BIG ART壁画プロ養成所

旧・かすかべ壁画塾。6ヶ月間・週6日間・全日制の壁画プロ養成所。壁画の研究や技術開発、普及活動をめざしています。

アトリエがリニューアルしました。

2009-05-12 21:57:39 | トピックス
かすかべ壁画塾の実習教室でもあるビッグアートのアトリエが開講に向けてようやく外装リニューアルを終えました。
絵画的な壁画からファッション的な壁画へ。
壁画からウォールデザインへ。
という今後のビッグアートのすすむべき方向を形にしてみました。
ところが、これはまだ完成ではないのです。
これから、ウェルカム・オブジェを制作します。
今月末には完成の姿を見せられるかも知れません。

どうか、お楽しみに!

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ウェルカムオブジェが街に元気を!

ウェルカムオブジェ完成!


かすかべ壁画塾の存在意義って

2009-05-11 21:50:19 | 塾生募集
壁画スタッフを募集する時、人選にいつも頭を痛めます。
壁画制作ということで絵画科(油絵、日本画)の学生が多いのですが、アート作品として描くのならそれでもいいのですが、商業的な壁画は単に壁に絵を描くことではないのです。
アート作品としてではなく、その場の空間の意味を変えたり、空間価値を創造するのが商業壁画の目的です。
「空間演出デザイン」平たく言えば「雰囲気のデザイン」です。

絵画という手法は使いますが、完全にデザインの領域です。
現状の空間イメージや建物の表情から、めざす目標イメージに変身させるために「どんなコンセプト」で「どんなモチーフを使って」「どんなテーマ」で「どんなテイストの絵」を描くかということが一番重要なのです。

そういう意味では、デザインができて絵の描ける人が求められます。

ところが、その両方ができる人はなかなかいないのです。

10年前位までは美大の絵画科卒の人でもよかったのですが、最近までははグラフィックデザイン科やイラストレーション科卒の人が有利でした。
ある程度絵が描ければ、後は場数をこなしていくことで絵は必然的に上手くなっていきますから、むしろデザインのできる人が優位ということになります。
一方、絵画科出身の人はデザインに対して拒否反応を起こす人が多く、就職してからもデザインに苦痛を感じて辞めるケースがほとんどです。
以前のように壁画制作だけで受注が十分ある時は絵が描けるだけでよかったのですが、物件数が減り、その分仕事が高度化してきてオールマイティな人材が求められるようになり、制作以外に潰しが利かない絵画科出身は敬遠せざるを得なくなりました。
ところが、最近ではグラフィックデザイン科もイラストレーション科もデジタルになってしまい、手描きのできる人がほとんどいなくなってしまいました。
そういう意味では、最近の学校(美大もデザイン専門学校も)は、この仕事からはどんどんかけ離れていく感じがします。

そのため、今後の壁画(ウォールアート)の発展のためには、学校教育に依存せず独自のプログラムで教育・育成をしていく必要性を強く感じます。

特に、学校のように理想的な環境で絵を描く場面はまったくなく、壁の下地や使用する塗料、現場の劣悪な制作環境や厳しい納期、そして品質など、実践の現場では応用力と機転がもっとも必要とされます。
それは、教室では教えられず、常に厳しい現場に身を置くことが最高の教育環境だと考えます。
「現場こそ最高の先生」という理念で次代を背負う若者を育て、真のウォールアートを極め発展していきたいと強く思います。