大航海時代初心者日記。→大航海星空日記。

マリィナ=ファリエル@NOTOS のんびりだらだら――のんだら系。

正義と悪の釣合い…初夏・てんびん座(MDSS6)

2008-09-30 20:41:05 | 星のこと・MDSS
Ciao,マリィナです。DOLの全天走査計画MDSS(マリィナ・デジタル・スカイ・サーベイ)。本日はてんびん座をご紹介します。あんまりいいスクリーンショットをとれませんでしたねー…この頃航海中に雲が多くてなかなかいいのが撮影できません。こまったー。
 ところで、これを読んでくださっている皆様の黄道十二星座はもうでましたでしょうか。おひつじ、おうし、てんびん、さそり、いて、うおが登場していますね。後半分もあるじゃん…w
 さて、気を取り直してご紹介です。まずはいつもの通り星空のスクリーンショットをご覧下さいませ。



◎さそり座の上りはじめにてんびん座がみごろとなるDOLの星空

◆へび座(頭部)(Serpens Caput)
 へび座は頭部と尾部で一つの星座を構成します。元はへびつかい座で一つでしたが、プトレマイオス(トレミー)によって分割されました。

◆へびつかい座(Ophiuchus)
 画面のズーム効果で引き延ばされていますけれど、へびつかい座です。画面の中心を本来の大きさとしていますので、天秤座もさそり座に比べますとだいぶ大きくなっているのが分かります。
 なので、比率をこの画面で比べないようにお気を付け下さい。

 頭部、尾部として分かれているへび座は、昔はこのへびつかい座と一緒でした。一緒にしますと、面積では全天最大になります。大きい上に暗い星ばかりで、夜空ではよく分かりません…。さそり座の隣と覚えておけばなんとなく多角形の星の並びで分かるかも知れません。

 そういえば十三星座占いってありましたが、話半分というかなんというか…廃れちゃいましたね。

◆へび座(尾部)(Serpens Cauda)
 頭部も尾部もへびつかい座が大きすぎてほとんど隠れています。へびつかい座のとなりにヘルクレス座もありますので、いいアングルで撮影して公開したいなーと。

◆てんびん座(Libra)天秤宮
 暗い星が多いこともそうですが…何というか、まず形が微妙です。なんだかわかりにくいんですよねー。さそり座があまりに特徴的すぎるからかも知れませんけれど。さそりの上にあると覚えておけば、リアルの星空で見られるとおもいます。
 アラビア語で北の爪(ズベン・エル・ゲヌビ/ズベネルゲヌビ)、南の爪(ズベン・エル・カマリ/ズベネルケマリ)という星がありまして、これは以前MDSS5でも説明したとおりです。

 ちなみにこの星座はギリシャ神話の正義の女神アストレア(おとめ座)が持っている、正義を測る天秤だというお話があります。

◆さそり座(Scorpius)天蠍宮
 さそり座は形が特徴的な上に明るい星が多く、日本でもさそりではなくいろいろな和名が付けられました。
 かごかき星
 鯛釣り星
 相撲取り
 などなど。さそりのS字を釣り糸と釣り針に見立てるのはその通りだなぁって思いますね。
 一等星はアンタレス(Antares)です。

◆おおかみ座(Lupus)
◆ケンタウルス座(Centaurus)
 おおかみ座もそうですけれど、なぜかこの星座、よく紹介に出ますね…(笑)意識しているわけではないのですけれど。
 みなみじゅうじ座を取り囲むように星座が配置されていますので、その隣にあるやたらに明るい二つの星とその周辺がこの星座を特徴付けています。
 宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』にはケンタウル祭というのがあって、このケンタウルスから付けられているのでしょうか。いて座もケンタウルスですよね。

 一等星はアルファ・ケンタウリ(αCentauri)。その周りを回るプロキシマ・ケンタウリは太陽から最も近い恒星です。
 この星は足という意味の「リゲル」といい、リギル・ケンタウルスという固有名詞がついています。リゲルと言えばオリオン座の明るく青白い星が有名ですね。

