Ciao,マリィナです。今回は日本丸の総帆展帆・しょの2として、4/14にご紹介したしょの1の「帆」に引き続き「マスト」やその他の艤装についてレポートいたしますね。間が開いてしまいましたけれど、日本丸の総帆展帆・しょの1も併せてご覧いただくと良いかと思います。
船に関する全ての部分の説明はとてもできません。なので、第2回はマストとリギング、そのほか重要な道具に関してご説明します。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4c/05/6ff63eebd78be568ad3e6db6cb4abd9d.jpg)
◎日本丸
【マスト】
日本丸にはフォア、メイン、ミズン、ジガーの四本のマストがあります。帆船は後方からの風を受けて推進しますので、帆柱はやや後ろ側に傾いています。また、風は真後ろからまっすぐ吹くと言うよりも、海面から吹き上げるような方向に向きますので、斜め後ろに傾いたマストは帆が風をはらむのを最大限支援します。
帆は風を受けなければなりませんが、風圧をまっすぐ受けることよりも「風をいっぱい受けて『ふくらむ』」ことが一番重要ですので、それに合わせた工夫がいろいろと施されています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6e/80/ed75cfc754c143d9cb3e153729c47993.jpg)
◎ミズンマストとジガーマストの傾き
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/44/51/f4b128a2acd803e8a5659e8822d27a92.jpg)
◎右からフォア、メイン、ミズン、ジガーマスト。その後ろはかまぼこ(違
一番背の高いマストがメインマストで、その前後でフォアやミズンなどと名付けられます。
なお、クリッパーのようなフルリグドシップの5本マストの場合、呼び名は『フォア、メイン、「ミドル」、ミズン、ジガー』です。
マストが折れてしまうと帆船はもはや航行することができなくなりますので、大変頑丈に作られ、また甲板の上に乗せているのではなく、船の階層構造のもっとも下までしっかりと立てられています。
日本丸のマストは鋼鉄製ですのでものすごく重いです。そして、マストは背を高くするため二本の棒の組み合わせでできています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7a/ff/7949f60c2a13bfee20260e6d155d5867.jpg)
◎オレンジの下側のがロワートップマスト、てっぺんの黒いのがトップゲルンマスト
マストから横に伸びるのが帆桁です。帆に取り付けられたロープを帆桁にくくりつけることで風を受けることができます。
帆桁には呼び名が二種類ありまして、帆の上側をくくりつける桁が「ヤード」、下側をくくりつけるのが「ブーム」になります。
ジブの場合帆の下側にくくりつける見た目から言って「ジブブーム」となります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1b/f2/8a549bb8b861e90d36b49289a5c2f908.jpg)
◎上からロイヤル、アッパーゲルン、ロワーゲルン、アッパートップスル、ロワートップスル、ロワーの各ヤード。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/59/05/360f9f663ef747c4f6c783c5ac66c3d4.jpg)
◎ジガーマストのヤードは上からスパンカーガフ、スパンカーブーム
【リギング】
索具です。マストや帆に張られた数多くのロープですが、ロープの他に滑車も含みます。
索具には大きく分けてふたつあります。
1・マストや帆を固定するための「静索」
2・帆の向きを変えたりするための「動索」
・ステイとシュラウド
静索のなかでもマストを固定するために前、または後ろにぐっと強く張ったものがいわゆる「ステイ」です。ステイスルはステイに張るセイル(帆)のことですね。メインマストを固定するメインステイに張った三角帆が「メインステイスル」です。
また、船の横側からマストを支えるリギングが「シュラウド」です。複数張ってあり、そこにハシゴになるようにラットラインというロープを渡してあったりします。マストに昇るときにはこの部分を使います。
上のジガーマストの写真をご覧下さい。縄ばしごのようになって船体側面に固定されているのがシュラウドで、マストの前後にぴんと張られているのがステイです。ミズンステイスルも張られていますね。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/71/0b/57062e65214b0651cb8fb454ec556da6.jpg)
