川口はいいところよ・・  ようこそ新潟へ

新潟県中越地震震源地から今年で早や12年。そげ落ちた信濃川の河岸段丘の表土も自然の力で草木が戻りました。

介護(神様がくれた別れの時) 修行僧

2006-07-23 06:14:12 | ワブログから引っ越しました
また、修行の生活です。

探し物をしていたら、昨年「朝日新聞のひととき」欄に載せていた
だいた妻の投稿の切り抜きが出てきたので、内緒で転記しました。

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先日、父親の介護におわれる友人を励ますつもりでメールを送り、
10年前を思い出した。
私の母は、糖尿病、足先の壊死(えし)、失明、痴呆と進み、一般病
棟では看護は難しく、24時間付き添いが必要になった。きょうだ
い4人で手分けをして、半年付き添った。
仕事を終えて夕食の片づけをし、急いで長姉と交代して、一晩母の
ベッドの脇で過ごす。翌朝7時に兄と代わり、自宅に戻って急いで
シャワーを浴び、職場に急いだ日々。一気に白髪が増え、年を取っ
てしまった。
夜になると目が覚める母。よく病棟を2人で散歩した。母の手を握り
消灯された長い廊下を端から端まで、ゆっくりいったり来たり。
母は、高校生の私と町内を散歩しているつもりなのだ。母の目には、
町内のお店やお寺が見えている。
手を離さず、母の無邪気な顔を見つめたひととき。幼いころ厳しかっ
た母に、私はずいぶん反発した。あれほど素直に、母と一緒に過ごし
たことはなかった。
今思えば、母とのお別れの時を神様が与えてくださったのか。
またお盆がやってくる。中越地震でひっくり返った墓石は、お盆には
元に戻っているはず。父の大好きだったバナナと、母が大好きだった
実家の三軒隣にあるお店の三色まんじゅうをもって会いに行きます。
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