◆うみへび座(Hydra)
 てんびん座のそばに尻尾の先の星がありますが、頭はどこかというと…何とかに座のそばにあります。かに座は冬の終わりから早春にかけての星座ですので、てんびん座やさそり座などの夏の星座の付近にまで達している長大な星座です。長すぎるーー。
 ゆえに全天一大きな星座になっています。

 どのくらい大きいかというと…

 春に上り始めたうみへび座の頭を、毎日同じ時間に見るとします。すると、一日ずつうみへびの頭が西に移動していきますが、頭の先から尻尾の先までおなじ時間に見られるようになるには100日、3ヶ月以上かかります(全長約100度)。東西に長ーくのびた星座なのです。
 MDSSでは、うみへび座の全ての部分をとりあえず見られるよう、全力を尽くしたいと思います(おおげさ)。

◆みなみじゅうじ座(Crux)
 へびつかい座と同様に画面端にありますので、かなり引き延ばされていますね。
 みなみじゅうじ座はどちらかといえば南半球の星座ですので固有名詞はありません。けれど、一応、みなみじゅうじのα星ということで「アクルックス」などの名前が付けられてはいます。
 とにかく形が目立ちますので、大航海時代では方角を知るのに用いられたといいます。何カ国かの国旗にも使用されていますね。

◇黄道(Ecliptic)
 いて座の方向に銀河系の中心があることはMDSS4で解説しています。南を向いて撮影しましたので、このあたりは非常に濃い天の川が横断しています。
 けれど、横に伸びる天の川に対して、太陽の通り道は垂直に近いような軌跡を描いております。
 この傾きの謎については研究編で解明します。

 今回の記事もさそり座やケンタウルス座が見えていて、以前のMDSSの記事と代わり映えしていませんけれど…ごめんなさい。
 ヘルクレス座撮ったーーと思ったら、雲が意外に濃くてダメダメでしたので…。北斗七星のお話かこっかなーなどとおもっています。

 しし座なども綺麗にとれたのがあるので、後々公開いたします。スクリーンショットのジャンクがたまっちゃって整理ついてないです。どーにもこのごろ眠くて…w 黄道十二星座でまだご紹介できていないのもありますし、鋭意調査を進めておりますので来週もお楽しみに。

 でわ~☆

晩秋殺風ペルセウス(MDSS5)/ヴェネ建国三周年記念

2008-09-23 20:48:26 | 星のこと・MDSS
Ciao,マリィナです。どうやら毎週火曜日アップのDOL全天走査計画MDSS(マリィナ・デジタル・スカイ・サーベイ)のエントリがやって参りました。今日は日曜日に参加したイベント、ヴェネツィア建国三周年記念祭のお話も書いてみました。
 と、今日は秋分の日ですね。赤道上に太陽が丁度来る秋分は、先日からのエントリMDSS研究編2-1MDSS研究編2-2で解説しています。タイムリーでしたねー(考えてなかったけれど)。

 さて、今日の話題は晩秋の星座ペルセウスを中心にお話します。ペルセウス座は流星群とか神話・伝説で非常に有名ですけれど、星座それ自体の形を知っている人はそう多くないかと思います。私も全体像を夜空で見たことはありません。

 DOLの中では比較的特徴がありますので、星座の形は分からなくても場所がわかりやすく観察しやすい星座になっています。
 ほかにも黄道十二星座がしっかりと見えますので、有名な星座がこの辺りには多いです。
 それでは夜空のスクリーンショットをご覧下さいませ。



◎晩秋の夜空はペルセウス神話の宝庫

◆ペルセウス座(Perseus)
 『マリィナ・デジタル・スカイ・サーベイ1、おうし座を中心に』でも簡単に解説してあります。
 ペルセウスといえばギリシャ神話の英雄です。ギリシャ神話に言う「エチオピア」のカシオペア王妃の舌禍によって、くじらの生け贄とされてしまったアンドロメダ王女を救いだし、結婚したひとですね。
 この辺りにはケフェウス座(エチオピア王)、カシオペア座(エチオピア王妃)、アンドロメダ座(エチオピア王女)、くじら座(生け贄のアンドロメダを食べようとした怪物)、ペガスス座(ペルセウスのまたがる天馬)があって、英雄ペルセウスに関する星座がひしめいています。