◎ミズンマストの左舷。完全固定されたシュラウドと、ビレイビング・ピンに巻き付けられたミズンマスト、ミズンステイスル、スパンカー関連のリギング
・ビレイング・ピン
動索は風向きや風速に応じて調整が必要です。そのため、リギングは完全固定ではなく、ロープの先をピンのような部分に巻き付けています。それぞれ名前があります。ここではスパンカーとガフトップスルのリギングを巻き付けるピンをご紹介します。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/76/79/f93e3876c74fd48a0e5a98f84f31dcef.jpg)
◎左上:スパンカー・ブレール、左下:ガフトップスル・ハリヤード、右上:スパンカー・ハリヤード、右下:ガフトップスル・シート
【バウスプリット】
舳先に取り付けられた桁で、マストに分類してもいいのですけれど、あえてわけました。フォアマストを固定するステイ、フォアステイが張られます。船首像が取り付けられるのはバウスプリットの下側になります。
さらにバウスプリットにヤードを付けて張る横帆がスプリットスルです。ガレオンなど大型の船にはよくスプリットスルが張られますよね。すぐに廃れたらしいですけれど、見た目が派手なのでDOLのオープニング映像の中でも登場していますし、大航海時代の帆船というと、スプリットスルは思い浮かぶんじゃないでしょうか。
なお、バウスプリットを延長する桁(ブーム)がジブブームです。下のクリッパーのグラフィックをご覧いただくと解るかと思います。
ジブスルを何枚も張るときにはこれを使います。
さて、このジブブーム。バウスプリットを同じ方向に延長しますので、これは単にロープなどでぐるぐるまきにするだけでは、ジブスルが強い風などを受けたときに簡単に引っ張られて外れてしまいます。なので、これらの補強を図るため下側にステイを張ってつよくひっぱっています。
よく見ると斜め下に棒が突き出ているのが見えますよね。この支柱はバウスプリットから伸びており、ジブブームのステイを張る支点になっています。これをドルフィンストライカーといいます。遊び好きなイルカがジャンプしたときにぶつかるからその名が付いたと言われています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6c/e8/d1e582ea850f8442f75857f789ad3e6b.jpg)
◎クリッパーのバウスプリット・ジブブーム・ドルフィンストライカー
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/12/e1/bd9e376ea5d14d8ca07ca5529d700a73.jpg)
◎日本丸のバウスプリットとドルフィンストライカー
【羅針盤】
船が揺れても水平を保つような仕組みの中に設置されています。アストロラーベみたいな感じでしょうか。オイルの中に浮かせて高い波の中でも揺れにくくしたり、天井から紐でつり下げたりして正確な方位を読み取ろうとしたりもしています。
いずれにしても目印となるものが全くない洋上では、羅針盤は航海必須の道具ですね。大陸があるかどうかとか、インドにたどり着けるかどうかと言う「手探り」は必要でしょうけれど、方角がわからないという「進むべき方向の手探り」は無駄ですものね。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3e/42/9da508971dd970081f40769c939d6e6e.jpg)
◎羅針盤
【六分儀】
測量器具として超重要な器具です。六分儀の他、四分儀や八分儀などがあります。八分儀が1731年、八分儀の改良を経て六分儀が1757年に実用化されています。
六分儀はこれらの完成形といって良いでしょう。18世紀の中頃に実用化されました。18世紀の中頃というと、もはや大航海時代ではありません。航路開拓と大陸探検ではなく、その運用と安全に技術を集中している時代といえるでしょう。
さて、六分儀は「弧」「鏡」「望遠鏡」の組み合わせでできています。DOLのアイテムグラフィックでは望遠鏡が見づらいですけれど、背負ってみると解りますねw
これは、太陽の光を鏡に反射させ、水平線に対してどのくらい角度があるかを測る道具です。南に行くほど太陽の高度は高くなりますので、その角度によって現在の緯度を測定することができます。
こうした測量の道具が全くない時代には、現地の状況に詳しい船乗りを雇うなどして探検していました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/72/c4/99af9cbdf6482fbf45ce11bc40bdd101.jpg)
◎六分儀
