Ciao,マリィナです。DOLの全天走査計画MDSS(マリィナ・デジタル・スカイ・サーベイ)の更新です。
リアルの空はすっかり秋。18時頃くらいから南の空に『木星』がひかっています。ちょっとオレンジっぽい差し色で、澄んだ空にピアスのように空に留めてある姿は綺麗ですよねー。
さて、今回は秋ではなく春の星座をご覧いただきます。ルクレッツァ・ロッソさんのブログ『ヴェネツィア海洋大学 海洋史学部 附属図書館』の10/6の記事「紙」の文化史 (6)に呼応するような形になりました。ルクレッツァさんのエントリはたいへん興味深いお話ですので、ぜひご覧くださいませ。
では早速スクリーンショットを。
◎春の宵、東からやや北寄りの星空
◆おおぐま座(Ursa Major)
熊よりも北斗七星で圧倒的に有名な星座です。北斗七星の部分は、ひしゃく、荷車、サイコロの四と三、スプーンなどいろいろに想像されました。
なにしろ「おおぐまのしっぽ」の7つ(撥音を入れると8つ)のうち6つの星が二等星ですから、この目立ちようはたいへんなものです。
また北天の星座として、場所によっては一晩中沈みません。目立つ上に沈まないのですから多くの神話や伝説も語られますでしょう。
ただ、おおぐま座全体としてはそれほど目立つわけでもなく…天体観測の上でのみ注目を浴びているという、ちょっと不運な(?)星座です。
そうそう、北天の中心にいる小熊の周囲を巡る大熊の姿は、ちょっとほほえましいかも。
Mizar with Alcor
ミザル(Mizar)とアルコル(Alcor)はくっついてみえますが、お互いの星は1光年ほど離れているので、寄り添っているのは実は見かけだけです。
◆りょうけん座(Canes Venatici)
Cor Caroli
「チャールズ王の心臓」という意味のα星「コル・カロリ(Cor Caroli)」は、北斗七星のひしゃくの明るさにつられて見つけやすい星です。
また、コル・カロリを要として、北斗七星のひしゃくの部分を扇に見立てることもできます。
このように、りょうけん座は星座としてはマイナーでしょうけれど、好位置にあるのでよくわかります。星座線の結びはちょっとこいぬ座風。
望遠鏡では「子持ち銀河」と呼ばれる面白い形の渦巻き銀河が観られることでも有名です。
◆かみのけ座(Coma Berenices)
王妃ベレニケの御髪。史実に基づいて生まれた星座は二つありまして、このかみのけ座と、もう一つは夏の『たて座』です。
この星座は線で結ぶというよりも、集まっている星々の様子から髪の束に見立て、結んだ線そのものは王冠にたとえたかんじになっています。
由来はちょっと血なまぐさいですけれど(コチラをご参照ください)、綺麗な星座ですね。
◇銀河団
天文学の世界では「かみのけ座銀河団」というのが有名です。
銀河はぽつーんと一つ二つ浮かんでいるわけではなく、どうやら互い引き合って集団を作っているらしいのですね。それが「銀河団」です。部活でも任意団体でもありません(何)
その銀河団はさらにあつまって超銀河団になり…と、途方もないことが起こっているらしいです。
かみのけ座銀河団のほかに「おとめ座銀河団」などもあり、望遠鏡を通すとこのあたりには多数の銀河を観測できます。私たちの銀河系はおとめ座銀河団に属するといわれています。
◆しし座(Leo)獅子宮
しし座の形は非常に整っていてなるほどーと思います。残念ながら今回のスクリーンショットに全体像は写っておりませんので、またの機会に解説しますね。
Denebola
春の大三角形を形作る星をデネボラ(Denebola)といいますが、はくちょう座のデネブと同じくしっぽを表しています。
デネボラのすぐそば、今ではかみのけ座の領域の星の集まりですけれど、これは王妃ベレニケの髪の逸話がなければしし座の尾の房に当たっていました。ちょっと星団みたいな星の集まりなので目立ちますよね。りょうけん座のコル・カロリや北斗七星のひしゃくに近いのでちょっとはわかりやすいです。
しし座はギリシャのネメアという谷にすんでいて、英雄ヘラクレスが退治した獅子です。刃物を通さない強靱な皮膚(甲羅もあるらしい)でしたので、ヘラクレスは殺したあとに皮をはいで鎧にしたといいます。ヘラクレスの絵には獅子の皮を被った姿が多いですが、しし座だったんですねー。
ちなみにうみへび座やかに座など、ヘラクレスに退治された怪物の星座が結構この辺にあります。
◆おとめ座(Virgo)処女宮
DOLの星空では一度に全体像を見るのが大変難しい星座と言うことに気がつきました。
うみへび座につぐ大きさを誇りますので、つまり全天で二番目に大きな星座です。
そして東から上るときはちゃんと立った姿で上ってくるので、足が見える頃、頭のほうはもう画面外にいってしまいます。こまゆ。いつか合成してお届けしますw
しし座のしっぽからほど近くに頭があり、一等星のスピカが現れるのはまたしばらく経ってからになります。