 この星座はちょうど天の川の通っているところなので、星雲や星団も多いことで知られます。

 ペルセウスの左手元に輝くアルゴル(Algol)は、退治した怪物メドゥサの首に当たります。「悪魔」と言う意味を持つ星です。この後簡単に解説しますが、明るさをかえる「変光星」です。

 ペルセウス座の線のたどり方はちょっと難しいですけれど、どの辺りにあるのかは簡単に分かります。おうし座のすばる、つまりプレアデス星団が輝いていルのを見つけたら、その西北をご覧下さい。
 するとひとかたまりの明るい星の集団が見えると思います。これはペルセウスの右腹の辺りになります。
 プレアデス星団とカシオペア座の間にあるのがペルセウス座ですので、場所は案外つかみやすいです。

 ちなみにこのメドゥサという髪の毛が蛇になった女性ですが…。
 蛇は水と関係の深い動物で、しばしば水を守護する神聖さを併せ持ちます。
 宗教によってはそういった神性よりも退治すべき悪魔のような存在として扱われています。例えばイスタンブールの地下宮殿(貯水池)の柱には、基部の所に逆さや横になったメドゥサの首が彫り込まれています。水を守護する存在でありながら、そこから出てこないようにしているかのような扱いですよね。

 夏の話題になる『ペルセウス座流星群』については、また研究編などで書いてみたいと思います。

◆アンドロメダ座(Andromeda)
 この図では左足しか見えていません。
 古代エチオピアの大変美しい王女です。このことで母親であるカシオペアがあまり我が娘の自慢をしすぎ、神の怒りをかって生け贄にされてしまいます。
 ペルセウスはメドゥサの首を持ち帰る途中だったのですが、偶然この様子を見つけてクジラを手に持ったメドゥサの首で石にし、倒してしまいました。
 偶然というところがはかないですけれど…(笑)

 エチオピアといっていますが、古代ギリシャ世界ではアフリカ全体がエチオピアらしいです。
 ちなみにDOLでは以前『プレステ・ジョアンの国を探せ!』と言うイベントがありました。プレステ・ジョアンとは、1200年代にひろまった伝説の東方キリスト教国の名前ですが、こちらの国もエチオピアにあるという風説がありました(実際にはやっぱり存在しません)。

◆さんかく座(Triangulum)
 秋は星の数自体がそれほど多くなく、澄んだ暗い星空でもそんなにひしめくといったほどに星がないので、個々の星座がわりあい目立ちます。
 さんかく座はそういった星座の一つでしょう。かわいらしい三角形は、明るい星がなくてもかたちが目立ちます。他にいくらでも形作れるはずの三角ですが、面白いですね。
 みなみのさんかく座に比べて星の少ないところで輝く三角形はわかりやすくてよいです。

◆おひつじ座(白羊宮)(Aries)
 テュフォンに襲われたときにゼウスが変えた姿と言われています。あるいはアルゴ号の最大の目的である金毛の羊ともいわれています。
 への字の反対と言えばいいような形ですけれど、東から上るときはそれが縦になっていますね。これといって特徴的でもないのでわかりにくいかも。ただ、プレアデス星団(すばる)がありますので、その上にあると覚えておけばわりと見つけやすいはずです。
 一等星はハマル(Hamal)です。

 ちなみに白羊宮は占星術の上では重要な星座です。春分のころ、3/21から4/20の誕生日のかたがこのおひつじ座です。でも見えるのは晩秋から冬にかけてです。なぜこんな風にずれるのか…この謎はまた研究編で解説したいと思います。

◆うお座(双魚宮)(Pisces)
 肝心の魚の部分が見えてませんけれど(笑)うお座です。全体像が見えたら改めてアップします。
 うお座、やぎ座、おひつじ座はテュフォンに襲われたときの神々の逃げる姿と言われていますね。
 空を見上げるとわかりやすいV字になっていますが、話題はそれほどありません。

◆くじら座(Cetus)
 これといって明るい星に恵まれてはいませんし、有名な神話に登場するわりにはみるのがちょっとむずかしい星座です。
 特徴は頭の五角形ですね。あと、一つ後ろのひれのあたりにあるちょっと明るい星(これもデネブです)でなんとか解るかも。うお座などを手がかりに見つけられそうですね。
 くじらのお腹の辺りの星にBaten Kaitos(バテン・カイトス)というのがあります。ゲームタイトルではありませんw

 くじら座にはミラ(不思議(Mira))という星があります。ミラージュのミラですね。これは、明るさを変える「変光星」です。常にそこにあり、不変のものであるはずの「恒星」が、明るさを変える現象を見せることから、キリスト教に影響を与えています。
 変光星については下の別枠で解説していますので、そちらもご覧下さい。

◆変光星について
 今回くじら座のミラとペルセウス座のアルゴルを解説しましたので、二つの変光星の違いを説明します。
 変光星とは読んだままです。明るさが変化する星です。変光のしかたにもいくつか種類があるのですけれど、この二つは特にわかりやすいです。
 用語を出すだけでなんとなくぴんと来るかと思いますが…。


◎くじら座のミラは脈動することで明るさを変える(ふくらみの比率はイメージ)

 くじら座ミラ…「脈動変光星」です。
 これは星自体が心臓の鼓動のようにふくらんだり縮まったりして、全体の光の量が変わることで明るさが変わる星です。これは星のサイズが大きく(最大時はなんと太陽の約400倍の直径)、そしてかなり老齢の星であることからきているらしいです。
 デモン座のα星みたいなものですね。
 変光星が発見されたのは、じつはこのミラがはじまりです。おそらくその年の大きなニュースのなかでも別格の重大性を持って伝わったとおもいます(宗教的に)。


◎ペルセウス座のアルゴルは二つの星が引きあって食をおこす

 ペルセウス座アルゴル…「食変光星」です。
 これは互いに引き合う二つ星があることが条件になります。地球から見て二つの星が横並びのときがもっとも明るいです。地球から見て二つの星が縦並びになると、一個の星が後ろに回ってしまい、一個分の星の明るさしかこなくなりますので暗くなります。見ている先の星が日食のように隠し合っているのが特徴の変光星です。

 いかがでしたか? 秋の空はちょっと寂しいですけれど、それでも神話に結びついた壮大な星座がたくさんありますので、さがしてみると結構感動します。

 次回は北斗七星の話題をしよう…と思うのですが、意外とまとまりに欠ける記事ですので再考しています。ヘルクレス座をやっと発見したのでそれをアップしようかとも思っておりますので、次回ご期待下さいませ。

 と、私はちゃんとゲームしてますよー。星空ばっかり見てますが、ぷかぷか浮いてずーっと見ているわけではありません。交易しながら見ているので、季節を選んだり快晴をまってスクリーンショットを撮影することがなかなかできませんけれど。
 そんなこんなで火曜日を気長にお待ち下さいませ。

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【ちょっと出来事…ユーザーイベント『Notosヴェネツィア建国三周年記念祭』】
 日曜日にジェノヴァで開催された『Notosヴェネツィア建国三周年記念祭』に参加してきました。
 公式ページのBBSで告知されていましたのでかろうじて知りましたが、BBSをご覧になっていない方もいらっしゃるかもしれませんね。とっても楽しいお祭りでした。

 ヴェネツィア共和国の年中行事である『海との結婚』。
 大安売りのバザー。
 みんながかしましくシャウトでワイワイと遊ぶクイズとビンゴの催しがありました。
 参加者は全部で150人を超えていたようです(検索見てないので正確な人数は解りません)。久し振りの大きなユーザーイベントになりましたねー。