「ある時間、ある場所における太陽の、水平線からの高さ」が高精度で求められる六分儀ですけれど、「ある時間」が一体何時か? わかるには「時計」が必要です。
そして、洋上での船の大きな揺れのなかでも正確に時間が分かる「クロノメーター」という特殊な時計の登場を待たねばなりません。さらにこのことは、六分儀によって高さ(緯度)は測れるけれど、横位置つまり経度はどうやったら正確に測れるか、に対する答えとなりました。
つまりもし穀物海岸沖辺りからプライベートファームに行くとしたら、ほとんど南北の移動はしませんよね。東西の移動は六分儀では測れませんから、船の速度と移動距離と時間によって測るしかありません。時計がなきゃだめなんです。
時計自体はガリレオの発見した「振り子の等時性」という物理法則を応用し、ホイヘンスによって発明されましたけれど、これは波があって揺れる洋上ではちゃんと振り子が振れないので使えません。そんな振り子時計で洋上でも時を測れる時計「クロノメーター」が登場したのは1735年のことと言いますから、八分儀の発明とほぼ時を同じくしているのですね。
これらの道具の要請の背後には、航海者達の冒険心だけではない安全と危難、そして深刻な事故が横たわっていることを忘れてはならないでしょう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/44/b4/26235aa6158bd14bff26b2f032fbe879.jpg)
◎時計。赤い部分(15分、45分からそれぞれ3分ずつ)はこの時間、緊急時以外の無線通信を行わない「沈黙時間」(ぶれちゃってます…)
六分儀については面白いお話がありますので、ろくぶんぎ座のご紹介のときに詳しく解説したいと思います。
【おわりに】
いかがでしたか? DOLではおなじみカモ知れませんけれど、改めて細かくみていくとほんとに技術のカタマリですよね。船体に関しては全くふれておりませんけれど、帆とかマストとかに目を奪われていたのがありありと解るレポートになりましたw
来年までゲームを続けていたら長崎の帆船祭りの模様をお送りすることができるかも知れませんねー。
さて、来週はまた星の話題に戻るつもりです。ご紹介していない星座を探す旅にでなくてはー。
研究編はちょっと暗礁に乗り上げているかんじです(説明しなきゃいけないことが多すぎるので…)けれど、なんとかまとめたいと思っております。
また、ちょっと思いついたことがありますので、時間をみて試してみたいと思っています。ていうかこの頃上がってないので遊ばないと…(汗
次回のエントリもお楽しみにー。
でわ~☆
船に関する全ての部分の説明はとてもできません。なので、第2回はマストとリギング、そのほか重要な道具に関してご説明します。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4c/05/6ff63eebd78be568ad3e6db6cb4abd9d.jpg)
◎日本丸
【マスト】
日本丸にはフォア、メイン、ミズン、ジガーの四本のマストがあります。帆船は後方からの風を受けて推進しますので、帆柱はやや後ろ側に傾いています。また、風は真後ろからまっすぐ吹くと言うよりも、海面から吹き上げるような方向に向きますので、斜め後ろに傾いたマストは帆が風をはらむのを最大限支援します。
帆は風を受けなければなりませんが、風圧をまっすぐ受けることよりも「風をいっぱい受けて『ふくらむ』」ことが一番重要ですので、それに合わせた工夫がいろいろと施されています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6e/80/ed75cfc754c143d9cb3e153729c47993.jpg)
◎ミズンマストとジガーマストの傾き
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/44/51/f4b128a2acd803e8a5659e8822d27a92.jpg)
◎右からフォア、メイン、ミズン、ジガーマスト。その後ろはかまぼこ(違
一番背の高いマストがメインマストで、その前後でフォアやミズンなどと名付けられます。
なお、クリッパーのようなフルリグドシップの5本マストの場合、呼び名は『フォア、メイン、「ミドル」、ミズン、ジガー』です。
マストが折れてしまうと帆船はもはや航行することができなくなりますので、大変頑丈に作られ、また甲板の上に乗せているのではなく、船の階層構造のもっとも下までしっかりと立てられています。
日本丸のマストは鋼鉄製ですのでものすごく重いです。そして、マストは背を高くするため二本の棒の組み合わせでできています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7a/ff/7949f60c2a13bfee20260e6d155d5867.jpg)
