Ciao,マリィナです。DOLの全天走査計画MDSS(マリィナ・デジタル・スカイ・サーベイ)。本日は長い間ほったらかしにしてあった北天の星座を取り上げます。ほったらかしにしてあったのはちょっとした理由があったのですけれど、ちっとも調査が進展しないので軽く解説しちゃいます。詳しい調査はいずれご報告するつもりです。
日本は北半球にあります。東京は北緯35度ですので、一晩中北極星が見えていますし、たぶん北斗七星も地平線上を沈まずに回っていると思います。
そんな、沈まない夜の星座を今日はご紹介いたします。
例によってズーム効果のせいで画面左右は特に引き延ばされています(上下も)。天球上の正確な位置を表してはおりませんのでご注意くださいませ。
◎我が国ヴェネツィア。アドリア湾から北天を眺む之図
画面左から…
◆かみのけ座(Coma Berenices)
カミの話(MDSS7)で詳しくご紹介しました。ラテン語名は「ベレニケの髪」と言う意味です。
かみのけ座の星座絵は髪を丸ごと描いているので、生首の後ろ姿のようで子供心に気味の悪い思いをしていました…w
かみのけ座のこの方向は、銀河の北極点があります。銀河は横方向に星が密集して天の川として見えますけれど、縦方向は密集の度合いが少なく、しかも太陽系は銀河の中心から離れたところにありますので、銀河の北極点方面は銀河系の星がまばらになります。
つまり外の銀河を見る格好の窓になっているのです。
◆りょうけん座(Canes Venatici)
ヘベリウスによる星座の中では比較的わかりやすい星座ですね。
おおぐま座のそばにあるところをこういうアングルでとらえたのは初めてです。
この様子だとまるで大熊を追う猟犬みたいに見えますね。
この左の空間に牛飼い座がありますけれど、線で結ぶ星は画面に見えていません。
Cor Caroli
α星はコル・カロリ。コルは心臓(Core、コアですね)、カロリはチャールズ王です。
◆おおぐま座(Ursa Major)
おおぐま座と、北極星をもつこぐま座にはあわせてギリシア神話がありますけれど、熊よりもしっぽの北斗七星のほうがはるかに目立つことはMDSS10でご紹介しましたし、皆さんも実感があることと思います。トカイの空では北斗七星のカタチ以外におおぐま座の星はほぼ見えませんし…。
神話の語られた時代には6等星まで普通に見えたのですから、おおぐま座の星々というのもそう暗いものではなく、線を結べるほどに目立っていたはずです。ところがやはり7個中6個まで2等星という北斗七星の明るさは目立たないわけがなく、各地で様々なカタチが伝えられています(参照:MDSS7)。
Hokto Sichisei~星群
この北斗七星。当然、星座ではありません。88星座には北斗七星の名前はありません。北斗七星と対にして語られる、いて座の南斗六星も星座ではありません。
元々の星座の起こりは神話(宗教)と密接に結びついた「星の明るさや並びからカタチを連想する」という作業でした。
そのほか、当時の主産業である農耕に関する重要な情報としての役割ですとか、人々の運命を司る役割をになっていました。
こうしたことに共通するのは「星の明るさ」や「結びつくカタチ」は『目印』になっているということです。
特徴的なカタチ、明るい星はとにかく目立ちます。オリオン座の三つ星などは綺麗に三つ並んでいて、冬の空では一番目立ちますよね。
星の結びつけ方などは今でも自由ですけれど、プトレマイオスによって設定された48星座が広まり、それ以外に作られていた星の並びは「星座」に対して「星群」といって呼び名を区別するようになりました。
星座も星群も単純に星の並びを結びつけただけですので、当時の天文学や諸学問などへの影響はあったでしょうけれど、現代の天文学上、とくに重要なことがあるわけではありません。
星群は北斗七星や南斗六星だけでなく、アルゴ座復元でご紹介した「ニセ十字」や、春、夏、冬の大三角形も星群に当たります。
◆りゅう座(Draco)
なかなか全容を捕らえきれないりゅう座です。以前MDSS16ではかなりの部分までご紹介できましたけれど…。
くねるカタチのおもしろさがご紹介できればなぁっておもいます。いいタイミング探さなきゃ。
◆きりん座(Camelopardalis)
初登場…ですけれど、首の部分だけです。
暗い星で作られているところはやまねこ座と同じで、ヘベリウスによる命名です。おそらくトカイの空では暗くて見られません。
◆こぐま座(Ursa Minor)
Polaris
北極星を持っているこぐま座です。ちょうど北極星、見えていますね。
北半球では一年中沈まずそこに見えていますので、いまでも方角を知るのに使われます。
北天は案外暗い星が多くて、この星の目立ちようと言ったらありませんね。周囲の星が暗いので、北斗七星とカシオペヤ座とともに大変目立ちます。一晩中動かないのも目立つ理由ですね。
船で海に出るようになった古代のエジプトやギリシアの人たちは、おそらく確実にこの星を使っていただろうと想像します。
◆おわりに
いかがでしたか? 北天の星座はなじみがあるようでない星座が結構あったりします。ぶっちゃけていうと北斗七星と北極星以外なんだか分からないのが正直なところかと思います。
北斗七星についてはいろいろとお話がありますので、少しずつまとめているところです。ていうか一冊にまとまっている本とかあるはずですよねー…。何しろ信仰の対象でしたし。
この頃ちょっと息切れしてきましたので、気合いを入れてご紹介していない星座を撮影して回りたいと思います。土日ぼーっとしていることが多いので…w
来週の更新をお楽しみに。
でわ~☆
日本は北半球にあります。東京は北緯35度ですので、一晩中北極星が見えていますし、たぶん北斗七星も地平線上を沈まずに回っていると思います。
そんな、沈まない夜の星座を今日はご紹介いたします。
例によってズーム効果のせいで画面左右は特に引き延ばされています(上下も)。天球上の正確な位置を表してはおりませんのでご注意くださいませ。
◎我が国ヴェネツィア。アドリア湾から北天を眺む之図
画面左から…
◆かみのけ座(Coma Berenices)
カミの話(MDSS7)で詳しくご紹介しました。ラテン語名は「ベレニケの髪」と言う意味です。
かみのけ座の星座絵は髪を丸ごと描いているので、生首の後ろ姿のようで子供心に気味の悪い思いをしていました…w
かみのけ座のこの方向は、銀河の北極点があります。銀河は横方向に星が密集して天の川として見えますけれど、縦方向は密集の度合いが少なく、しかも太陽系は銀河の中心から離れたところにありますので、銀河の北極点方面は銀河系の星がまばらになります。
つまり外の銀河を見る格好の窓になっているのです。
◆りょうけん座(Canes Venatici)
ヘベリウスによる星座の中では比較的わかりやすい星座ですね。
おおぐま座のそばにあるところをこういうアングルでとらえたのは初めてです。
この様子だとまるで大熊を追う猟犬みたいに見えますね。
この左の空間に牛飼い座がありますけれど、線で結ぶ星は画面に見えていません。
Cor Caroli
α星はコル・カロリ。コルは心臓(Core、コアですね)、カロリはチャールズ王です。
◆おおぐま座(Ursa Major)
おおぐま座と、北極星をもつこぐま座にはあわせてギリシア神話がありますけれど、熊よりもしっぽの北斗七星のほうがはるかに目立つことはMDSS10でご紹介しましたし、皆さんも実感があることと思います。トカイの空では北斗七星のカタチ以外におおぐま座の星はほぼ見えませんし…。
神話の語られた時代には6等星まで普通に見えたのですから、おおぐま座の星々というのもそう暗いものではなく、線を結べるほどに目立っていたはずです。ところがやはり7個中6個まで2等星という北斗七星の明るさは目立たないわけがなく、各地で様々なカタチが伝えられています(参照:MDSS7)。
Hokto Sichisei~星群
この北斗七星。当然、星座ではありません。88星座には北斗七星の名前はありません。北斗七星と対にして語られる、いて座の南斗六星も星座ではありません。
元々の星座の起こりは神話(宗教)と密接に結びついた「星の明るさや並びからカタチを連想する」という作業でした。
そのほか、当時の主産業である農耕に関する重要な情報としての役割ですとか、人々の運命を司る役割をになっていました。
こうしたことに共通するのは「星の明るさ」や「結びつくカタチ」は『目印』になっているということです。
特徴的なカタチ、明るい星はとにかく目立ちます。オリオン座の三つ星などは綺麗に三つ並んでいて、冬の空では一番目立ちますよね。
星の結びつけ方などは今でも自由ですけれど、プトレマイオスによって設定された48星座が広まり、それ以外に作られていた星の並びは「星座」に対して「星群」といって呼び名を区別するようになりました。
星座も星群も単純に星の並びを結びつけただけですので、当時の天文学や諸学問などへの影響はあったでしょうけれど、現代の天文学上、とくに重要なことがあるわけではありません。
星群は北斗七星や南斗六星だけでなく、アルゴ座復元でご紹介した「ニセ十字」や、春、夏、冬の大三角形も星群に当たります。
◆りゅう座(Draco)
なかなか全容を捕らえきれないりゅう座です。以前MDSS16ではかなりの部分までご紹介できましたけれど…。
くねるカタチのおもしろさがご紹介できればなぁっておもいます。いいタイミング探さなきゃ。
◆きりん座(Camelopardalis)
初登場…ですけれど、首の部分だけです。
暗い星で作られているところはやまねこ座と同じで、ヘベリウスによる命名です。おそらくトカイの空では暗くて見られません。
◆こぐま座(Ursa Minor)
Polaris
北極星を持っているこぐま座です。ちょうど北極星、見えていますね。
北半球では一年中沈まずそこに見えていますので、いまでも方角を知るのに使われます。
北天は案外暗い星が多くて、この星の目立ちようと言ったらありませんね。周囲の星が暗いので、北斗七星とカシオペヤ座とともに大変目立ちます。一晩中動かないのも目立つ理由ですね。
船で海に出るようになった古代のエジプトやギリシアの人たちは、おそらく確実にこの星を使っていただろうと想像します。
◆おわりに
いかがでしたか? 北天の星座はなじみがあるようでない星座が結構あったりします。ぶっちゃけていうと北斗七星と北極星以外なんだか分からないのが正直なところかと思います。
北斗七星についてはいろいろとお話がありますので、少しずつまとめているところです。ていうか一冊にまとまっている本とかあるはずですよねー…。何しろ信仰の対象でしたし。
この頃ちょっと息切れしてきましたので、気合いを入れてご紹介していない星座を撮影して回りたいと思います。土日ぼーっとしていることが多いので…w
来週の更新をお楽しみに。
でわ~☆