 海との結婚(Lo Sposalizio del Mare)というのは、海洋都市国家ヴェネツィア共和国の重要な年中行事です。アドリア湾で、時の総督が海に金の指輪を投げ入れ、共和国の礎ともいっていい海と結婚を宣言することにより、長久の支配を祈念するという行事です。Sposalizioは結婚というよりかは堅苦しく「婚礼」といった方がしっくり来るような。

 私はクイズ大会で二問正解(いぇい)。ヴェネツィアやその周辺に関係する問題が出されました。みんなネタの解答に走ってしまって笑いながら様子を見ていました。みんな面白すぎです(っていうか私におもしろみがない…)。
 ビンゴではまったく当たりませんでした。副官のレベル一カ所につき一つの番号をもらえ(20レベルが二つなら一回の番号で一つ分)、数字がそろうのを待ちました。
 副官が二人いるので番号は幅広いはずなのですが…オーナーが50,60レベルを要求するんです。がんばりますからそんな数字ばっかり出さないでくださいw

 そんなこんなで二つ番号が出るだけでちっとも数字が出ませんでした(笑)

 クイズ大会の賞品に『瀕死のガリア人オーナメント』と『聖者の錫杖』をもらいました。おおーー。オーナメントは早速飾り、錫杖はばりばり使っております。

 ユーザーイベントは企画そのものもさることながら、集客の宣伝に力が入っていないとなかなかむずかしいです。
 で、今のユーザーイベントは司会さんのカリスマ性というか、人気というか、とにかく「あの人だったらいくかぁ」みたいなところが集客の大きな面になっています。
 もちろんそれは大事なんですけれど、三年がたった今、情報をばらまける範囲というか伝わる広さがものすごく狭まった気がしています。はっきりいっちゃうと内輪っぽくなっちゃう。それは横のつながりがあまり強くないからだと思うんですけれど、ちょっと寂しい気がします。
 とはいえ、ユーザーイベントのおもしろさを知った人こそがたくさん集まるわけですし、その中で一杯たのしめたらその日のイベントは大成功かなぁって思います。

 ユーザーイベントを知らない人にも参加して欲しいとは思いますけれど、商会長さんなどの協力も絶対必要だと思いますし、そのあたりはやはり情報の発信力と、その保持力を高めることが必要なのかなって思います。
 いっぺん宣伝しただけでは伝わる力も弱いですが、何度も水面を叩けば波紋がいつまでもうねるように、繰り返し宣伝してその力を保つのも大事だなって思いました。

 アフターレポートのおもしろさも重要ですけれど…><)ノ お祭に夢中でなにも写真撮ってないし…(笑)

 と言うことで来週もお楽しみにー(ばっさりと)

 でわ~☆

太陽の軌跡…地球の傾きを踏まえて(MDSS研究編2-2)

2008-09-16 20:25:26 | 星のこと・MDSS研究編
Ciao,マリィナです。今日は前回エントリの続きから、DOLでも表示される太陽の軌跡について、もう少し現実世界のお話をしてみようと思います。
 前回は次のことが解りました。

・地球の丸みのせいで、居場所によって星が見えたり見えなかったりすること。ケープのあたりから北極星は地面にじゃまされて見えない
・地球は丸いので、南半球で地面に立っていると宇宙からみた場合逆立ちしているように頭が下になるため、北半球の星座が逆さまに見える
・北半球と南半球で太陽の通る道筋が南寄り、北寄りになる

 今日はもう少し踏み込んで、太陽の軌跡が地球の公転の影響でいったいどうなるのかを詳しくみてみようと思います。そして、季節と公転の関係を洗えたら、と思っています。さらにおまけとして白夜についてもちょっとだけ書いています。

◆太陽の軌跡・2 太陽の軌跡と公転の影響
 お話は前回よりもう少し難しくなりますが…こちらの図をご覧下さい。


◎赤道=太陽の軌跡の場合。

 太陽と地球が完全に相対していたら、当然太陽は一年中赤道上を通過します。赤道にいれば真東から上って真上を経由して真西に沈むコースです。
 でも実際の地球と太陽はそうなっていません。なぜでしょうか。

