これは、ホルトノキの種子。ホルトノキ科ホルトノキ属。ほかに、実が食べられるシマホルトノキがあり、小笠原固有種とされている。
このブログで以前、「珍らしい花壇草花3」で紹介した植物である。
初夏に白くクリームぽい小花を咲かせて(総状花序)、今時分に熟し結実する。 わたしは現在、東京湾内東雲運河に面した、有明の超高層マンション工事に関連していて、ここの設計者が誰かは不明だが、それぞれ2.5~3.0 4.0 6.0mの樹高のホルトノキが大量に植栽されていてうれしいのだ。適地適木とわたしは思うのだ。そこで思い余って種子を集めてきた。また、殖やしてみよう。
これはかつて、15年ほど前、『天王洲アイル』 計画の植栽プランで、わたしがこの樹木の大量採用を強く推し進めた材料である。(多分、80本くらいだったと思う) 当時、この植栽工事直後に、実は、この状況を現場に見にきて東京の港区役所が街路樹として新橋駅前などに新規に採用して植栽したものである。
古くから、潮風に強く常緑樹木で景観的に見せる樹種ではヤマモモが一番とされてきた。しかし、ヤマモモは最近がん腫病に感染した樹木が多いのだ。またこの樹木は栽培期間が長いせいか(生長が遅いせいか)、樹木単価が高くつく。そういう理由で数を多く使いこなせない、そんな憾みがある。
わたしが過去に東京湾沿いをはじめとして耐潮性樹木を追求していた。そんなこんな探しているときに、たまたま、第七台場、お台場海浜公園の造成した樹林でホルトノキを見つけたものである。場所はホテル日航東京の近くで今のゆりかもめの駅そば、-おだいばビーチ- あたりである。ここは、埋立て完了後から東京都港湾局が独自に樹木の耐潮性を調べるために試験植栽していたものである。
ほかに、外来種の常緑性のアカシア、ユーカリや深山性のサワグルミなどの落葉樹があった記憶がある。
この樹木は、件(くだん)のヤマモモと比較して枝葉が疎であり、5月過ぎの紅葉し赤くなった古葉を落としている時季は涼やかな色合いである。伸びも数倍早く、また萌芽力があり剪定や刈り込みにも適していているのだが、関東地方ではめったに見かけない。が、それゆえに、実は仕立物にも向いている。
九州など西日本へ行くと、各地で街路樹に植えられている。特に有名なのが鹿児島市内のもので大きく成長した樹冠とその姿は、南国風で明るく風格さえ感じさせるものだ。植生的には南房総から東海地方を北限として山林に自生している。
現在、東京湾岸地区内の開発計画に公共、民間を問わず都市緑化樹木として多用されている。わたしとしてはこの樹木の特徴、利用しやすさが認知されているようで、喜ばしい限りだ。
ただし、伝染性は認めらていないのだが、樹木全体の葉がしおれ短期間に突然死に至るポックリ病がある。原因は不明。ホルトノキは樹種として、元来、病気にかからないとされていた。しかし、知られていない3大樹病のひとつに挙げられているので付け加えておく。
さてこれは、そのひと枝と採実したものである。過去に在社中の圃場で播種したところ(果肉を洗い落として取り播き)、100%とはいかないまでも極めて発芽率が良かった経験をした。これからたわむれにジフィーナインポットに播く予定である。
なお、植木材料生産業者、造園業者の方でホルトノキの入手情報、特性を知りたい方はご連絡ください。植栽経験などの苦労話を含めてお答えします。
コメント、お問い合わせに際して、連絡方法は下段のコメント(0)をクリックするか、少々面倒ですがこちらのH・P 有限会社グリーンワークスから入り、お問い合わせフォーム、メール等でお願いいたします。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます