大航海時代初心者日記。→大航海星空日記。

マリィナ=ファリエル@NOTOS のんびりだらだら――のんだら系。

リアル大航海…日本丸の総帆展帆・しょの1

2009-04-14 22:27:18 | プレイスタイル
Ciao,マリィナです。本日のエントリは星のお話をお休みしまして、横浜のみなとみらい地区のドックに係留されている帆船『日本丸』を見に行きましたので、その写真をハリコしたいとおもいます。今週と来週と、二回に分けてお送りします。

 DOLでは皆さん帆船あるいは櫂船を利用しているとおもいますけれど、いずれにしても現在ホンモノの帆船はなかなか見ることができませんよね。日本丸は既にその役目を終え、横浜みなとみらい地区で展示船としてドックに係留されていますので、あの辺りに遊びに行ったときには見ることができます。
 日本丸では年に何回か帆を全て張る「総帆展帆」とよばれる行事がありまして、4/12の日曜日は今年最初の総帆展帆でした。ここ一週間かなり天気が良く、青空も広がっていますので、白い帆と青空がとっても綺麗だろうなぁー…と思って、思いきっていってみました。


◎ランドマークタワーの足下に日本丸の白い帆が風をはらむ

【帆船・日本丸】

◎船内の天井にはめ込まれたステンドグラス

 日本丸は戦時中の石炭運搬や戦後の兵士引き揚げなどに利用され、それからは練習船として活躍しました。帆船ではありますけれど、エンジンも積んでいます。現在の練習船は日本丸II世が役割を嗣いで現在に至っています。
 船内は見学可能になっていまして、様々な船内の説明ですとか、かつての航路図や使用していた道具なども展示されています。
 ちなみに日本丸の姉妹船である海王丸は、現在富山県で展示されています。
 私はDOLというゲームのなかで船を操っているに過ぎませんけれど、そういう関心があるだけに、隅々まで興味深く見学しました。

 さて、その日本丸。外洋航海用に横帆(おうはん)を張っています。スクーナーなどですと縦帆(じゅうはん)が主となりますよね。私は縦帆のほうが好きです。
 横帆を張る船の種類は、マストそのものの本数、それと横帆を展開するマストの数によって、ブリガンティン、バーケンティン、バーク、フルリグドシップなどとありまして、日本丸はそのうちのバークという船種になります。
 なお、ブリガンティンはマスト2本でフォアマストが横帆、バーケンティンはマスト3本以上でフォアマストが横帆、バークはマスト3本以上で最後尾のマスト(日本丸はジガーマスト)以外が横帆、フルリグドシップは全て横帆の構成です。
 最後のマスト以外が横帆という意味では、バークとブリガンティンは一緒ですね。マストの本数だけが違います。

 マストの本数が増えればそれだけ船は高速になりますけれど、大型化し重量(排水量)が増します。そのため、船体そのものを大変大きく作らなくてはなりません。
 が、船の構造だけで重すぎると運搬する目的が果たせません。なので、積載重量も確保しなければならず、加えて安定性の維持など、船を造る技術が発展しなければ、マストの多い船は基本的に作れません。

 重さという要素は、増せば増すほど船足に影響します。さらにいえば、積載量と速度は積荷の性格によっても吟味されてきます。クリッパーなどは積載重量や旋回性をある程度犠牲にして速度を稼いでいます。それは、積荷である紅茶の鮮度が最も重要だったからですね。ベーコンなどの保存食を樽で運ぶのとはまったく違う、茶葉という生鮮食料品を船で運ぶための船体となっています。
 速度を最重要に考えるか、それとも積荷の重量を多くとるか。この辺りはゲーム内でも結構悩みながら船大工さんに注文しますよね。


◎帆船・日本丸

【スル…帆】
 今回は帆についてレポートしたいと思います。DOLを遊んでらっしゃる皆さんには船体に次いで身近な船部品ですよね。

 にしても…とにかく巨大です。麻生地が大量に必要でしょうね、これw
 残念ながら帆を張ったりたたんだりしているところは見られませんでしたけれど、張った状態の綺麗な帆の様子をご覧下さい。
 さっそく船首からご説明しますね。

◆ジブ
 日本丸は基本的に横帆の船ですけれど、帆と帆の間や船首の部分に三角帆を張っています。これらはマストを引っ張って固定するためのリギング「ステイ」に張ってありますので、「ステイスル」といいます。
 つまり、船首のバウスプリットからフォアマストに張ってあるステイのスルなので「フォアステイスル」なのですね。
 でもコレ、よく見るとステイに帆を張っていません。それよりもバウスプリットの先端の方からフォアマストの上方に張ったリギングに取り付けてあります。
 コレはジブ、ですね。
上から
・フライングジブ
・アウタージブ
・インナージブ
です。

 
◎ジブ表と裏

 ちなみにジブは、バウスプリットを延長するよう「ジブブーム」を取り付け、ジブブームからフォアマストへステイを張り、そこに取り付けることもあります。
 日本丸にはジブブームは取り付けられていません。

◆フォア帆
 フォアマストに張られている大変大きな横帆です。フォア、メイン、ミズンと三本のマストに張られたこれらの帆は雄大で美しく、青空に良く映えてまるで絵のようですねー。
上から
・フォアロイヤルスル
・フォアアッパーゲルンスル
・フォアロワーゲルンスル
・フォアアッパートップスル
・フォアロワートップスル
・フォースル
です。


◎フォア帆、裏側から

◆メインステイスル
 かつて戦闘の時にもっとも利用された三角帆ですねw 改良ゲルン帆は相場的には1Mほどしますから、メインステイスルで戦闘している人もまだ多いでしょうか?
 さて、フォアステイスルのところでお話したように、この帆はメインマストの「ステイ」に張られています。フォア、メインマストの大きな横帆の間に張られていますから、真後ろや正面からの風は受けられません。横風を受けたとき、横帆がはためいて風をはらむことができなくなるのを防いだり、横風を推進力にかえたりと、重要な機能をもっています。
上から
・メイントップマストステイスル
・メインステイスル
です。


◎メインステイスル

◆メイン帆
 いわゆるメイン帆(メインフルリグドセイル)です。DOLをはじめたとき、メイン帆を張るのは一つの目標でした。
 フルリグドというだけあり、リギングを張り、固定しつつある一定の動きがとれるようにしてあります。たくさんの索具が張り巡らされているのはとっても壮観ですよね。
 マストに対して横に伸びている帆桁がくくりつけるところとなります。マストが高くなるごとに新たな帆が追加され、名前も追加されています。
 上から
・メインロイヤルスル
・メインアッパーゲルンスル
・メインロワーゲルンスル
・メインアッパートップスル
・メインロワートップスル
・メインスル
です。


◎メイン帆

◆ミズンステイスル
 DOLではフォアステイスルと並んでお店で購入できる帆ですね。ミズンマストを支えるステイに張られています。フォア、メインと同じ三角帆です。
上から
・ミズントップマストステイスル
・ミズンステイスル
です。


◎ミズンステイスル

◆ミズン帆
 ミズンフルリグドセイルもメイン帆と同じく何枚もの帆が二本の帆桁にはさまれるようにして張られています。
 特徴的なのは一番下の帆ですね。フォア、メイン、ミズン各帆のもっとも下の帆が「コースセイル」ですけれど、これはもっとも大きな帆であり、風を受けて帆走するとき一番推進力の出る帆となっています。
 多くの帆船の写真などでは、ミズンコースセイル(特にクロジャッキともいいます)も四角に張っていますけれど、日本丸のそれが三角になっているのは理由があります。
 (財)帆船海王丸記念財団発行の冊子『舵輪』第79号にこのようなことが書かれていますので、以下引用します。途中「…」で一部省略しました。

『ホーン岬(南アメリカ大陸の最南端)を東から西へ抜ける際,常に大時化でどの船も大変難儀してここを航海してました。その際,タッキングや…ウェアリングを繰り返し,風の方向に向かって進んで行きましたがその際,クロジャッキが扱いやすく,また操船者が前方への見晴らしが良いように…三角形のセイルになっています。そこからこのセイルは,別名「ケープホーンスル」とも呼ばれています。』

 すごーいですね。なるほどーー。たしかにウシュアイア付近の風と波は尋常じゃありません。ゲームだから進めますけれど、オフラインの大航海時代Iでは一端くぼみに入ると抜け出せなかったですからねー。
 帆の名前は上から
・ミズンロイヤルスル
・ミズンアッパーゲルンスル
・ミズンロワーゲルンスル
・ミズンアッパートップスル
・ミズンロワートップスル
・クロジャッキ
です。


◎ミズン帆。クロジャッキが三角に張られている

◆ジガーステイスル
 ステイスルの最後はジガーステイスルです。
 上から
・ジガートップマストステイスル
・ジガーステイスル
です。画像はスパンカーのトコロをご覧下さいませ。

◆スパンカー、ガフトップスル
 追加大スパンカーは北海方面で作りやすく、また納品に使えたりしますので案外重宝しますね。
 スパンカー(またはガフセイル)は三角帆と全く同じ機能を持っています。つまり風の吹く方向をうまく捕らえて推進力とし、また方向舵としての役割も担っているのです。
 ちょっと特殊な四角形をしていますけれど、これはもともと三角形をしていたものをすっぱり切り取ったからでして、より扱いやすくなっているという工夫なのです。大型化した帆船に取り付ける三角帆としては、角を切り取るのは自然な流れだったかも知れません。
 スパンカーの上にある菱形風の帆がガフトップスルです。


◎スパンカー。126畳分の大きさ


◎ラテンからガフへの変化

◆おわりに
 いかがでしたか? 方向転換するにもこの帆をたたんだり方向を変えたり、全て人力で行います。全ての帆をたたんだり広げたり、マストの上の方までのぼらねばなりませんから決して安全な作業ではないです。波の上でそうした作業をする船員さん達は危険と隣り合わせの生活だったことは容易に想像できます。
 今回でかけたことで、船がもっと身近になったような気がします。

 真っ白な帆に風を受けて、蒼海を走る船。
 今静かにドックでまどろむ日本丸の総帆展帆された船の姿は、そんなかつての航海の夢を見ているようにも思えました。

 来週は帆以外の船部品についてレポートしたいと思います。おたのしみにー。

 でわ~☆


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
美しい (ロレダン)
2009-04-20 14:59:17
帆船はやはり美しいですね。
昔、サンタマリア号のレプリカを見ましたが、小さくて吃驚した記憶があります。帆も開いてなかったので、当時は印象が薄かったですね。
今後も楽しみに拝見させていただきます~。
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太平洋の白鳥 (マリィナ)
2009-04-20 22:15:00
こんばんは。マリィナです。

星の話題が中心のこのブログですけれど、こういう船の話題も出せたらなーと思っています。
月末には長崎帆船祭もあるのですけれど…いけないですねーさすがに…いきたいなぁ…。

サンタマリア号はキャラックでしたっけ。マストの高さや本数も少ないですし、小さいでしょうね(笑)それで外洋を渡ったのですから、ものすごいことだと思います。

今週のエントリは七カ国バザーのレポートをお送りする予定ですので、来週をお楽しみにー。

でわ~☆
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