処理汚泥等分析結果の重金属をみると重金属まみれの、プラスチック、皮革製品、不燃ごみ(とにかく不燃の混入割合は増加の一途だろう)がこれからどんどん入ってくるのだろう。
2007/7/5追記
鉛ばかりに気をとられていたら、なんと「スラグ」の水銀が溶出基準値をオーバーしているではないか。0.0007mg/L(基準値は0.0005mg/L以下)
■世田谷清掃工場 平成20年4月実施分
●運転データ:、窒素酸化物の計測値(3 月20 日及び4月1 日並びに4 月11 日)で協定値50ppmのところが一時的に56ppm 及び51ppm 並びに52ppm となった。
●スラグ(プラズマ溶融)溶出試験 鉛:0.01mg/l(JIS基準0.01mg/l以下)
スラグ(ガス化溶融)、スラグ(プラズマ溶融)と他工場のスラグに比較して鉛、カドミ、クロムと含有量が少ないのが不気味! その分、飛灰・溶融飛灰処理汚泥等に重金属がいっているだけなのか?
●東京二十三区清掃一部事務組合の「プラスチック製品中の含有重金属類分析調査結果」では、、総クロムが検出されたものは六価クロムの分析もおこなっている。スラグの場合は、どちらにしても鉛がオーバーしていればやっても無駄だとあえてしないのか?よくわからないがそこも不親切。
●引き続き気になるところを一覧表にまとめていく予定
前回4月発表分もまだこれから集計
とりあえず!
6月21日追記
●いつも実証確認結果をみてで思うのだが~
排ガス、排水中の鉛、カドミ、亜鉛、マンガン、水銀、クロム等はいずれの清掃工場でも概ね不検出である。あれだけ焼却灰や飛灰に含まれているのだから少しは抜け出るのではあろうが~ しかし、スラグについての溶出試験、含有量の報告は非常に不親切だと思う。不親切というより意図的なのか策略なのか~よくない! 埋立分に関する判定基準でスラグをみるのではなく、スラグの安全性に係わる品質基準でみていかなければ~ 廃プラスチック混合焼却のお題目は「埋立処分場の延命」なのであるから~(混合焼却→溶融→スラグ有効利用=埋立処分場延命)もちろん清掃工場の有効活用が目的とはいえないので、建前であれ何であれ「埋立処分場の延命」を最重要と唱えているわけだから、スラグとして有効活用できなければ、目的から逸脱するのである。法的に埋立基準はクリアしているから何ら問題ないというのはおかしい。毎回、焼却灰・飛灰・汚水処理汚泥等分析結果の「①モデル可燃ごみの焼却後の測定結果は、すべて法規制値及び判定基準値を下まわった。②測定値は、実施前と同程度であり、モデル可燃ごみを焼却した影響は見られなかった。」をみる度に複雑な心境である。確かに平成17年度全工場測定値と比較すると、この現実も、なにもプラスチック混合焼却が原因とみることではないのかもしれない。それほどにもともと重金属は混入されているのだから~ それにしても23区すべてで全面実施になれば益々鉛の含有量などオーバーするだろう。スラグとしての安全基準にびくびくするより、だからこんなに豊富な重金属類資源は山元還元へといきたいのだろうな。何か狂っているこの現実!
関連(本ブログ9/16)
●足立「モデル可燃ごみの焼却実証確認」はスラグの鉛溶出基準値オーバー!
http://blog.goo.ne.jp/wa8823/e/4110cf429a0a7719ff312321e8bd8e23
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