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江東区 容器包装プラスチック「指定袋制度」導入なるか 否か ?!その2

2008年10月29日 22時41分12秒 | 東京23区のごみ

来年3月実施予定の容器包装プラスチックのリサイクルに向け、より具体的な手法を議論していた専門委員会から、環境審議会にまとめが報告された。環境審議会でも熱い議論が交わされた。議論が大きく分かれたのは、容リプラの排出方法として「指定袋制度」の導入についてだった。
本ブログ「江東区 容器包装プラスチック「指定袋制度」導入なるか否か?!」

分別の徹底のために、江東区独自の規格を指定する「指定袋」にすれば全てが解決するわけでは決してない。一つの有効な方策であるとしても、それをいかに運用するかで成否は大きく左右される。メリットもあればデメリットもたくさんある~

■山谷氏が力説された「指定袋」のメリットなど
・独自の規格指定袋にすると排出方法や容器包装のイラストのメッセージが書き込める。
・任意の透明袋という指導だけだと、半透明や不透明、レジ袋での排出になってしまう。
・レジ袋などで出されると、容器包装以外のいろんなごみが混入する。
・レジ袋では選別施設での破袋がうまくいかない。
・レジ袋では注射針等の危険物混入で収集や選別作業者の安全性が確保できない。
・透明袋の方が、結果的にきれいなプラスチックが集まり、選別のコストが安くなる。
・容器包装プラスチックにプライバシーはないと考えるので、透明袋で問題ない。
・全国的に透明での指定袋はまだない。江東区が全国に先駆けて実施することになる。
・レジ袋に透明のものはない。
・指定袋でなくとも、排出用の袋を購入するのであれば袋代は同じように必要である。
・レジ袋削減の効果がある。

■考えられる「指定袋」のデメリットなど
・ごみ袋が任意で資源だけが指定袋となると、安易にごみに流れる可能性もある。
・指定袋は容器包装対象外なので、選別保管施設で確実に取り出して、結局は清掃工場で燃やすごみとなる。
・その指定袋として取り出し燃やされる量は、年間にすると約10トン
 江東区20万9千所帯で、週1回1枚、365日÷7=52週
 209,000所帯×52週=10,868トン/年(年間にすると1枚1gでも年間10トン)
 52週×10円=520円/世帯/年 袋代負担
 520円×209,000所帯=108,680,000円/年/江東区全所帯となる。
 (1世帯で年間52枚使って、1枚10円でも1億800万円))
・江東区が指定袋を導入して、区民に無料配布するにも多額の費用が必要。
・透明の指定袋にしたとしても、それだけで問題が解決するわけではない。基本は分別指導やプラスチックリサイクルの問題をいかに区民へ周知していくかということである。
・指定袋にしても透明袋にしても、中が見えなくする二重袋をいかに避けるかの周知ができなければ全く意味がない。
・ごみ袋にお金をかけたくない人は、容器包装などから自分の創意工夫で透明袋を使うという選択肢が閉ざされる。
・今や、レジ袋の1枚でも減らそうと努力をしているところで、1回切りの排出用に「指定袋」を購入するということは、レジ袋削減効果の言い訳に矛盾する。
・レジ袋での排出だと、そのままレジ袋も容器包装としてリサイクルされる。
・全国的に、ごみ有料化やごみ指定袋導入の自治体は、資源の場合は指定袋の料金を半額にするなどのインセンティブの工夫がある。
・江東区独自の指定袋の規格を作るということは、またまた行政側で大変な作業となる。
・規格指定袋は、そのコストに上乗せすることで安易に有料化へ導入可能になる。
・指定袋導入の市町村でも、容リ協会の品質調査でDランク判定、受け入れ拒否を受けたところもある。要するに袋だけの問題ではなく、いかに周知を徹底していくかである。
・多くの市町村で、「透明又は半透明」の袋だしにしているが、いろんな問題を排出指導で工夫している。
・レジ袋であれ、大半の人はルールがあればルールを守って排出する。要するにいかにルールを周知させるかが問題である。

●環境審議会の議論は様々であったが、結論として、「透明袋」のメリットは多くの人が認めるが、それが「指定袋」でなければという必然性までには至らなかった。

●時間不足でとりあえずまた~


関連
■平成19年度・プラスチック製容器包装ベール(トレイを除く)品質調査結果概要
容リ法 指定法人ルート
調査対象保管施設数642ヶ所(構成市町村数859)のうち、再調査対象数は、延べ78保管施設のベール、74市町村・一部事務組合が対象となった。
10月末現在再調査完了の75保管施設中、Aランクに改善された保管施設は64%の48保管施設、残念ながら9保管施設・12%がDランクで協会の引取基準まで改善できなかった。
20年度引取りお断り
本年度は、再調査でDランクの9保管施設(9市町村・一部事務組合)は20年度の引取り申し込みを断る予定であったが、昨年同様、再度Aランクを達成できる抜本的な改善計画の提出を依頼した。
その結果、その改善計画が不十分で、次年度Aランク達成が困難と思われる5市町村・一部事務組合(5保管施設)に対しては、20年度の引取り申し込みを断ることとした。

■プラスチック製容器包装 保管施設毎の品質調査結果(東京23区)
2007年12月25日 20時52分44秒 / 23区のごみ
保管施設毎の品質調査結果一覧表(平成19年度)に、中野、杉並、葛飾、江戸川の結果も公表されている。(日本容器包装リサイクル協会HP) . . . 本文を読む

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