 それは、地球の回転軸はちょっと斜めになっているからです。この回転軸を地軸といいます。約23度かたむいています。
 傾くとどうなるでしょうか。
 地球が太陽の周囲を公転するときにとる位置を見てみましょう。一年をかけて回っていますから微妙な変化ですけれど、太陽が地球に対してまっすぐ相対する4つのパターンがあります。



 いかがでしょうか。必ずしも赤道の上だけを太陽は移動していません。赤道にぴったりはまるのは、この図で言うと手前側と裏側、一年にたった二度だけとなりますね。
 このように太陽の軌跡は、地球の傾きのせいで、赤道を挟んで北よりから南よりまでの範囲を一年かけて波打つんですね。これは地軸が傾いているからこそ起こる変化ですよね。これにより、地域によって日照に変化が起こることになるのです。

 この四つのパターンを日本では(というより私たちが)非常によく知っている単語で説明できます。



 おおー(なに

 地軸の傾きの分だけ角度的に太陽に近づいたり遠ざかったりします。夏至の頃は北回帰線上に太陽が来るコトになり日本に太陽が近づいていて、冬至になると南回帰線上に太陽が来るのでちょっと遠目だと解りますよね。そしてこの太陽の光量の違いが周囲の環境に影響を与え、四季がうまれるわけですねー。

 23度の傾きというのはこんな風に意味を持ってくる、イキモノにとってはとっても重要な角度なんですね。
 ちなみに、南北回帰線が両方とも通っている国がブラジルです。おっきい国ですねー。

◆おまけ:白夜

 太陽が夏至の頃の自転を見てみましょう。北極圏、日本、南極圏でそれぞれ自転がどうなっているか、軌跡をたどってみます。


◎夜の半球になっても太陽が沈まない北極圏(南極圏)。黄緑色の文字が太陽が沈まない時間帯

 太陽は地平線すれすれを移動して、ずっと見えているのではないかとおもいます。これが白夜です。

 南極圏では、南半球が夏のときに白夜がみられます。DOLでの再現がどの程度されているかは調査していませんので不明ですが、季節が存在することは判明していますので、ちょうど夏の季節には白夜がみられるに違いありません。
 ちなみにシェリーアンさんのブログ『シェリシェリ』で、白夜について大変くわしい実地踏査が行われていますので、こちらもあわせてご覧になるとよく分かるかと思います。これにはさすがの私も感心してしまいました。なるほどー。

 ということで、いかがでしたか? 地軸の傾きによって季節でこんな風に太陽の軌跡が変わるんですねー。画像の作りに関しては立体的な絵がかければもっとよいのですが…(笑)読んで下さった方々にとってちょっとでも理解の手助けになれば幸いです。

 なんでこの解説書いたかって言うとですねー…北斗七星の話をしたかったからなんですけれど。二回に分けてもついぞ出てきませんでしたね。この辺がマリィナクオリティ。
 次回はまた星座のお話を挟みまして、そのあとまた研究編として北斗七星に関するあれこれをお話しようかと思っています。
 なかなかスクリーンショットをとるのがむずかしい星座ですけれど、がんばってみます。

 でわ~☆

緯度と星座の見えかた(MDSS研究編2-1)

2008-09-09 21:21:48 | 星のこと・MDSS研究編
Ciao,マリィナです。DOLの全天走査計画MDSS(マリィナ・デジタル・スカイ・サーベイ)。今日の話題は、DOLで比較的よく再現されている緯度と星座の見え方をおさらいしてみます。つまり星座の見える高さや、観測者である私たちの見ている場所についての解説をしてみようかとー。
 案外記事が長くなりましたので、二回に分けてお送りします。

 星座をみる場合の緯度の理解の仕方、緯度によって変わる星座の見え方を今日はお話して、次回はもう少し踏み込んで太陽が描く軌跡と地球の公転、季節の関係をあらってみようとおもっています。

◆星を見る場所…緯度=立ち方のななめっぷり

 私たちが生活している地面は平らですけれど、地球は丸い玉ですので本当のところは湾曲しています。で、この丸い玉の上に乗った私たちは地球の外から見ると斜めったところに立っているのがわかります。