このおとめ座がいったい神話中の誰に当たるかはいろんな説があるみたいで、私が知っているのはアストレアかデーメーテールですねー。
アストレアは正義の女神で、正義をはかる天秤を持っています。地上で人と一緒に暮らしていましたが、「銅の時代」になって、人々の間に戦争がおこり、殺しあいをするようになると、人間の営みに失望し天上に昇ったと言われています。手に持っていた天秤はてんびん座となりました。
◆コップ座(Crater)
私たちが想像しているグラスと違って、大きな器といった方がよいようです。
Crater(クラテル)というのは古代ギリシャで用いられた、ワインと水を混ぜる容器を言います。
要するに焼酎サーバーです(爆)
◆からす座(Corvus)
星の並び方が結構特徴的で、身体の台形と、くちばしに当たっている台形から一つ出っ張ったトコロにある星がとっても解りやすいです。小さくまとまった星座は見つけやすくていいですね。
下手に大きなおとめ座などより解りやすいです。
ギリシャ神話のアポロンの使いの烏だそうです。どうも怠け者とか嘘つきとかいう性格だったらしく、その舌禍の見せしめのために空に鋲で留められているそうな。
◆うみへび座(Hydra)
とにかく長いこの星座は、画面の仕様でズームされていなくてもこういう長さなのです。てゆーかもっと長い。
左にしし座とおとめ座が見えていますけれど、それより上にあるかに座、それより下にあるてんびん座にまでのびています。
ながすぎーーーー。
ヘラクレスの倒したヒドラはこの星座です。彼の冒険では頭が九つあるバケモノ蛇だそうです。やまたのおろちなり。
暗い星ばっかりなんですけれど、この上にくっついているからす座とコップ座が案外解りやすいので、それをよすがとして見つけることは困難ではありません。
ただし、頭が見えていたら…のお話ですけれど。尻尾のほうから辿るのはちょっとむずかしいですね。
南に来ると本当に長大な星座なのでびっくりしますよー。
◇黄道(Ecliptic)
獅子宮、処女宮です。獅子宮の上に巨蟹宮、処女宮の次は天秤宮です。銀河からはだいぶ離れていますね。うみへび座のさらに南にほうに天の川はながれています。
いかがでしたか? ちょっと中途半端な星座の見え方でしたけれど、わりと大きな星座が多くていろいろと難しいですよねー。一度に見られない星座は分割して掲載するなど工夫したいと思います。
獅子宮と処女宮もでました。秋の星座であるみずがめ座(宝瓶宮)ややぎ座(磨羯宮)はまた今度解説します。秋ですしそのあたりが旬ですからね。
でわ~☆
リアルの空はすっかり秋。18時頃くらいから南の空に『木星』がひかっています。ちょっとオレンジっぽい差し色で、澄んだ空にピアスのように空に留めてある姿は綺麗ですよねー。
さて、今回は秋ではなく春の星座をご覧いただきます。ルクレッツァ・ロッソさんのブログ『ヴェネツィア海洋大学 海洋史学部 附属図書館』の10/6の記事「紙」の文化史 (6)に呼応するような形になりました。ルクレッツァさんのエントリはたいへん興味深いお話ですので、ぜひご覧くださいませ。
では早速スクリーンショットを。
◎春の宵、東からやや北寄りの星空
◆おおぐま座(Ursa Major)
熊よりも北斗七星で圧倒的に有名な星座です。北斗七星の部分は、ひしゃく、荷車、サイコロの四と三、スプーンなどいろいろに想像されました。
なにしろ「おおぐまのしっぽ」の7つ(撥音を入れると8つ)のうち6つの星が二等星ですから、この目立ちようはたいへんなものです。
また北天の星座として、場所によっては一晩中沈みません。目立つ上に沈まないのですから多くの神話や伝説も語られますでしょう。
ただ、おおぐま座全体としてはそれほど目立つわけでもなく…天体観測の上でのみ注目を浴びているという、ちょっと不運な(?)星座です。
そうそう、北天の中心にいる小熊の周囲を巡る大熊の姿は、ちょっとほほえましいかも。
Mizar with Alcor
ミザル(Mizar)とアルコル(Alcor)はくっついてみえますが、お互いの星は1光年ほど離れているので、寄り添っているのは実は見かけだけです。
◆りょうけん座(Canes Venatici)
Cor Caroli
「チャールズ王の心臓」という意味のα星「コル・カロリ(Cor Caroli)」は、北斗七星のひしゃくの明るさにつられて見つけやすい星です。
また、コル・カロリを要として、北斗七星のひしゃくの部分を扇に見立てることもできます。
このように、りょうけん座は星座としてはマイナーでしょうけれど、好位置にあるのでよくわかります。星座線の結びはちょっとこいぬ座風。
望遠鏡では「子持ち銀河」と呼ばれる面白い形の渦巻き銀河が観られることでも有名です。
◆かみのけ座(Coma Berenices)
王妃ベレニケの御髪。史実に基づいて生まれた星座は二つありまして、このかみのけ座と、もう一つは夏の『たて座』です。