◎オレンジの下側のがロワートップマスト、てっぺんの黒いのがトップゲルンマスト
マストから横に伸びるのが帆桁です。帆に取り付けられたロープを帆桁にくくりつけることで風を受けることができます。
帆桁には呼び名が二種類ありまして、帆の上側をくくりつける桁が「ヤード」、下側をくくりつけるのが「ブーム」になります。
ジブの場合帆の下側にくくりつける見た目から言って「ジブブーム」となります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1b/f2/8a549bb8b861e90d36b49289a5c2f908.jpg)
◎上からロイヤル、アッパーゲルン、ロワーゲルン、アッパートップスル、ロワートップスル、ロワーの各ヤード。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/59/05/360f9f663ef747c4f6c783c5ac66c3d4.jpg)
◎ジガーマストのヤードは上からスパンカーガフ、スパンカーブーム
【リギング】
索具です。マストや帆に張られた数多くのロープですが、ロープの他に滑車も含みます。
索具には大きく分けてふたつあります。
1・マストや帆を固定するための「静索」
2・帆の向きを変えたりするための「動索」
・ステイとシュラウド
静索のなかでもマストを固定するために前、または後ろにぐっと強く張ったものがいわゆる「ステイ」です。ステイスルはステイに張るセイル(帆)のことですね。メインマストを固定するメインステイに張った三角帆が「メインステイスル」です。
また、船の横側からマストを支えるリギングが「シュラウド」です。複数張ってあり、そこにハシゴになるようにラットラインというロープを渡してあったりします。マストに昇るときにはこの部分を使います。
上のジガーマストの写真をご覧下さい。縄ばしごのようになって船体側面に固定されているのがシュラウドで、マストの前後にぴんと張られているのがステイです。ミズンステイスルも張られていますね。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/71/0b/57062e65214b0651cb8fb454ec556da6.jpg)
◎ミズンマストの左舷。完全固定されたシュラウドと、ビレイビング・ピンに巻き付けられたミズンマスト、ミズンステイスル、スパンカー関連のリギング
・ビレイング・ピン
動索は風向きや風速に応じて調整が必要です。そのため、リギングは完全固定ではなく、ロープの先をピンのような部分に巻き付けています。それぞれ名前があります。ここではスパンカーとガフトップスルのリギングを巻き付けるピンをご紹介します。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/76/79/f93e3876c74fd48a0e5a98f84f31dcef.jpg)
◎左上:スパンカー・ブレール、左下:ガフトップスル・ハリヤード、右上:スパンカー・ハリヤード、右下:ガフトップスル・シート
【バウスプリット】
舳先に取り付けられた桁で、マストに分類してもいいのですけれど、あえてわけました。フォアマストを固定するステイ、フォアステイが張られます。船首像が取り付けられるのはバウスプリットの下側になります。
さらにバウスプリットにヤードを付けて張る横帆がスプリットスルです。ガレオンなど大型の船にはよくスプリットスルが張られますよね。すぐに廃れたらしいですけれど、見た目が派手なのでDOLのオープニング映像の中でも登場していますし、大航海時代の帆船というと、スプリットスルは思い浮かぶんじゃないでしょうか。
なお、バウスプリットを延長する桁(ブーム)がジブブームです。下のクリッパーのグラフィックをご覧いただくと解るかと思います。
ジブスルを何枚も張るときにはこれを使います。
さて、このジブブーム。バウスプリットを同じ方向に延長しますので、これは単にロープなどでぐるぐるまきにするだけでは、ジブスルが強い風などを受けたときに簡単に引っ張られて外れてしまいます。なので、これらの補強を図るため下側にステイを張ってつよくひっぱっています。
よく見ると斜め下に棒が突き出ているのが見えますよね。この支柱はバウスプリットから伸びており、ジブブームのステイを張る支点になっています。これをドルフィンストライカーといいます。遊び好きなイルカがジャンプしたときにぶつかるからその名が付いたと言われています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6c/e8/d1e582ea850f8442f75857f789ad3e6b.jpg)
◎クリッパーのバウスプリット・ジブブーム・ドルフィンストライカー
