うざね博士のブログ

緑の仕事を営むかたわら、赤裸々、かつ言いたい放題のうざね博士の日記。ユニークなH・Pも開設。

日本庭園風-湧水の流れ-

2013年11月20日 04時57分43秒 | ランドスケープデザイン
ここではある流れをアップする。わたしの業務の一端としては、最近、珍しい工事だ。小河川の源流ともなる調整池へそそぐ湧き水を利用した修景的な工事である。浸水域を想定した芝生地などに布設した暗渠排水管2か所を含む4か所からひょっこり水が出てくる。無降雨時の流出量は目視でコンスタントに毎分4~7ℓぐらいだろうか。一般公開に際し、サイン計画の上では ≪せせらぎ≫ とネーミング予定だ。わたしはプランニングではなくて施工時から加わった。
 つかっている自然石は、筑波石の野面石と景石である。石質は花崗岩。これは事前に材料検査で現地に行って来たのだが、実は茨城県の中央部の筑波山の麓で現在も採堀されている。バブル景気の前後は、この東日本では非常に高価な石組材料であったが、トンあたりの取引価格は、今は庭園材としてもかなり暴落しているようだ。ここでは、据え付けモルタルや防水コンクリートなしの現地発生の粘質土を利用した土極めで固定している。
 計画では目地や池畔への植栽はなしで、自然の発芽や繁茂にまかせるとのコンセプトだ。底辺の川幅およそ1.0mで、流れの長さは26.0m になり、使用数量は野面石で60トン、また景石は21トンである。発注者側の監修者がいてなんどもつくりかえたのが現在の最終の姿である。
 純然たる石組みよりも施工手間がかかり、およその工事金額は、530万円になっている。
 施工監理職としてのわたしにとって、工事関係者には未経験者が多くて四苦八苦したが、最終的にどうにかまとまってくれたという思いがいっぱいだ。職人さんも二十代から三十代と若くて戸惑ったもの。我田引水の物言いだが、たびたび自腹で訪れた、わたしの過去の京都の日本庭園見学経験が活きたという感じだ。

 なお、写真上で左クリックすると画像を拡大して見ることができます(タイトルバーの横の⇦ボタンで元に戻る)。落ち着くまでは水洗作業は止めて泥まみれですが、どうぞ、この工事過程も含めてご覧になってください。
撮影日時:平成25年9月~10月中旬
   
  

      

      
           
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