◎まりぃなちたまに立つ之図

 縞模様のようになっているのは緯度を示しています。地球が回る軸の部分、つまり地軸は傾いているので緯度の線も斜めになります。

 この緯度ですが。
 宇宙観察の規模からいうと『宇宙から見た地球人のななめっぷり』を示す度合いといってもイイかとw。実は星座の見え方に直結しますので大変重要な鍵なのです。

 絵をご覧いただいて普段の私たちの状況をご理解いただきましたら、次のステップに参りましょうー。

 星座の見え方は緯度によって変わります。たとえば東京からみなみじゅうじ座は見えません。これは東京に立ったななめっぷりよりも下の方にみなみじゅうじ座があるからです。


◎観測者の視線よりも下にある星座は見えません

 南半球の南極に近い場所ですと、もう北極星は絶対見えませんね。

 このように、緯度は星の見え方を決める直接の要因になるのです。

◆星の見え方・2 南半球から北半球の星座を見ると逆さ。

 すでに説明しましたが、緯度を絡めてもう一度解説します。南に行くとオリオン座などが逆さまに見える理由です。
 地球に立っている限り重力が働いて、日本にいようがオーストラリアにいようが逆立ちしたときのように髪が逆立ったりはしません。
 地面も平らですから、様子は違っていても見上げると空があることにかわりはありません。

 けれど、宇宙からその人たちの立ち位置を眺めると、日本の人は普通に立っていますがオーストラリアの人は逆さになっているように見えます。
 ところがオーストラリアの人も逆立ちしてるんじゃなくて普通に平らな地面に立ってるわけですから、宇宙からみて逆さでも、現地では水平な地面にちゃんと立っていることになるので…


◎南半球と北半球での立ち方の違いを宇宙から眺める之図

 宇宙からみてこうなっていても、見ている人の意識は下のオリオン座の観測のようになります。


◎北にいるひとのオリオン座


◎南にいるひとのオリオン座

 つまり南半球に移動すると、自分が逆さじゃなくて、宇宙が逆さになっていると言う見かけになるのです。

◆太陽の軌跡・1 南と北で変わる太陽の筋道

 地球は太陽の周囲を惑星として回っております。
 朝、東に見える太陽は、時間とともに南に向かって天空を移動します。南向きの窓をもうけて太陽の光をいっぱい取り込むのは、太陽が南の方を移動するからですね。


◎ボールの中心で釣り合ったような状態の軌道をとる

 いかがでしょう。中心で釣り合うので、傾きのせいで「だいたい」赤道の辺りを太陽は通過します。これによって北半球(日本など)にいると南下したところを太陽は通るのです。
 オーストラリアやケープにいたら、逆に太陽は北を通ります。
 これはDOLでも再現されていますよね。

 水星から海王星までの惑星は、全部このような感じで太陽を巡っています。冥王星だけは全然違い、ものすごい斜めっています。

 と、以上のように地球の丸みによって観測には見える星、見えない星があること、地球が丸いことで立つ位置というのはやっぱり逆だち状態もあると言うことがよくわかりますよね。って、わかりにくくなかったか心配ですけれど…。

 次回は太陽の通り道と地球との関連性を追ってみたいと思います。図をたくさん使って解りやすいようにするつもりです。

 でわ~☆

夏の夜空・2 スカーレット・ニードル(MDSS4)

2008-09-02 23:05:48 | 星のこと・MDSS
Ciao,マリィナです。DOLの星空全天走査計画MDSS。今回は夏の星座のなかでもさそり座付近を取り上げてみます。タイトルは気にしないで下さい。

 撮影場所はカルヴィ、ジェノヴァの沖合です。薄雲がはっていてなかなかシャッターチャンスがなく、苦労しています。
 さそり座があまりにも完璧な姿を見せてくれたので思わず撮影した、と言うおもむきです。