この星座は線で結ぶというよりも、集まっている星々の様子から髪の束に見立て、結んだ線そのものは王冠にたとえたかんじになっています。
由来はちょっと血なまぐさいですけれど(コチラをご参照ください)、綺麗な星座ですね。
◇銀河団
天文学の世界では「かみのけ座銀河団」というのが有名です。
銀河はぽつーんと一つ二つ浮かんでいるわけではなく、どうやら互い引き合って集団を作っているらしいのですね。それが「銀河団」です。部活でも任意団体でもありません(何)
その銀河団はさらにあつまって超銀河団になり…と、途方もないことが起こっているらしいです。
かみのけ座銀河団のほかに「おとめ座銀河団」などもあり、望遠鏡を通すとこのあたりには多数の銀河を観測できます。私たちの銀河系はおとめ座銀河団に属するといわれています。
◆しし座(Leo)獅子宮
しし座の形は非常に整っていてなるほどーと思います。残念ながら今回のスクリーンショットに全体像は写っておりませんので、またの機会に解説しますね。
Denebola
春の大三角形を形作る星をデネボラ(Denebola)といいますが、はくちょう座のデネブと同じくしっぽを表しています。
デネボラのすぐそば、今ではかみのけ座の領域の星の集まりですけれど、これは王妃ベレニケの髪の逸話がなければしし座の尾の房に当たっていました。ちょっと星団みたいな星の集まりなので目立ちますよね。りょうけん座のコル・カロリや北斗七星のひしゃくに近いのでちょっとはわかりやすいです。
しし座はギリシャのネメアという谷にすんでいて、英雄ヘラクレスが退治した獅子です。刃物を通さない強靱な皮膚(甲羅もあるらしい)でしたので、ヘラクレスは殺したあとに皮をはいで鎧にしたといいます。ヘラクレスの絵には獅子の皮を被った姿が多いですが、しし座だったんですねー。
ちなみにうみへび座やかに座など、ヘラクレスに退治された怪物の星座が結構この辺にあります。
◆おとめ座(Virgo)処女宮
DOLの星空では一度に全体像を見るのが大変難しい星座と言うことに気がつきました。
うみへび座につぐ大きさを誇りますので、つまり全天で二番目に大きな星座です。
そして東から上るときはちゃんと立った姿で上ってくるので、足が見える頃、頭のほうはもう画面外にいってしまいます。こまゆ。いつか合成してお届けしますw
しし座のしっぽからほど近くに頭があり、一等星のスピカが現れるのはまたしばらく経ってからになります。
このおとめ座がいったい神話中の誰に当たるかはいろんな説があるみたいで、私が知っているのはアストレアかデーメーテールですねー。
アストレアは正義の女神で、正義をはかる天秤を持っています。地上で人と一緒に暮らしていましたが、「銅の時代」になって、人々の間に戦争がおこり、殺しあいをするようになると、人間の営みに失望し天上に昇ったと言われています。手に持っていた天秤はてんびん座となりました。
◆コップ座(Crater)
私たちが想像しているグラスと違って、大きな器といった方がよいようです。
Crater(クラテル)というのは古代ギリシャで用いられた、ワインと水を混ぜる容器を言います。
要するに焼酎サーバーです(爆)
◆からす座(Corvus)
星の並び方が結構特徴的で、身体の台形と、くちばしに当たっている台形から一つ出っ張ったトコロにある星がとっても解りやすいです。小さくまとまった星座は見つけやすくていいですね。
下手に大きなおとめ座などより解りやすいです。
ギリシャ神話のアポロンの使いの烏だそうです。どうも怠け者とか嘘つきとかいう性格だったらしく、その舌禍の見せしめのために空に鋲で留められているそうな。
◆うみへび座(Hydra)
とにかく長いこの星座は、画面の仕様でズームされていなくてもこういう長さなのです。てゆーかもっと長い。
左にしし座とおとめ座が見えていますけれど、それより上にあるかに座、それより下にあるてんびん座にまでのびています。
ながすぎーーーー。
ヘラクレスの倒したヒドラはこの星座です。彼の冒険では頭が九つあるバケモノ蛇だそうです。やまたのおろちなり。
暗い星ばっかりなんですけれど、この上にくっついているからす座とコップ座が案外解りやすいので、それをよすがとして見つけることは困難ではありません。
ただし、頭が見えていたら…のお話ですけれど。尻尾のほうから辿るのはちょっとむずかしいですね。
南に来ると本当に長大な星座なのでびっくりしますよー。
◇黄道(Ecliptic)
獅子宮、処女宮です。獅子宮の上に巨蟹宮、処女宮の次は天秤宮です。銀河からはだいぶ離れていますね。うみへび座のさらに南にほうに天の川はながれています。
いかがでしたか? ちょっと中途半端な星座の見え方でしたけれど、わりと大きな星座が多くていろいろと難しいですよねー。一度に見られない星座は分割して掲載するなど工夫したいと思います。
獅子宮と処女宮もでました。秋の星座であるみずがめ座(宝瓶宮)ややぎ座(磨羯宮)はまた今度解説します。秋ですしそのあたりが旬ですからね。
でわ~☆