BIG ART壁画プロ養成所

旧・かすかべ壁画塾。6ヶ月間・週6日間・全日制の壁画プロ養成所。壁画の研究や技術開発、普及活動をめざしています。

シャッターアートの地塗り作業

2011-06-23 23:17:29 | 制作現場

『シャッターアートの地塗りを均一に、ムラなく塗りたい!』

凹凸や隙間のあるシャッターの地塗りに役立ったのが『チロン温風低圧塗装機』でした。

 

◎低圧力で吹付けるので塗料の飛散・跳ね返りが少ない。凸凹や隙間への塗装にも効率的。塗料の匂いもまき散らさないので、人に迷惑がかからず、市街地での壁画制作に適しています。

◎吹付ける時は、描画面との距離を一定に保ちながら、ガンを動かすスピードも一定にすると、ムラなく塗れます。刷毛やローラーでの地塗り塗装よりも、ムラが少なく塗れました。

今回は、シャッターアートのための地塗りで、この塗装機を使用しましたが、シャッターに限らず、凸凹や隙間のある画面での壁画制作現場で、大いに性能を発揮してもらいたいと思います。

とにかく、手入れをしっかりしないと性能を発揮できないので、チロン使用後のメンテナンス清掃を心掛けたいと思います。

                                By Amano

 


シャッターアートのデザイン「びあん」

2011-06-23 00:31:55 | 制作現場

私たちが取り組んでいる「日光道中・粕壁宿」景観再生プロジェクトの第2弾として、春日部駅東口商店街でシャッターアート(壁画)を制作しました。

この仕事を通して、「まちを元気にしたい!」そんな願いをこめてデザインしました。

店舗名: びあんーBienー(お惣菜屋さん)

立地場所: 春日部駅東口のロータリー付近

デザイン与件は次の2点です。

1.お店のアピール。

2.粕壁宿のアピールと景観づくり。

春日部駅東口周辺の情緒あふれる街並に馴染むように、江戸のイメージを演出する喜多川歌麿の浮世絵『ビードロを吹く女』をモチーフににしました。

右手に持つビードロを箸にすげ替えてお惣菜屋さんをアピールしています。

シャッターアート第一弾では、せんべい店に写楽の歌舞伎絵を使いました。

あちこちのシャッターに江戸をイメージした壁画を描くことで、まちを訪れた人々に粕壁宿の面影を感じていただけたらと期待しています。

 

6月は、春日部駅東口商店街5ヶ所でシャッターアート制作を行いました。

春日部にお越しの際は、ぜひ、東口商店街にお立ち寄りください。

そして『粕壁宿』の風情を少しでも味わっていただけたらと思います。

                                                      by Amano


第7回 カラー講座「12色相環を覚える」

2011-06-14 00:21:25 | 受講レポート

3回目のカラー講座の受講レポート。

壁画制作の現場では、短時間で指定された色を作らなければいけません。

早く色彩感覚が身に付くように、配色カードを使った訓練をしています。

まず、基本となる12色相環を覚えます。色の三原色である混ざりけの無い『赤・黄・青』を、vividトーンから選びます。『赤』といっても、『紫みの赤』や『黄みの赤』があるので、色の違いを把握します。

この純粋な『赤・黄・青』を【一次色】と呼びます。

次に、それぞれの中間色[だいだい]と[青みの緑]と[紫]を選びます。

さらに、一次色と中間色の間の色を選ぶと6色増えて、合計12色が出来ます。これらの一次色以外を【二次色】と呼び、すべて合わせて【12色相環】が完成します。

今後は、色彩を自由自在に扱えるようになるために、12色相環×11段階のトーン=132色の配色カードを並べるトレーニングをします。早く、微妙な色彩感覚や、トーンの違いを理解して、自身を持って調色できるようになりたいと思います。

参考までに、11段階のトーン名称と意味を覚え書きしてみます。

v=vivid(さえた・鮮やかな)、dp=deep(濃い・深い)、dk=dark(暗い)、p=pale(薄い)、lt=light(浅い)、b=bright(明るい)、sf=soft(柔らかい・穏やかな)、d=dull(鈍い・くすんだ)、ltg=light grayish(明るい灰みの)、g=grayish(灰みの)、dkg=dark grayish(暗い灰みの)

