このあいだ、東京駅前の 八重洲ブックセンターに行った。前回は昨年の末ころか、その時以来である。店内の模様替え、配置替えをおこなったようで、少々迷いながら、おおむね、上の階から見て回った。その直前に専門図書に会社の先輩から教えられた 「水道手帳」 を別フロアで探すが見つからずじまい。わたしのその次の目的であった5階の文庫本コーナーでは目を皿のようにして、各出版社の棚を探す。やはり、本好きが直接探すのはここであって、わたしにとって一番なのだ。結局、 山本七平の「「常識」の条件」 「現人神の創作者たち 上・下」、 高峰秀子の 「わたしの渡世日記 上・下」、 幸田文の 「木」、の6冊。合計でレシートを見れば、4,348円になった。その数日前には三省堂書店にて、橋本治の 「小林秀雄の恵み」を買う。
ちなみに、この本屋さんには足かけ25年は通ってきている。東京駅の八重洲口や書店の前も変わった。当初は1万円前後は買いこみ、終わったら必ず2階の喫茶コーナーで、コーヒーを頼み煙草を吸いながら戦果品(買った本なのだが・・・)を拾い読みするのが豊かな気持ちにさせられて楽しみであった。今回、あらためて感じたのは建設業界の不振であった。なにせ並べられている冊数やコーナーのボリュームが減っている。多分、増えているのはIT関連の出版物か。または、資格本のコーナーか。わたしにとって哀しくわびしい話だ。わが造園業界はなんともいえない惨憺たる有様、植物関係は環境部門に収斂されているが、とりわけ、園芸好きには見つけにくくなった。これでは、探す楽しみも半減するというものだ。
なんだか言っても、時代はどの分野、世界でも変わるのだろうが、とりあえず、わたしは通勤車中の読書本を得てこれから読むのが楽しみだ。今後は、若かった学生時代を思い出しながら、神田の神保町の古本屋をめぐっていこうかな。