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/12/e1/bd9e376ea5d14d8ca07ca5529d700a73.jpg)
◎日本丸のバウスプリットとドルフィンストライカー
【羅針盤】
船が揺れても水平を保つような仕組みの中に設置されています。アストロラーベみたいな感じでしょうか。オイルの中に浮かせて高い波の中でも揺れにくくしたり、天井から紐でつり下げたりして正確な方位を読み取ろうとしたりもしています。
いずれにしても目印となるものが全くない洋上では、羅針盤は航海必須の道具ですね。大陸があるかどうかとか、インドにたどり着けるかどうかと言う「手探り」は必要でしょうけれど、方角がわからないという「進むべき方向の手探り」は無駄ですものね。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3e/42/9da508971dd970081f40769c939d6e6e.jpg)
◎羅針盤
【六分儀】
測量器具として超重要な器具です。六分儀の他、四分儀や八分儀などがあります。八分儀が1731年、八分儀の改良を経て六分儀が1757年に実用化されています。
六分儀はこれらの完成形といって良いでしょう。18世紀の中頃に実用化されました。18世紀の中頃というと、もはや大航海時代ではありません。航路開拓と大陸探検ではなく、その運用と安全に技術を集中している時代といえるでしょう。
さて、六分儀は「弧」「鏡」「望遠鏡」の組み合わせでできています。DOLのアイテムグラフィックでは望遠鏡が見づらいですけれど、背負ってみると解りますねw
これは、太陽の光を鏡に反射させ、水平線に対してどのくらい角度があるかを測る道具です。南に行くほど太陽の高度は高くなりますので、その角度によって現在の緯度を測定することができます。
こうした測量の道具が全くない時代には、現地の状況に詳しい船乗りを雇うなどして探検していました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/72/c4/99af9cbdf6482fbf45ce11bc40bdd101.jpg)
◎六分儀
「ある時間、ある場所における太陽の、水平線からの高さ」が高精度で求められる六分儀ですけれど、「ある時間」が一体何時か? わかるには「時計」が必要です。
そして、洋上での船の大きな揺れのなかでも正確に時間が分かる「クロノメーター」という特殊な時計の登場を待たねばなりません。さらにこのことは、六分儀によって高さ(緯度)は測れるけれど、横位置つまり経度はどうやったら正確に測れるか、に対する答えとなりました。
つまりもし穀物海岸沖辺りからプライベートファームに行くとしたら、ほとんど南北の移動はしませんよね。東西の移動は六分儀では測れませんから、船の速度と移動距離と時間によって測るしかありません。時計がなきゃだめなんです。
時計自体はガリレオの発見した「振り子の等時性」という物理法則を応用し、ホイヘンスによって発明されましたけれど、これは波があって揺れる洋上ではちゃんと振り子が振れないので使えません。そんな振り子時計で洋上でも時を測れる時計「クロノメーター」が登場したのは1735年のことと言いますから、八分儀の発明とほぼ時を同じくしているのですね。
これらの道具の要請の背後には、航海者達の冒険心だけではない安全と危難、そして深刻な事故が横たわっていることを忘れてはならないでしょう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/44/b4/26235aa6158bd14bff26b2f032fbe879.jpg)
◎時計。赤い部分(15分、45分からそれぞれ3分ずつ)はこの時間、緊急時以外の無線通信を行わない「沈黙時間」(ぶれちゃってます…)
六分儀については面白いお話がありますので、ろくぶんぎ座のご紹介のときに詳しく解説したいと思います。
【おわりに】
いかがでしたか? DOLではおなじみカモ知れませんけれど、改めて細かくみていくとほんとに技術のカタマリですよね。船体に関しては全くふれておりませんけれど、帆とかマストとかに目を奪われていたのがありありと解るレポートになりましたw
来年までゲームを続けていたら長崎の帆船祭りの模様をお送りすることができるかも知れませんねー。
さて、来週はまた星の話題に戻るつもりです。ご紹介していない星座を探す旅にでなくてはー。
研究編はちょっと暗礁に乗り上げているかんじです(説明しなきゃいけないことが多すぎるので…)けれど、なんとかまとめたいと思っております。
また、ちょっと思いついたことがありますので、時間をみて試してみたいと思っています。ていうかこの頃上がってないので遊ばないと…(汗
次回のエントリもお楽しみにー。
でわ~☆