                                      by Amano


シリコンシーラーで、隙間をうめます。

2011-06-07 22:14:08 | 制作現場

以前施工したコロッケ屋さん、栗原惣菜店の

看板の継ぎ目にクラックが入ってきたので、シリコンで埋める作業をしました。

 

長さ2メーターほどの継ぎ目、2箇所の補修です。

1箇所は脚立と、もう1箇所は、継ぎ目の下にある自動販売機の上にからと、

届かない場所は、屋根の上に乗り高所での作業となりました。

 

使用した道具

シリコンシーラー(カラー:アイボリー)、シリコンホルダー、ウエス、ヘラ、ダンボール切れ端(20×25センチ)、脚立(10尺)

 

 

〈施工時の注意点〉

 

シリコンやパテなど、クラックや穴を埋めるものは硬化するとかさが減少するので、平滑にするというよりは、壁面より盛るようにします。

乾燥後のシリコンの上には塗料が乗らないので、必要な場所以外にはつけないよう注意します。(つけてしまったらよくふき取ります。)

乾かないうちも水分と混ざらないので、水気などにも注意します。

気泡を作らないようにし、コーキングヘラで表面をきれいに仕上げます。

 

平らな2つの面の間の溝や亀裂などは経験があったのですが、今回は、壁の面が90度でぶつかっている部分の、隙間へのシーリングも手がけました。

こちらはヘラだけではシーリングが きれいに出来ずに苦戦しました。

また、作業している間に表面から乾燥して固まってくるので、チューブから出した後のスピードの必要性を感じました。

 

 

 

by WATANABE


海綿によるサビのテクスチャー表現

2011-06-07 21:36:24 | 制作現場

デザイン塗装と呼ばれるカテゴリーの中に、

素材感、質感などを出すフェイク塗装という技があります。

 

代表的なものは木目、木地、岩石などです。

普段から観察し、真に迫った表現を心がけたいです。 

本来の素材とは違う部分に塗装し、その場の空間を作り変えることができます。

例えば、大理石模様の机が欲しい場合、この塗装を施すことで、

もとの素材が木製やスチールやプラスチックなどであっても、

それまでとは違った雰囲気を演出をすることができます。

また、好きな場所に、好みの模様を入れることができます。

 

日本や世界各国の飲食店や、ホテルのカウンターや

公共の施設などに、施工されています。

 

また、エイジング塗装と呼ばれる技法もあります。

今回はあたかもさびてしまったかのような鉄部の表現に挑戦しました。

 

海綿と呼ばれる、天然の道具を使用します。スポンジのような感触を持っており、

微妙な力加減で状況に応じて様々なテクスチャーを生み出していきます。

 

天然の海綿は、一つ一つ違いどこをとっても違う形なので、模様は自然な印象を作りだすことができます。

 

BY WATANABE


2液型塗料の混合比は重量比!

2011-06-01 22:20:27 | 受講レポート

塗料には、1液型と、2液型があります。

1液はそのまま使うことができます。

2液型は、主剤と硬化剤の2種類の液を混ぜて使います。比率は液によって異なります。

 

◎2液型塗料混合時の厳重注意点は、重量比であることです!!!!

体積で測るcc、リットルだと、比重がそれぞれ違うので、 計りを用い、グラムで数値を計算します。

 

本日使用した鉄部の錆止めシーラー「エスコ ESCO」は主剤と硬化剤の2液型です。

その混合液に希釈液(シンナー約10パーセント)加え、下地として鉄部に塗装します。

主剤は白色で粘度がある液体ですが、硬化剤と希釈液は透明でサラサラしており、似ているので、取り違えに注意です! 

 

混合液{ 主剤   4 : 1   硬化剤 }

 

混合液  9 : 1   希釈液 

 

例) 主剤800gに対し、硬化剤200g、希釈液100g というように使用します。

 

 塗装は2度塗りが原則です。一度塗りのムラに重点的に気をつけて指触乾燥したら2度目を重ねます。

 エスコは刷毛で塗りましたが、比較的乾燥が早く、固めの感触でした。

また、1度混合すると保存ができないので、作る量をはやく見極められるようになりたいです。

 

BY WATANABE