 さそり座、いて座のあたりは天の川の中でも特に濃い領域になっています。なのでもしあたりに照明などのない山などでこちらの方向を眺めると、天の川のぼうっと光る姿もそれはそれはみごとにみられるに違いありません。
 天の川はどの季節でも見られることは見られますが、さそり座、いて座のあたりは最も濃いのです。何故かというと銀河の中心がこっちの方向にあるからですね。そのあたりを下の方で解説していますのでごらんください。

 さそり座の姿は完璧なのですが、そのほかの星座がいまいちかっこよく写せていません。けれどケンタウルス座とおおかみ座が全部見えていますし、よしとしたいと思います。

 それではここから解説を。そのうち定点観測とかもやってみたいのですけれどねー…。色々企画を思いつきはするのですが、大がかりになってしまうのでなかなか手に付きません。



◆わし座(Aquila)
 あいにくと尻尾部分しかこの図には出ていません。コチラのほうは真東から北東方向になります。こと座、はくちょう座などがあります。

◆たて座(Scutum)
 小さい星座ですが画面端なので引き延ばされています

◆いて座(Sagittarius)人馬宮
 南斗六星(Nanto Rokusei)
 ヨーロッパでは、いて座はティーポットという星座線の結び方があります。それにあわせて南斗六星のひしゃくに当たる部分はミルクディッパー、ミルクのさじと呼ばれますが、まだ上りはじめで全体像が見えてきていません。

◇銀河系の中心(Galactic Center)…解説は一番下に。

◆さそり座(Scorpius)天蠍宮
 一等星アンタレス(Antares)は「火星に対抗するもの(アンチ・アーレス)」から来ています。名の通り赤い星です。さそり座の形は目立つのですぐに解ると思います。SummerのSと覚えましょう。
 日本では釣り針や竿に見立てて鯛釣り星などとよばれていました。
 さそり座は北半球ではわりと緯度の低い位置に見えます。けれど上がってしまうと尻尾のあたりしか見えませんので、タイミングを逃すと結構見えにくくなってしまいます(DOLでは)。

◆てんびん座(Libra)天秤宮
 暗い星でわかりにくいです…。構成する星もここには二つほどしか見えていません。つまり片方のお皿しか見えていないことになります。アラビアでは天秤の星にさそりの爪の名前がつけられていて、元々一つの星座だったことを思わせます。

◆へびつかい座(Ophiuchus)
 へび座をあわせてへびつかい座にすることもあります。それを合わせると最も大きい星座はこれになります。あまり特徴がないのでさがしにくいです…。

◆へび座(尾部)(Serpens Cauda)
 コーダとは後ろの部分を言います。尻尾の部分の星座ですね。

◆じょうぎ座(Norma)

◆おおかみ座(Lupus)
 もともとはケンタウルス座と一緒だったといわれています。星座絵ではケンタウルスの槍に刺される狼が描かれますが、特に神話はありません。

◆ケンタウルス座(Centaurus)
 一等星α・ケンタウリと伴星プロキシマ(α Centauri With Proxima)。プロキシマは4.2光年で太陽から最も近い恒星です。最も近くて4.2光年…。

◆みなみじゅうじ座(Crux)
 画面端、下に来ていますので大きく形が崩れて見えます。

◇黄道(Ecliptic)
 てんびん座(天秤宮)、さそり座(天蠍宮)、いて座(人馬宮)です。てんびんの前はおとめ座(処女宮)、いて座の次はやぎ座(磨羯宮)になります。


◇銀河系の中心(Galactic Center)
 太陽系のある場所は、銀河の真ん中から3万光年くらい外れた場所にあると言われています。いて座の方向はまさに銀河系の中心を見ていることになるそうです。天の川の一番濃い部分ともいえますので、このあたりには星雲、星団がたくさんあります。

銀河系の中心方向。私たちがいて座を見上げると、それを透かして銀河の中心をみていることになります。

 いかがでしたでしょうか。今夏も終わりますので、いまのうちに是非ホンモノの星空でご覧になってみて下さい。トカイの空でも綺麗に見えますよ♪

 でわ~☆