http://blog.goo.ne.jp/visualbase/e/e5932ad593fb6cdec10ecb27812fb878に書いた「可視化を介在して,大量のデータの中から必要なデータを効率的に抽出し,情報化し,さらに知識に高める,それを大勢でやる」という,データの大規模性(多様性もある)と,協調的な処理に関連した研究は,可視化に限らず,多くの分野で行われています.90年代の後半から盛んになった,xxx情報学(xxx Informatics)の背景にも,データの大規模性に起因する問題や協調的処理による解決ということがあり,主要なテーマになっています.
一般的な話は,データマイニング(ビジュアルデータマイニング)に押し込めることができるのですが,方法や方法論は確立していて,さらには有効なのか?と問われると,私自身は,答えに窮してしまいます.適用する分野(領域)の壁があるというのが一つの理由です.一方,そのような壁を利用した,ドメインモデル(当該分野・領域に属する個々の人間の力を借りるというもの)が導入され,光が差し込んでいるという意見もあります.ただ,用いられる一般的なマイニング技術は,チューニング程度でドメインに対しても有効になるのか?と問われれば,それはわからないと答えてしまいそうです.
可視化に対してはどうでしょう.日本には,可視化情報学会というものがあるので(http://blog.goo.ne.jp/visualbase/e/f5f7c4c3563de4e620fda31d4fe0b1dc),早いうちから,可視化に情報という視点が持ち込まれています.しかし,大規模性や協調性について語られ始めるのは最近のことです.その現状は,一般論としての,並列・分散処理,マイニング技術,協調的な可視化環境の構築といったところに足の置き場があるようです.それらは必要不可欠なテーマではあるのですが.もう一歩踏み込みたいというのが私自身の考えです.(また,つづく).